#3 洗濯ブラザーズ直伝!スポーツウェアを長く使うための洗濯テクニック【実践編〜スポーツウェアの洗濯〜】

#3 洗濯ブラザーズ直伝!スポーツウェアを長く使うための洗濯テクニック【実践編〜スポーツウェアの洗濯〜】

  • 2021/10/11 (月)
  • 2023/05/26 (金)

汗や汚れが気になるスポーツウェアは、普段着以上に洗濯が重要です。

「スポーツウェアは丈夫だから、雑に洗っても平気でしょ!」と思うかもしれませんが、洗濯方法が間違っているとウェア本来の機能を損なう場合も。逆に正しい方法で洗濯を行えば、生地も傷みにくいためウェアが長持ちします!

そこで、スポーツウェアを長く使うための洗濯テクニックを、クリーニングのプロである「洗濯ブラザーズ」に聞いてきました。

第3回のテーマは、これまで紹介したテクニックを使って実践する「スポーツウェアの洗濯」です。全5回の短期連載から正しい洗濯術を学んで、快適なスポーツライフを楽しみましょう!

 

<プロフィール>

洗濯ブラザーズのプロフィール写真

洗濯ブラザーズ

茂木貴史(写真左)、茂木康之(中央)、今井良(右)の3人で結成し、毎日の洗濯を楽しくハッピーにするために活動するプロ集団。横浜でクリーニング店「LIVRER YOKOHAMA」を経営するかたわら、劇団四季、シルク・ドゥ・ソレイユ、クレイジーケンバンドなど国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを行っている。このほか全国の百貨店やセレクトショップなどでイベントやセミナーを行い、テレビや雑誌などメディア出演も多数。

最初にプレウォッシュから始める

スポーツウェアにプレウォッシュ液を吹き付ける写真

汚れをきれいに落とすためには、洗濯機で洗う前の「プレウォッシュ(=予洗い)」が大事。連載第1回を参照して、しっかりプレウォッシュを行ってください。

プレウォッシュは皮脂汚れに効果的なので、トップスは襟ぐり・袖口・脇、パンツは腰・股・裾など汚れが気になる部分に吹き付けます。

スポーツウェアを洗濯ブラシで叩く写真

プレウォッシュ液を吹き付けたら、洗濯ブラシでトントンと叩いて皮脂汚れを浮かせます。擦ると生地が傷むので要注意。

このようにプレウォッシュで繊維の奥に残っている皮脂汚れを浮かせることで、洗濯機による本洗いで汚れをしっかり落とすことができます。

裏返して洗濯ネットに入れる

ヘアゴムで固定された洗濯ネットの写真

プレウォッシュが終わったら、いざ洗濯機での「本洗い」へ。ここからは連載第2回で紹介した、洗濯機の正しい使い方を参照して実践してください。

まず洗濯物はすべて衣類のプリントを剥がれにくくするために裏返し、洗い上がりのシワや型崩れを防ぐためきれいに折り畳んで洗濯ネットに入れます。

そして空きスペースができないよう、ネットの余った部分をヘアゴムなどで固定。ネットの中で衣類が動かないようにすることで、シワや生地の傷みを軽減できるそうです。

水を多めに設定して洗濯機で洗う

水量の目安「こぶし1個分」を示している写真

洗濯は、たっぷりの水で洗うのがおすすめ。水が多いと汚れをしっかり浮き上がらせることができ、シワにもなりにくいそうです。

全自動だと節水設定になっているので、手動で一番多い水量を選ぶのがおすすめ。

縦型洗濯機の場合、水量の目安はこぶし1個分。洗濯物をこぶしで軽く押さえて、手首の上あたりまでしっかりつかっていればOKです。

ドラム式洗濯機の場合は、洗濯物の量をドラム窓の半分以下に抑えます。

洗濯機に入れる順番を示した写真

また、洗濯機には「水→洗剤→衣類」の順で入れるのが洗濯ブラザーズ流。

衣類に直接水が降りかかると生地を傷めてしまう可能性があるため、先に水と洗剤を混ぜ、泡立ててかくはんさせてから衣類を入れるとダメージが少ないのだとか。

さらに生地ダメージを防ぐため、脱水時間を短く設定します。化繊のスポーツウェアは乾きやすいので、脱水時間は1分でOKです!

やや水分が残っている状態にしておくことで、干したときに水分の重みでシワが伸びるというメリットもあります。

どんなに天気が良くても必ず部屋干し!

衣類を裏返して部屋干しをしている写真

洗濯後の乾燥は、晴れでも雨でも「部屋干し」が正解!

外干しだと洗濯物に紫外線が当たるため、服の色が抜けてしまったり、生地が傷みやすくなったりするそうです。特に色が濃い服は日光にめっぽう弱く、色があせてしまう可能性が高いのだとか。

また、部屋の中でも日光が差し込むところで干す場合は、色あせを防ぐため衣類を裏返して干すのがおすすめです。

正しい部屋干しなら時短&生乾き臭ナシ

「広い部屋」と「狭い部屋」、どちらが部屋干しに向いているでしょうか。

正解はなんと「狭い部屋」です!広い部屋は風が通るため、洗濯物が早く乾くイメージがあると思いますが、実は服を乾燥させるうえでは非常に効率が悪いそうです。

衣類乾燥には風も大切ですが、同じように湿度と温度が重要で、狭い部屋のほうが湿度を下げやすく、温度もコントロールしやすいため効率良く洗濯物を乾かすことができます。

狭い部屋でサーキュレーターと除湿機を使う

除湿機とサーキュレーターを使い部屋干しをしている写真

洗濯物は、温度が高く、湿度は低く、空気を循環させることによって乾きます。

その環境をつくるため、なるべく狭い部屋を選び、エアコンで室温を調節し、除湿機とサーキュレーター(または扇風機)を使います。

ちょうど良い部屋がない場合は、お風呂場でもOK。浴室乾燥機が付いていなくても、換気扇を回しておけば除湿できるので、洗濯物は乾きやすくなります。

ここに、さらに除湿機とサーキュレーターを置けば完ぺきです!

サーキュレーターは衣類の下を狙って風を当てる

衣類の下側からサーキュレーターの風を当てている写真

湿気は低い位置に集まるため、洗濯物は高い位置に干すのがおすすめ。

同じ理由で、衣類の下側ほど乾きにくいので、サーキュレーターは服の下側を狙って当てると◎。そうすることで洗濯物全体が効率良く乾かせます!

あとは厚手の衣類を狙うのも効果的です。パーカーやパンツなど乾きにくいものに集中的に風が当たるように、サーキュレーターの位置を工夫してください。

こぶし1個分のスキマを空けて干す

衣類を干す時の目安「こぶし1個分」を示している写真

また、衣類を干すときは、最低でもこぶし1個分の間隔を空けると良いそうです。空気の循環が良くなり、空気に触れる服の表面積が広くなるため、早く乾かすことができます。

ハンガーを2本使いスウェットを広げて干している写真

特にスウェットなど厚手の服は、空気に触れる表面積を増やすことが大事です。写真のようにハンガーを2本使って、フードを広げたりパンツを広げたりすることで、効率良く乾かせます。

乾燥時間は短ければ短いほど部屋干し臭も抑えられるので、今回紹介した「正しい部屋干し」をぜひ実践してみてください!

 

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