ダイエットをするときには、体重だけではなく体脂肪率も意識して見ておきたい数値の一つです。では、健康的な体脂肪率とはどの程度を指すのでしょうか。
この記事では、女性向けに、体脂肪率の平均や年齢別の理想的な数値、体脂肪率を減らす際に注意したい点について解説します。
女性の体脂肪率の平均と標準値
体脂肪率とは、体に占める脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)の割合(比率)のことです。
一般的な日本人女性の体脂肪率の平均・標準値は、20~29%となっています。体脂肪率が20%未満になると「痩せ」型、30~35%未満は「軽肥満」型、35%以上は「肥満」型に分類されます。
理想的な女性の体脂肪率【年齢別】
体脂肪率は、性別だけでなく年齢によっても理想的な数値が異なります。
以下は、女性の理想的な体脂肪率の目安を、年代で区分して表にまとめたものです。
年代 | マイナス標準値 | プラス標準値 |
---|---|---|
18~39才(20代・30代) | 21~27% | 28~34% |
40~59才(40代・50代) | 22~28% | 29~35% |
60代 | 23~29% | 30~36% |
(出典:体組成計の測定項目の見かたについて,タニタ)
体脂肪率の目安となる標準値には、「プラス標準値」と「マイナス標準値」があり、マイナス標準値からプラス標準値の範囲であれば問題ないとされています。
ただし、プラス標準値の場合は軽肥満や肥満の一歩手前に該当するため、偏った食事をしている人や運動不足を感じている人は生活習慣を見直して、体脂肪率を減らすことを心掛けましょう。
また、よりすっきりとしたボディを目指すのであれば、マイナス標準値の前半(21~23%)を目安とするのが理想的だと言われています。
体脂肪率の計算方法・測り方
体脂肪率は、以下の式で計算することができます。
ただし、体脂肪率は「体に対する脂肪量の割合(比率)」を指すため、正しく知るには体脂肪量を測る専用の測定機器を使用する必要があります。
しかし、体脂肪率を最も正確に測定できると言われている「水中体重秤量法」や「空気置換法」は、測定機器のコストが高いことから、研究機関などでしか用いられていません。
健康維持やダイエット目的であれば、手軽に体脂肪率の測定が可能な体組成計や体重計も販売されているため、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
体組成計や体重計による体脂肪率の測定では、「生体インピーダンス法」という体内に微弱な電流を流して電気抵抗(インピーダンス)の程度を計測する方法が用いられます。
測定した電気抵抗の値と身長と体重から、体脂肪率を推定します。また、体脂肪率のほかに肥満度を表す指標として、国際的に「BMI」という体格指数が用いられています。
BMIは、身長と体重を用いた以下の式で算出することが可能です。
WHO(世界保健機構)の基準では、30以上を肥満と定義していますが、判定基準は国によって異なります。
日本肥満学会では、BMIの判定を以下のように定めています。
BMI | 判定 |
---|---|
18.5未満 | 低体重(痩せ) |
18.5以上25未満 | 普通体重(標準) |
25以上30未満 | 肥満(1度) |
30以上35未満 | 肥満(2度) |
35以上40未満 | 肥満(3度) |
40以上 | 肥満(4度) |
(出典:肥満と健康,厚生労働省e-ヘルスネット)
最も病気になりにくいのは、BMIが22の状態だと言われています。
しかし、脂肪は筋肉量よりも軽いため、BMI値が普通体重(18.5以上25未満)や低体重(18.5未満)でも、体脂肪率では「肥満」に分類されることがあります。
これは「隠れ肥満」と呼ばれる状態で、筋肉や骨よりも脂肪の量が多いことを表します。
ダイエットで理想のボディを目指すなら、BMIと体脂肪率どちらも測定して、隠れ肥満にならないように注意しましょう。
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体脂肪率を減らす際に女性が気を付けたいポイント
ここからは、女性が体脂肪率を減らすときに注意したい点をいくつか解説します。
痩せすぎるリスクを理解する
「太りすぎると病気になる」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は痩せすぎることでも健康上のリスクは高まる可能性があります。
例えば、BMIが19以下では、子宮内膜症や骨密度減少、将来の不妊症や低出生体重児のリスクが上昇すると言われています。
また、体脂肪率が21%未満の場合は、月経不順や無月経、無排卵になりかねません。
さらに、20代の場合は卵巣年齢が高くなる原因にもなってしまうので、1日3食しっかりと食べて、健康的に痩せることを心掛けるようにしましょう。
(出典:体型について。やせすぎ、太りすぎのリスクと対策,厚生労働省女性就業支援バックアップナビ)
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糖質の過剰摂取に注意
体脂肪率を減らす際は、糖質の過剰摂取にも注意が必要です。
糖質は消化酵素でブドウ糖に変換され、一部はグリコーゲンとして肝臓に貯蔵されます。
しかし、必要以上に糖質を摂取するとブドウ糖は中性脂肪へと変わり、内臓脂肪や皮下脂肪といった体脂肪として体に蓄積されてしまうのです。
ただし、糖質は脳や筋肉を動かすために必要なエネルギー源なので、まったく摂らないのも良くありません。
そのため、玄米や全粒粉パンといった、血糖値の上昇が緩やかで糖質が控えめな主食を選ぶと良いでしょう。
なお、体脂肪率を減らしたいときは、体脂肪を減らすために必要な筋肉の増強・維持に欠かせない栄養素である「タンパク質」を多めに摂取することも大切です。
筋トレと有酸素運動を組み合わせる
食事制限だけでは筋肉が減ってしまい、基礎代謝も落ちることが考えられます。そのため、体脂肪率を減らすには、筋トレと有酸素運動を組み合わせた運動が有効です。
筋トレによって筋肉をつけることで基礎代謝が高まり、脂肪を燃焼しやすくなります。カロリー消費量も増えるため、痩せやすく太りにくい体づくりにつながるでしょう。
また、筋トレをすると脂肪の分解作用を持つ成長ホルモンの分泌が促されるため、その状態で有酸素運動を行うと、より効率的な脂肪燃焼が可能です。
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生活習慣の見直しも必要
体脂肪率を減らすためには、生活習慣の見直しも必要です。例えば、必要以上のカロリーを摂取してしまう原因の一つとして、飲酒が挙げられます。
おつまみにも高カロリーなものが多いため、体脂肪率を減らしたい場合は食べすぎ・飲みすぎに注意してください。
また、脂肪分解作用のある成長ホルモンは、睡眠直後の90分程度の「ノンレム睡眠」時に分泌されやすいと言われています。
日頃から適度に運動する、睡眠のリズムを整える、睡眠時間を確保するといった工夫をすることも大切です。
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体脂肪率を意識して理想のボディを目指そう
女性の体脂肪率の平均・標準値は20~29%ですが、年齢によって理想の値は若干変わります。
今回紹介した体脂肪率の目安や測り方、注意点も頭に入れながら、理想のボディに近付くために健康的な体脂肪率を目指してみましょう。
また、効率的に体脂肪率を落とすために筋トレや有酸素運動を始めたいという人は、モチベーションの上がるウェア・シューズもチェックしてみてください。