【中級・上級者向け】ランニングの距離やペースの目安、伸ばし方を解説

【中級・上級者向け】ランニングの距離やペースの目安、伸ばし方を解説

  • 2023/05/08 (月)

走ることに慣れてきたランニング中級・上級者のなかには、走る距離を伸ばしたいと考えている人もいるでしょう。

長い距離を走ることで持久力がつくなどのメリットもありますが、体への負担を抑えつつ無理のない範囲で走ることも大切です。

この記事では、ランニングの走る距離やペースの目安、走る距離を無理なく伸ばす方法について解説します。

ランニングの距離はどれくらいが目安になる?

ランニングの距離はどれくらいが目安になる?

ランニングの適切な距離は、走る目的やレベルによって異なります。一概には言えないものの、初級者・中級者・上級者のレベル別に見た場合、以下の距離が目安となるでしょう。

レベル 1日あたりの距離
初心者(走り始めたばかりの人) 3km程度
中級者(健康維持やダイエット目的の人) 5km程度
上級者(マラソン大会などの出場を目指す人) 10km程度

まずは1日3km程度から始めて、徐々に距離を伸ばしていくのがおすすめです。

ランニングのペースはどれくらいが目安になる?

ランニングのペースはどれくらいが目安になる?

ランニングのペースを初級者・中級者・上級者のレベル別に見ると、以下の速度が目安となります。

レベル 速度
初心者(走り始めたばかりの人) 分速134m、1kmあたり7〜8分
中級者(健康維持やダイエット目的の人) 分速139〜187m、1kmあたり5〜7分
上級者(マラソン大会などの出場を目指す人) 分速188m以上、1kmあたり3〜5分

1kmを3分で走るランニングの速度は、フルマラソンならサブ2.5(2時間半)での完走を目指せるペースです。同じ時間走ったとしても、ランニングのペースが上がれば必然的に距離も伸びてきます。

例えば、1時間のランニングで初心者が走れる距離は7.5〜8.5km程度ですが、上級者になると12〜20kmほど走れるようになるのです。

ランニングのペースについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

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ランニングの距離を伸ばす方法

ランニングの距離を伸ばす方法

「フルマラソンの完走を目指したい」「サブ3.5を達成したい」といった明確な目標がある場合は、ランニングの距離を伸ばすためのトレーニングを行いましょう。

ランニングの距離を意識的に伸ばす方法としては、以下のようなことが挙げられます。

正しいフォームを意識する

まずは、ランニングのフォームを見直してみましょう。ランニングの主なフォーム(走法)には、以下の3つがあります。

走法 特徴 メリット デメリット
フォアフット走法
  • つま先から着地する
  • ケニア・エチオピアの選手が多く取り入れている
  • 衝撃を分散させるため、体に負担がかかりにくい
  • 体の軸を保った前傾姿勢で自然に前へと進むことができる
  • 日本人の体型には負担が大きい
  • 無理をして続けるとふくらはぎやアキレス腱に大きな負担がかかる場合がある
  • ヒールストライク走法
  • かかとから着地する
  • 日本人選手が多く取り入れている
  • 日本人が習得しやすい
  • ふくらはぎやアキレス腱に負担がかかりにくい
  • 膝関節に負担がかかりやすい
  • スピードが出にくい
  • ミッドフット走法
  • 足裏全体で着地する
  • 膝への負担軽減のために取り入れるランナーも多い
  • 衝撃を吸収し、足への負担を軽減できる
  • 体幹が安定するためトレーニングにも適している
  • フォーム習得に時間がかかる
  • いきなり長距離を走ると体に負担がかかる
  • エネルギーを抑えつつ長い距離を走ることができる「フォアフット走法」は、タイムを追い求めるランナーにとって理想的なフォームであると言われています。

    一方で、日本人の体型には合わないとも言われているため、体に負担がかかると感じる場合は別のフォームを習得することも検討したほうが良いかもしれません。

    重力の位置エネルギーを変換しながら走ることができる「ヒールストライク走法」も、長い距離を走るのに適したフォームです。

    日本人の体型に合うと言われており、比較的正しいフォームを習得しやすいでしょう。

    また、「猫背になっていないか」「重心の移動はうまくできているか」など、ランニングフォームでチェックしたいポイントはほかにもあります。

    日本人に合ったランニングフォームについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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    シューズにこだわる

