ロードバイクやクロスバイクには乗っているけれど、本格的なウェアはまだ持っていないというサイクリストへ向けて、この記事ではサイクルウェアの特徴や種類などを詳しく解説します。
また、夏に向けておしゃれなメンズサイクルウェアのコーディネートも紹介します。
サイクルウェアの特徴
ちょっとした街乗りならば、Tシャツに短パンなどの普段着でも問題ありませんが、ロングライドや夏にサイクリングをするときには、やはり専用のサイクルウェアがおすすめです。
サイクルウェアには普段着にはない、機能性の高さがあります。
「機能性が高いウェアが良いのならば、トレーニングウェアでも同じではないか。」と考えるかもしれませんが、サイクルウェアはデザインにおいてトレーニングウェアとも大きな違いがあるのです。
それでは、サイクルウェアが普段着やトレーニングウェアと違い、サイクリストのために作られている点を見ていきましょう。
機能性の高さ
サイクルウェアが普段着と大きく違う点として、3つの機能性の高さが挙げられます。
吸汗速乾性、防寒・透湿性
夏のサイクルウェアは、吸汗速乾性に優れた素材で作られています。夏の普段着でよく着るコットンTシャツには吸汗性はありますが、速乾性はありません。
夏は自転車に乗っている間ずっと汗をかいている状態が続きますが、吸汗速乾性の高いウェアを着ることで、すぐに汗を吸収しウェアが肌に張り付くことを軽減し、快適にライドを続けられます。
冬は防寒性の高い普段着もありますが、熱がこもりやすく、逆に汗をかいてしまうことがあります。
冬用のサイクルウェアは防寒だけでなく透湿性に優れた素材を使ったアイテムが多いので、防寒と同時にジャージの中にこもった熱を外に逃がしやすく、汗冷えを防いでくれる役割も果たしてくれるのです。
ストレッチ性
サイクルウェアと聞くと、身体にフィットしたピタピタのジャージをイメージする人も多いでしょう。
普段着と違い、サイクルウェアはストレッチ性が高い素材で作られています。普段着では素材が突っ張ってしまい、自転車をこぐ動きの妨げになってしまうことがありますが、素材が身体にフィットすることで身体を動かしやすく、快適にサイクリングを楽しめるのです。
UVケア機能
夏のライドが疲れる理由の1つに、紫外線が挙げられます。紫外線によるダメージ修復のために身体機能が働くので、それによって不快感が残ってしまうのです。
普段着と違いサイクルウェアにはUVケア機能が付いているものが多くあります。
普通のTシャツではなくUVケア対策に優れたサイクルウェアを選ぶことで、負担が軽減され、夏のロングライドを楽しむことができるようになるのです。
デザイン
機能性に関しては、トレーニングウェアとそれほど大きな違いがないサイクルウェアですが、デザインに関しては大きな違いがあります。
トップスは自転車に乗ったときの前傾姿勢に合わせて前身が短く、後身が長く設計されています。
このデザインによって、自転車に乗っているときに前がもたついたり、背中が見えてしまったりする心配がなくなります。
また、身体へのフィット感も高いので激しい動きにも対応でき、首元や腕が擦れ難くなっています。
ほとんどのトップスには、バックポケットが付いています。収納性に優れているものが多く、携帯や財布以外にもコンパクトに畳んだウィンドブレーカーや補給食などライドに必要なアイテムを入れることができます。
このデザインによって、バックパックなどを持たずに身軽な状態でライドを楽しむことができます。レーサーパンツはお尻の部分にクッション性の高いパッドが入っています。
ロードバイクなどのサドルは硬いものが多いので、このパッドが衝撃を吸収し負担を軽減してくれます。
ロングライドやヒルクライムなどでもお尻の衝撃を軽減してくれ、まさにサイクリストのためにデザインされたパンツです。
サイクルウェアのイメージでピタピタ以外によく耳にするのが、ジャージのデザインや色使いが派手ということです。もちろん、これにもきちんとした理由があります。
自転車は車道を走るので、車に気付いてもらうことが快適なライドをするためにとても重要になってきます。派手なウェアを着ることで、ドライバーから認識されやすくなり、快適にライドができるようになるのです。
また、反射素材を使っているウェアなら夜のライドの視認性を高めてくれます。
メンズサイクルウェアの種類・タイプ
次に、サイクルウェアを種類別に詳しく解説していきます。
ジャージ・トップス
カジュアルなタイプからプロチームのレプリカタイプなどまで、デザイン性に富んだジャージは、サイクルウェアの代表と言っても過言ではありません。
