運動不足解消は何から始める?血圧や血糖値、コレステロール、内臓脂肪が気になり始めた人に知ってほしいランニングの効果

運動不足解消は何から始める?血圧や血糖値、コレステロール、内臓脂肪が気になり始めた人に知ってほしいランニングの効果

  • 2022/07/06 (水)
  • 2023/06/29 (木)

社会人になって日々の運動量が減り、「血圧や血糖値を改善したい…」「コレステロールや内臓脂肪、中性脂肪が気になる…」と危機感を抱いている人も多いのではないでしょうか。

健康のためにできる運動としてランニングが良いという漠然としたイメージはあるものの、実際にランニングをすることで期待される効果としては、どのような点があるのでしょうか。

今回は、姿勢改善専門パーソナルトレーニングジム「ウィンゲート パルス」のランニングパーソナルトレーナーである齋藤大輔さんに、ランニングの効果として正しい知識を教えていただきました。

 

<プロフィール>

齋藤大輔さん プロフィール画像

株式会社ウィンゲート 齋藤大輔

鍼灸マッサージ師の資格を取得後、独学でトレーニングを学ぶ。School of movementの朝倉全紀氏の「ムーブメントファンダメンタルズ」から大きく影響を受け、ストレングストレーナーとしても活動。2018年よりメディカルとフィジカルの両方の観点から女子100mハードルの寺田明日香選手のサポートを始め、目標であった東京大会の出場を果たす。現在は、板橋区志村3丁目にある「ウィンゲートトレーニングセンター」で、一般の方から市民ランナーや実業団所属ランナー、陸上短距離選手、マウンテンバイク、実業団柔道選手、スノーボード(アルペン競技)日本代表など、幅広いカテゴリーのクライアントを指導。

運動不足…だけど「何から始めれば良いか分からない!」。まずは手軽に始められるランニングを

運動不足…だけど「何から始めれば良いか分からない!」。まずは手軽に始められるランニングを

健康診断で体重が増えたり中性脂肪や血糖値が高いなどの結果が出ると、おのずと健康管理や健全な体づくりへの意識が高まるものです。

健康への関心が高まったとき、真っ先に思い浮かぶ気軽なトレーニングと言えば、ランニングではないでしょうか。

特別な道具も不要で、時間や場所に関わらず、思い立ったらすぐに始められるという手軽さがランニングの魅力です。

正しい走り方をすれば、ダイエットをはじめ、脳の活性化やストレス解消、生活習慣病の予防など、健康面の悩みに対してさまざまな角度から良い効果が期待できます。

しかしながら、オーバートレーニング、オーバーランニングには注意が必要です。許容範囲を超えてハードなランニングをしてしまうと効果が期待できない可能性も。

実際、ハードなトレーニングを繰り返すトップアスリートは体を追い込み、負荷をかけてしまうため、必ずしも健康面で良い効果が得られているわけではありません。

正しい知識のもと、適切な強度、適度な時間などを意識しながらランニングに取り組むことで、その恩恵を最大限に享受しましょう。

脂肪燃焼、血行促進、血圧・血糖値の低下…。ランニングの健康効果とは?

脂肪燃焼、血行促進、血圧・血糖値の低下…。ランニングの健康効果とは?

日常生活のなかに、適切・適度なランニングを取り入れたとき、実際にどのような効果が見られるのでしょうか。そのメカニズムとともにご紹介します。

ランニングの健康効果①:中性脂肪を下げ、内臓脂肪を減らす

ランニングの健康効果①:中性脂肪を下げ、内臓脂肪を減らす

ランニングによる健康効果として代表的なポイントが、脂肪燃焼によるダイエット効果です。

人間のエネルギー代謝というのは、運動強度によって大きく3つに分類できます。

1つ目は、8秒以内に全力を出すような瞬発力を表すハイパワー。2つ目が、33秒程度持続する筋持久力を指すミドルパワー。3つ目は、有酸素性の持久力を表すローパワー。

人間が運動するとき、最初にエネルギー源として使われるのが筋グリコーゲンと呼ばれる物質です。運動を8秒以上続けるとミドルパワーの領域に入り、この筋グリコーゲンが枯渇してくると、次に糖が使われます。

そして、33秒以上のレンジに差し掛かると、糖と脂質の両方が使われる。このとき、20分までは糖が優位性を発揮しますが、20分以上運動を継続すると、エネルギー代謝の比重が糖から脂質へと変わり、糖よりも脂質をたくさん使い始めます。