    ランニングの距離を伸ばすためには、ランニングシューズにこだわることも大切です。ランニングシューズを選ぶときは、まずクッション性に注目してみてください。

    クッション性があればあるほど良いというわけではなく、柔らかさと硬さが適度に備わったバランスの良いランニングシューズが理想的です。

    また、足の着地を整えてくれる「プレート」が内蔵されているタイプも多くのランナーに選ばれています。

    ランニングシューズには、「軽量でスピードを追い求める人に向いているもの」「長い距離を走ることを目的にしたもの」などさまざまなタイプがあるので、目的に応じて選ぶようにしましょう。

    ランニングシューズの選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。

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    長距離走に適したアイテムをそろえる

    長い距離を走るのであれば、以下のようなランニング用アイテムをそろえてみてはいかがでしょうか。

    アイテム 選び方
    ランニングソックス 5本指でグリップ力が高いもの、踏ん張りやすい足袋タイプなど
    スポーツインナー 夏は吸汗速乾性に優れたもの、冬は保温性に優れたものなど
    ランニングバッグ・ポーチ 水筒や小銭、スマホを入れるのに便利なサイズなど
    ランニングキャップ(帽子) 夏は紫外線対策、冬は寒さ対策ができるものなど
    スポーツグローブ 吸汗速乾性に優れたもの、タッチパネル対応など
    イヤホン Bluetoothイヤホンでフィット感に優れたものなど

    ほかにも、自分が快適に走るために必要だと思うアイテムがあれば、積極的にそろえておきましょう。ランニング用アイテムの種類や選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。

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    走るペースを上げる

    前述の通り、走るペースを上げると同じ時間でもランニングの距離は自然と伸びていきます。

    そのため、「1日1時間ランニングをする」などと時間を決めてトレーニングをしている人におすすめの方法です。

    ただし、ランニングのペースを上げる場合は、短めの距離からスタートするのがポイントです。いきなり長い距離に挑戦すると途中でエネルギーが不足してしまい、疲れやすくなる可能性もあります。

    短い距離からでも一定のペースで走るトレーニングを続けることで、心肺機能が強くなり、持久力向上につながるでしょう。

    距離は少しずつ伸ばす

    ランニングの距離を伸ばすトレーニングで何よりも大切なことは、いきなり無理をしないことです。

    闇雲に距離を伸ばしてしまうと気付かないうちに体に負荷がかかり、疲労の蓄積や故障などの原因にもなりかねません。

    ランニングに慣れて体力がついてきたと感じても、1回のランニングで伸ばす距離はこれまでの1〜2割にとどめることを意識しましょう。

    まずは、「いつもより10分長く走る」「1km距離を伸ばす」など小さい目標をクリアしていくのがおすすめです。

    週2~3回の頻度で走る

    ランニングは、必ずしも毎日行わなければ効果がないというわけではありません。

    逆に、無理に毎日走って体に負担をかけすぎてしまうと体力の回復が追い付かなくなり、思うように走る距離が伸びていかない場合もあります。

    そのため、ランニングに慣れてきた中級者〜上級者であっても、走る頻度は週2〜3回が良いとされています。

    また、ランニングをしない日は、筋トレをして脚の筋肉をつけるのも効果的です。脚の筋肉を鍛えることで自然と走るペースが早くなり、長い距離を走れるようになるでしょう。

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    ランニングの距離は無理なく伸ばそう

    ランニングの距離は無理なく伸ばそう

    ランニングで長距離を走るには、目的やレベル別の目安を把握したうえで、無理のない範囲で少しずつ距離を伸ばすことが大切です。

    正しいフォームを意識したりシューズやアイテムをそろえたりと、できることから始めてみてはいかがでしょうか。

    ランニングにおすすめのランニングシューズやスポーツインナー、ランニングソックスやスポーツグローブなどのアイテムは、人気スポーツブランドのラインナップをぜひチェックしてみてください。

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