吸汗速乾性に優れ、身体にフィットするデザインは空気抵抗を少なくしてくれます。ほとんどのジャージにはバックポケットが付いており、手ぶらでライドできるようにデザインされています。
ジャージには半袖と長袖がありますが、半袖はインナーなどを合わせることで真冬以外は使えます。初めてのサイクルウェアとして選ぶのであれば、半袖ジャージがおすすめです。
長袖は春夏と秋冬で使用している素材が大きく違うので、購入するときは注意しましょう。
ジレ
ウィンドブレーカーのような薄手の防風素材で作られているジレは、季節や天候の変化に素早く対応できる優れたアイテムです。
ウィンドブレーカーだと袖があって暑いけれど、半袖ジャージだけでは少し肌寒いときに、ジレを着ることで身体を温め、体感温度を保ってくれるのです。
袖がないベストのような形なので、コンパクトに折り畳めば小さくなるため、バックポケットに1つ入れておくと安心なアイテムです。
レーサーパンツ
お尻の部分にクッション性の高いパッドが入っているため、硬いサドルに座っていてもお尻の衝撃が軽減されるという、まさにサイクリストのためのパンツです。
ペダルをこぎやすいようにデザインされ、ストレッチ性の高い素材で身体にフィットするように作られています。それにより空気抵抗が減り、スピード感を楽しむことができます。
また、吸汗速乾性に優れているのでロングライドでも快適であり、サイクリストにはメリットが多いパンツです。
ビブパンツ
レーサーパンツに肩ひもがついたパンツです。ウエストの締め付けがないので、前傾姿勢になっても苦しくなく、ライドも楽になります。
激しくペダルをこいでいるとどうしてもパッドがずれてしまったり、パンツが下がってしまったりすることがありますが、ビブパンツなら肩ひもがあるのでそれらの懸念が軽減されます。
上下がつながっているのでトイレのときは脱ぐのが大変ですが、クイック式という上下取り外しが可能なタイプを選べば、下だけ脱ぐことができます。
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上下セットアップ
メンズサイクルウェアを初めて購入するという人や、かっこよく着こなしたいけどコーディネートに自信がないという人は上下セットアップを選んでみましょう。
上下セットアップを選ぶことで、統一感のあるコーディネートが仕上がるのでおすすめです。
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ウォーマー
ウィンドブレーカーを着るにはまだ暑いけれど、ジャージとレーサーパンツとジレだけでは少し肌寒い、というときに役立つのがウォーマーです。
アームウォーマーとレッグウォーマーがあり、裏起毛素材で作られ保温性が高いものが主流です。
小さく折り畳んで収納できるので、秋のライドでバックポケットに入れておけばいざというときに役立ちます。
最初はジャージに合わせやすい、シンプルな色やデザインを選ぶと良いでしょう。
インナー・アンダーウェア
インナーの重ね着をすると暑くなったり、もたついたりするイメージがありますが、実はインナーやアンダーウェアは着たほうが快適なライドができます。
例えば、ビブパンツをはいているとき、インナーを着ていれば肩が擦れにくくなります。
春夏は吸汗速乾性に優れたタイプが多く、蒸れを軽減してくれます。
秋冬は防寒性だけでなく吸汗速乾性も優れたタイプが多いので、汗冷えを軽減してくれます。それぞれの季節にあったインナーを選ぶようにしましょう。
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ウィンドブレーカー
季節の変わり目やサイクリングする場所によって1着あると便利なのがウィンドブレーカーです。はっ水性もあるので、少しの雨ならば防ぐことができます。
コンパクトに折り畳めるタイプならバッグに1着あっても邪魔になりません。
ウィンドブレーカーを選ぶとき、大きすぎるタイプを選んでしまうと風の抵抗を増やしてしまい、スピードが出なくなり疲れやすくなります。
また、小さすぎると身体の動きを妨げてしまうので、ジャストサイズを選ぶことがポイントです。
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夏のサイクルウェアの基本コーデ
ウェア選びを間違えれば熱中症になってしまったり、日焼けで体力を奪われてしまったりとリスクが高いのが夏のライドです。
