トレーニングウェアとして誕生したトラックスーツですが、昨今ではファッションアイテムとしても市民権を得ています。
扱っているのもスポーツブランドだけでなく、名だたるファッションブランドも個性豊かなトラックスーツをリリースしており、シーンを大いににぎわせているんです。
今回はヒートアップ真っ只中のトラックスーツにフィーチャー。
GetNavi編集部でも常にチェックを行っている、フランス生まれの「le coq sportif(ルコックスポルティフ)」が手掛けたWeb通販限定販売アイテム「フルジップジャージ」と「ジャージボトムス」を紹介します。
ピックアップするアイテムは、なんと1930年代に発売されたアイテムのリバイバルモデル。
そのあたりのうんちくを交えながら、近年のトレンドともなっているスポーツミックススタイルのお手本となるコーディネートをスタイリストがレクチャーします。
歴史をまとったリバイバルモデル
まず改めて、ルコックスポルティフの誕生からおさらいしましょう。
同ブランドは1882年、 創業者であるエミール・カミュゼ氏によって、メリヤス衣料製造業からスタート。
フランスのなかでは最古のスポーツブランドとして知られ、今もなおスポーツシーンのみならず、ファッションシーンにおいても欠かせないブランドとなっています。
そして今回ピックアップした「フルジップジャージ」と「ジャージボトムス」は先ほどお伝えしたように1930年代に発売された「トラックスーツ 407」のリバイバルモデル。
実は、フランスのスポーツブランドとして初めてトラックスーツをカタログに載せたのもルコックスポルティフなんです。
このトラックスーツを皮切りにスポーツシーンでは幅広い競技者に愛用されたのはもちろん、ファッションシーンにも波及させることとなりました。
これに加えて、忘れてはならないのがトラックスーツ 407に使われた当時の高機能素材である「ヘランカ」。優れたストレッチ性と耐久性で着る人を魅了してやまない快適な着心地を提供していました。
この素材へのこだわりはリバイバルモデルにおいても変わりません。再生ポリエステル糸を使い、ピンタイプ仮撚り機という特殊な編み機で生産しています。
この組み合わせによって、これまでにない柔らかい着心地と、高ストレッチながらへたりにくい素材が生まれました。
1930年代に生まれたトラックスーツが見事、2020年代にフィットするアイテムへと進化を遂げたのです。
歴史的背景を持つアイテムのディテールを掘り下げ
まずはフルジップジャージ。シックで落ち着きのあるカラーバリエーションに加えて、ややゆとりのあるシルエットなので普段使いにもってこい。両サイドにはポケットも配備されています。
後述するパンツもですが、吸汗・ストレッチ・UPF50+機能も備わっています。3色展開。
そして当時のディテールを受け継いでいるのが、Vハイネックの襟元。
Vネックになったことにより、エレガントさが生まれ、スポーツアイテムながらも大人顔。ファスナーの引手にはリングスライダーを採用されているので開閉も楽チンです。
襟元と同じく、当時のカスタムジャージの特徴であったラインテープを採用。さらに本作では、テープ上にブランドロゴをプリントしてアクセントを加えています。
素材はハイゲージで高密度なニットを採用。適度なハリに加えて、軽くて肌に張り付かないのが特徴です。
また環境面を考慮して、再生ポリエステル糸を使用しています。
ジャージボトムス(ストレート)(ルコックスポルティフ):12,980円(税込)
ボトムスは前にピンタックを入れたことで縦のラインがきれいに見える仕様。そのおかげでエレガントかつオーセンティックな着こなしを楽しむことができます。
ウエストは総ゴム仕様のイージータイプ。ドローコードが付いているのでサイズ調整も可能です。3色展開。
裾にはファスナーを装備。開閉具合によってシルエットをアレンジすることができ、多彩なコーディネートが楽しめます。
ルコックスポルティフのロゴがプリントされたサイドテープ。セットアップでの着用はもちろん、個別で着用したときも着こなしのアクセントとして活躍してくれます。
サイドポケットに加えて、バックポケットも配備。伸縮性も優れているので、ものの出し入れも簡単です。
スタイリストが提案する「フルジップジャージ」の着こなし術
そして、ここからはトラックスーツを普段使いするためのコーディネート術を紹介。
GetNaviではおなじみのスタイリスト、宮崎氏のコメントのもと分かりやすく説明していきます。
一歩間違えると野暮ったくなったり、おじさんっぽくなったり、アイテムの組み合わせ方が分からなかったり、悩みの種をお持ちの方はぜひ参考に。
宮崎 司
1984年生まれ。専門学校卒業後、スタイリスト武内雅英氏に師事。GetNaviをはじめ、ファッション誌やウェブメディアを中心に、ブランドカタログやECディレクションなど幅広く活動の場を広げている。
それでは早速フルジップジャージから。
【その1】フランスを意識して軽快に着こなす
「ブルーは難しい色だと考える人もいるかもしれませんが、実はカンタン。ルコックスポルティフのバックボーンであるフレンチテイスト、例えばボーダー柄を取り入れるなどを意識してみましょう。
そうすることで全体に統一感が生まれ、軽快な色使いは爽やかな印象を演出してくれます。」(宮崎氏)
【その2】都会的な着こなしへと演出するシックな色使い
「オリーブ×ブラックは今季も継続して鉄板の色合わせなので、スポーツ系の素材であっても旬なスタイルへと昇華してくれます。
トラックジャケットであったとしても、配色や素材感に気を付けることで、30~40代の方でも気軽に着こなすことができます。」(宮崎氏)
スタイリストが提案する「ジャージボトムス」の着こなし術
トップスに続いてボトムスの着こなし術を紹介。
ボトムスならではの抜け感は今の時代にぴったりなので、着こなしに取り入れるのはGood。しかもストレッチがしっかりと効いているので、動きやすさはピカイチです。
秋冬シーズンでも軽快な着こなしが好みの人はぜひトライしてみてください。
【その1】鉄板の王道スタイルは押さえておくべき
「スタイリングを組む際に合わせやすいのはやはり中間色のグレー。上下をグレーで挟むことにより、簡単にバランスを取ることができます。一般的に、おしゃれを意識してテイストの違うアイテムを合わせると危険な場合もあります。
そのため、スウェットとダッドスニーカーによる王道のアメカジスタイルはトラックパンツとの相性も良いので、その安定感に甘えましょう。」(宮崎氏)
【その2】差し色にホワイトを使って抜け感を演出
「先ほどのトラックスーツでも紹介したブラック×オリーブは逆バージョンでも収まりは抜群です。合わせのアイテムもタウンユースでも違和感なく過ごせるシャツブルゾン、パーカーにすることで洒落感も演出できます。
また、パーカーにホワイトを入れることでワイルドになりすぎず、適度な抜け感も出すことができます。色を取り入れるのが苦手な人は、ぜひホワイトから挑戦してみてください。」(宮崎氏)
撮影/大田浩樹
スタイリング/宮崎 司
文/マイヒーロー
モデル/大地(HEADS)
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