曲がり方(ターン)を覚えて楽しく滑ろう!
いよいよコースを滑ります。コースには幅がありますし、ほかの人たちも滑っているので、曲がり方(ターン)を覚えましょう。
最初は何となくでも曲がれればOK。だんだんと自分でコントロールができるようになってくると、スキーがもっと面白くなります。
また、転びたくないとは思いますが、転び方と立ち上がり方も知っておくと、安全に無駄な体力を使わずに楽しむことができます。
転び方と立ち上がり方
ターンを練習する前に、転び方と立ち上がり方の動きをシミュレーションしておきましょう。
正しく転ぶことでケガの防止につながりますし、転んでから立ち上がる動きをスムーズにできれば、無駄な体力を使わずに済みます。実際の場面でも使えるように確認してみてください。
転び方のポイント
転びそうになったら、できるだけ姿勢を低くします。そしてお尻を山側(斜面の高いほう)に近付けていって転ぶようにしましょう。
お尻より先に手を伸ばしてしまうと、骨折や肩を脱臼してしまう可能性もあるので注意してください。また、お尻が両スキーの間に落ちてしまうと、スキーがなかなか止まらないので危険です。
立ち上がり方のポイント
お尻が山側、スキーが谷側で転んだら、起き上がるのは簡単。山側の手で斜面を押すようにして立ち上がります。
もし転んだ後に身体が回り、お尻が谷側、スキーが山側の状態になっていたら、そのまま立ち上がるのは難しいので、慌てず体勢を変えましょう。
山側の手をやや前に置いて、身体が少し前に出るように斜面を押すと、立ち上がりやすくなります。
斜滑降でターンの基本を覚える・その1―滑りたい方向を見て止まる
ターンへの第一歩です。ターンをするには、左右のスキーに交互に重み(体重・力)を伝えることが大切です。
そこで、まずはスキーをハの字にしたまま斜滑降(コースの斜め下に向かって滑ること)で、左右それぞれのスキーに重み(体重・力)を伝える動きを覚えましょう。
途中から、胸の向きを山側(斜面の高いほう)へ向けると、スキーも山側に進んで止まります。
斜滑降でターンの基本を覚える・その2―上半身を谷側に傾ける
同じようにハの字の斜滑降で滑る練習ですが、今度は谷側(斜面の低いほう)の手を斜面に近付けるように、上半身を傾けて、傾けたほうのスキーへの重みを加えてみましょう。
身体を一気に傾けるのではなく、徐々に谷側のスキーに重みをかけていくイメージで。ハの字のスタンスが崩れないようにしましょう。
斜滑降でターンの基本を覚える・その3―谷側の膝を曲げて、上半身を傾ける
次は上半身を傾ける動きだけでなく、脚を曲げてさらに谷側(斜面の低いほう)のスキーへ重みをかけていきましょう。足首・膝・股関節を柔らかく曲げていくイメージでやってみてください。
足首はブーツのなかで固定されているので、できる範囲でOK。
ボーゲン(スキーを八の字にしたまま曲がること)で連続ターンに挑戦!
斜滑降をつなげてターンに挑戦してみましょう。
スキーはハの字のままで、斜滑降しながら谷側のスキーに重みをかけていき、スキーが横を向いてスピードが遅くなったタイミングで反対側のスキーに体重(重み)を移動させます。
最初はゆっくりと大きくターンしていくように、足首・膝・股関節を柔らかく使いながら、左右のスキーに重みを乗せ換えていきましょう。
コラム3/滑れるようになると広がる楽しさ!
「初めは滑れるエリアが限られてしまいますが、ターンができるようになって徐々に滑れるコースが増えてくると、レベルアップする楽しさだけでなく、素晴らしい眺望を見に行けたり、きれいな雪景色のなかを滑ったりできるようになります。
そういった楽しみを増やしていけるのも、大自然のなかで楽しむスキーの魅力だと思います。ぜひたくさん滑って、たくさんの楽しい思い出を作ってください。」(宮下征樹)
指導・監修:宮下征樹
1973年生まれ、長野県白馬村出身。日本一うまいスキーヤーを決める全日本スキー技術選手権大会で連覇を達成した元チャンピオン。スキーインストラクターのお手本となるSAJナショナルデモンストレーターを4期8年務めた。伸びやかな滑りは健在で、現在はデサントジャパン株式会社に勤務しながら、自らスキーを楽しみ、その魅力を伝えている。
撮影地:長野県/志賀高原・熊の湯スキー場
協力:月刊スキーグラフィック・志賀リバーサイドホテル・熊の湯スキー場
写真と文:渡辺智宏