そんな夏のライドでは、半袖ジャージ+夏用インナー+7分丈のパンツ又はショートパンツが基本のコーディネートです。
吸汗速乾性やUVケア機能のあるウェアを選ぶことで、紫外線や暑熱対策ができます。
この基本コーディネート以外にも、夏のライドにプラスしたいアイテムを2つ紹介します。
アームカバー・レッグカバー
夏のライドでもっとも注意しなくてはならないのが、紫外線です。
肌が焼けても気にならない人も多いかもしれませんが、紫外線を受けることで体力が消耗してしまい、結果として熱中症の要因になることもあります。
UVケア加工されているウェアを選んだり、日焼け予防を行うことも大切ですが、1番大切なのは肌を直射日光に当てないことです。
そのためにアームカバーやレッグカバーが重要なアイテムといえます。冷感素材を使っているタイプもあり、見た目ほどは暑さを感じないでしょう。
ただ、カバーはこいでいるうちにずれてきてしまうことがあるので、ライドに集中したい人は、夏用のロングタイツや長袖のウェアを着るのもおすすめです。
機能性に優れた薄手の長袖ジャージもあり
夏用のジャージは背中などをオールメッシュにしているタイプや吸汗速乾性に優れている薄手のタイプが多いので、動きも妨げにくく夏でも快適なライドができます。
また、UVケア効果が高いアイテムも多く、紫外線による体の負担を軽減してくれます。アームカバーのズレが気になる人は長袖ジャージを選ぶのも良いでしょう。
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夏のサイクルウェアの選び方
夏のサイクルウェアの基本コーディネートは、半袖ジャージ+夏用インナー+7分丈またはショートパンツですが、実際にどのようなタイプのものを選べば良いのでしょうか。
ここでは、夏のサイクルウェアの選び方のポイントを紹介します。
サイクルジャージ
夏用のサイクルジャージを選ぶときは、吸汗速乾性に優れているタイプを選ぶようにしましょう。
この機能が優れていることで体に熱がこもりにくくなるだけでなく、休憩などでお店に入ったときに、クーラーなどで汗冷えしてしまう心配も少なくなります。
また最近では、UVケア機能が付いているタイプなどもあります。
サイクルジャージには色のパターンが多くありますが、夏のジャージ選びには色のチョイスも大事なポイントです。
白系統のジャージは、熱があまりこもりません。見た目も涼しげなので、夏には選ばれやすい色ですが、反射した光が照り返しを起こし、別の場所の肌にダメージを与えてしまうというデメリットもあります。
黒系統のジャージは白よりも光を吸収することで紫外線対策にもなります。しかし、光を吸収するということは熱がこもりやすいということにもつながり、暑さが増してしまうという恐れもあります。
また、黒はハチが攻撃する色と言われていますので、山などでハチが多くいる場所でのライドでは、黒系統のジャージは避けたほうが良いでしょう。
夏用インナー
夏は重ね着をしたら暑くなりそうだから、インナーは着ないと考える人が多いかもしれませんが、夏に快適なライドを楽しむためには、インナーが大きな役割を果たしてくれます。
夏はいつも以上に汗をかくので、ジャージだけでは吸汗が追いつかないこともあります。
インナーを着ることで吸汗・速乾がスムーズに行われ、肌に汗が残ることを防ぎ、ジャージが体に張り付いたりする不快感を軽減してくれます。そのため、快適なライドができます。
また、休憩などでお店に入ったときのクーラーなどによる汗冷えなどを軽減してくれる効果も期待できます。
UVケア効果があるものを選ぶのも、紫外線による体の負担も軽減が期待できるのでおすすめです。
サイクルパンツ
サイクルパンツはレーサーパンツとも呼ばれる、サイクリング専用のパンツです。
ロードバイクやクロスバイクのサドルは硬く、ロングライドではお尻が痛くなることがあります。
そんなときにサイクルパンツを着用することで、お尻の部分についているパッドがクッション替わりになって衝撃を軽減してくれます。
ジャージ同様、夏用のサイクルパンツも吸汗速乾性に優れた素材を使用しているものを選ぶようにしましょう。
夏は短い丈のほうが涼しく感じられますが、肌の露出が多いと紫外線によるダメージが多くなります。
そうすると結果的に負担が多くなってしまうので、短い丈のときはレッグカバーを付けたり、夏用のスパッツをはいたりして直射日光を避けたほうが良いでしょう。
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夏のおしゃれなメンズサイクルウェアコーデは?