つまり、脂質を主なエネルギー源とするように変化する。これがよく耳にする脂肪燃焼が高まっているという状態です。

つまり、20分以上を目安にランニングを続けることで脂肪燃焼効果が高まり、ダイエットの効果が期待できるというメカニズムです。

ランニングの健康効果②:新陳代謝の向上で美肌効果も

ランニングの健康効果②:新陳代謝の向上で美肌効果も

ランニングによって血行を良くし、新陳代謝が促進されることにより古い細胞や組織の入れ替わりが活性化します。

その作用として古い角質が除去され、美肌効果を得られるとも言われています。またランニングによって発汗が促されることから、デトックス効果も期待できるでしょう。

さらにもう1点注目すべきメリットは、成長ホルモンの分泌です。

成長ホルモンによりコラーゲンの生成が促されることから、運動習慣がある人は運動をしていない人に比べて、肌のコラーゲン量が多いと言われることがあります。

コラーゲンの分泌により、肌のハリ改善やシミ・シワ予防への働きかけが期待されます。

ランニングの健康効果③:脳の活性化

ランニングの健康効果③:脳の活性化

ランニングによって脳内の血流量が増え、それによって脳が活性化されるという説もあります。

ランニングをすると、心拍出量(1分間に心臓から全身に送り出される血液の量)が増え、必然的に脳内の血流量も増加し、脳が活性化されるというメカニズムです。

さらに、5分間のランニングをすると、記憶をつかさどる海馬という部分が活性化されるという説も。海馬は5分間のランニングで活性化され、1〜3ヶ月程度継続すると、海馬が大きくなって記憶力がアップすると言われています。

なお、視点を変えると、血流量が増えるということは冷え性や肩こりの改善にもつながるという優位性も伝えられています。

ランニングの健康効果④:ストレス解消

ランニングの健康効果④:ストレス解消

ストレスは万病のもと。ランニングには、そのストレスのもとを忘れさせることで、ストレスを発散する効果があるとも言われています。

適度なランニングによってエンドルフィンというホルモンが分泌されるのですが、このエンドルフィンは脳内麻薬とも言われ、疲労感などの感覚を麻痺させる、あるいは感覚を薄くするという効果が伝えられています。

このような、ランニングによるメンタルヘルス面での好影響に関するエビデンスは多く見受けられます。

さらにセロトニンが分泌されることにより、認知障害や臨床的な抑うつに関する正の効果が得られるという説もあります。

ランニングの健康効果⑤:生活習慣病の予防 

ランニングの健康効果⑤:生活習慣病の予防

生活習慣によって起こる高血圧・肥満・脂質異常症・糖尿病といった生活習慣病には運動不足が大きく影響しています。

そのため、生活習慣病の治療では、食事療法とともに運動療法が行われるのが一般的であり、なかでもランニングのような有酸素運動は、生活習慣病の改善や予防に適しています。

ランニングに象徴される有酸素運動は、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減少させるというのが通説。

実際に1週間に8〜32kmランニングをする人は、ランニングを実施していない人に比べて心疾患や脳卒中の死亡リスクが低く、平均寿命が長いというデータもあります。

また、血糖値を調節するインスリンの働きを良くするという効果をはじめ、過体重や肥満のリスク、体脂肪率の抑制にもつながります。

さまざまな側面から、生活習慣病の予防にはランニングのような有酸素運動が有効なのです。

ランニングの健康効果⑥:良質な睡眠

ランニングの健康効果⑥:良質な睡眠

ランニングによって良質な睡眠のサイクルを生むためには、朝に走ることをおすすめします。

ランニングをすることで睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌がストップし、覚醒ホルモンであるアドレナリンの分泌を促します。

人はメラトニンの分泌をリセットした後、14〜16時間を目安に眠気が訪れると言われているため、例えば朝7時にランニングをすれば夜10時くらいに眠気が訪れ、良質な睡眠へと誘ってくれます。

また、朝に屋外で走ることによる相乗効果も期待できます。朝の日差しを浴びながら走ることで、ホルモンの分泌などを調整。覚醒と睡眠のリズムを整えることができ、夜に自然な睡眠へと導入することを助けます。

ランニングをする時間帯や環境も考慮しながら、習慣化していくと良いでしょう。

健康にも美容にも好影響。ランニングの恩恵を目指して運動不足を解消!

健康にも美容にも好影響。ランニングの恩恵を目指して運動不足を解消!

上記のほかにも、冷え性や肩こりの改善、免疫系の増強、骨密度を高めるなど、適度なランニングはさまざまな効果が期待できるスポーツです。

思い立ったらすぐにでも始められるスポーツであり、始める年齢を問わず、誰もがその恩恵を受けることができるランニング。正しい知識をもとに、ぜひランニングの魅力を体感してみてください。

ランニングにおすすめの時間帯や服装をまとめた記事もありますので、ぜひ併せて読んでみてください。

 

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