カジュアルなタイプから本格的なタイプまで、ルコックスポルティフでは幅広いサイクルウェアのラインナップを取りそろえています。
暑い夏でも、せっかくならおしゃれを楽しみながらサイクリングしたい人へ向けて、ルコックスポルティフのサイクルウェアのなかからカジュアルコーディネートと本格コーディネートの2パターンを紹介します。
カジュアルコーデ
le coq sportif×CHARI&CO 半袖シャツ&3/4 Pants(ルコックスポルティフ&チャリアンドコー)
普段着としても使えそうなおしゃれなタイダイ(絞り染め)半袖シャツは、2008年にニューヨークで自転車屋ブティックブランドとしてスタートしたチャリアンドコーとのコラボアイテムです。
おしゃれなだけでなくサイクリストのことを考え、吸汗速乾性が高いドライ天竺を使用して作られています。
背中には再帰反射テープがついているので、夜に車道を走るときも視認性を高めます。
3/4 Pants
コットンライクのおしゃれなTシャツに合わせたいのは、シンプルな7分丈パンツです。一見普通のチノパンのように見えますが、ストレッチ素材を使用しているのでペダリングがスムーズです。
街乗りやサイクリングのビフォーアフターコーデイネートとして、またピタピタしたウェアが苦手という人におすすめのコーディネートです。
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本格コーデ
3D Jersey 3.0
体にぴったりフィットする立体設計のレース向けジャージです。大胆なライン使いがルコックらしさを表現しています。
Fit-able Pants Short Bib
ストレスの原因となる縫い目を減らすパターン設計で、ロングライド時のストレスを軽減することを追求したビブパンツです。
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暑さ・熱中症対策を万全にして夏のサイクリングを楽しもう
夏のサイクリングで1番大切なのは、熱中症対策です。簡単にですが、熱中症対策について紹介しておきます。
熱中症にならないために
当たり前のことですが、こまめな水分補給が1番の予防策です。
補給のタイミングは、喉が渇いたと感じてからでは遅いので、喉が渇いていなくても信号ごとに水分補給をするなど自分でタイミングを決めて、一定のペースで水分補給をするようにしましょう。
炎天下のライドはどんなに対策を行っていても、熱中症になるリスクが高くなってしまいます。
どうしてもその時間に乗らなくてはならないときは、日陰が多い道を選ぶなど、事前にルートを確認することも大切です。
ライドの前日は飲酒を控え、しっかりと睡眠をとり、いつもよりも万全の態勢でサイクリングをスタートしましょう。
スタート前にちょっとでもいつもと違うと感じることがあったら、その日のサイクリングはキャンセルするのも熱中症対策としては重要なことです。
夏のライドにはキャップやサングラスなど紫外線から守ってくれるアイテムをしっかり付けることも大切です。
それ以外にも自転車用でなくても冷却スカーフを首に巻くなどして、少しでも涼しい状態を作っておくようにしましょう。
また、飲み物は通常のボトルに入れておくと、太陽の日差しでお湯のようになってしまいますが、冷却ボトルに入れておけば、いつでも冷たい飲み物でクールダウンができます。
汗をかくと水分とミネラルが身体から出て行ってしまうので、持っていく飲み物は水よりもスポーツドリンクや麦茶、経口補水液などがおすすめです。
飲み切ってしまったときのことも考えて、できれば飲み物は2本以上用意したほうが安心です。
夏でも楽しくサイクリングを
サイクルウェアの種類から、夏のコーディネートやおすすめアイテムまで紹介しました。
暑い夏ですが、長期の休みが取れることもありサイクリストにとってサイクリングを楽しむ絶好の機会でもあります。
機能性に優れたウェアをそろえるのはもちろんのこと、紫外線を防いだり、こまめに水分補給をしたり、しっかりと対策を行えば熱中症になるリスクを減らすことができます。
夏らしいおしゃれなウェアを着て、暑さも味方につけるくらいの気持ちで、夏ならではのサイクリングを楽しみましょう。