ゴルフをこれから始めてみようという初心者がまず覚えなければならないのが、ゴルフのルールです。
ゴルフには細かなルールがあり、ゴルフを長く楽しんでいるベテランゴルファーでさえ悩んでしまうこともあるほどです。
そこでこの記事では、ゴルフ初心者が知っておきたい基本的なルールを紹介します。迷いがちなゴルフのルールだけでなく、ゴルフ用語やマナーについても解説します。
※この記事は、2021年現在のルールに基づいています。
ゴルフの基本的なルールについて
ゴルフは、決められた場所からボールを打ち、決められたカップに入れるというシンプルなスポーツです。これを18ホール繰り返し、トータルしていかに少ない打数でコースを回れるかを競います。
この打数をスコアと呼び、スコアが少ないほうが良いということになります。
ゴルフスコアの数え方
ゴルフのスコアは、ティーインググラウンドティーイングエリア(=ホールをスタートするエリア)からカップインまでに打った数を1ホールずつカウントしていきます。
しかしこれだけではなく、スコアが加算される場合もあるので覚えておきましょう。ただ闇雲に打って、打数を合計すれば良いだけではありません。
OBになった場合
OBとは「アウトオブバウンズ」の略で、ゴルフコースの決められたエリアの外へボールが出てしまうことを指します。
コース内では、OBの区域は白い杭で表示されており、その白い杭を結んだ線を越えてしまうと、たとえボールが付近で見つかったとしてもOBとなってしまいます。
OBの場合には1打加算され、元の位置から打ち直します。これを「ペナルティ(罰打)」と言います。例えば、1打目がOBだった場合、次に打つのは実際には2回目ですが、1罰打が加算され3打目となります。
バンカーに入った場合
ゴルフ場には、バンカーと呼ばれる砂が入ったエリアがあります。コースの脇にあったり、グリーンの周りにあったりと、いろいろなところにバンカーが設置されています。
バンカーに入ってしまったときでも、そのまま打てばスコアは変わりません。ただし、ペナルティを払ってバンカーのなかで動かしたり、バンカーの外に出したりしても良いというルールがあります。
例えば、バンカーにボールが埋まってしまいとても打てそうにないという場合には、「アンプレヤブル(※)」を宣言して動かすことができます。
※アンプレヤブル…バンカー内に限らず、ボールを打つことが困難な状態にあった場合に救済を受けられるルール。1罰打で決められた場所へボールをドロップしてプレーを再開することができます。
元の場所から打ち直す場合・ボールの位置から2クラブレングス(クラブ2本分の長さ)内にドロップしてプレーを続ける場合・同じバンカーの中でボールをドロップしてプレーを続ける場合は1罰打、ピンとボールがあった場所を結んだ線の後方線上のバンカー外にドロップする場合は2罰打を加算します。
(出典:(公財)日本ゴルフ協会「ゴルフ規則のオフィシャルガイド」,2019)
池に入った場合
ボールが池に入ってしまっても、池が浅くボールが見えていてそのまま打てる場所にある場合には、そのまま打って構いません。スコアも、そのまま実際に打った回数を数えます。
しかし、ほとんどの場合、池に入ってしまったらボールをそのまま打つことはできません。
池にはイエローペナルティエリアとレッドペナルティエリアの2種類があり、救済の処置が若干異なります。どちらのエリアでも、1打スコアを加算して同じ場所から打ち直すか、ピンと、ボールが池を横切った地点を結んだ後方線上に基点を設定し、ボールをドロップして打ち直します。
(出典:(公財)日本ゴルフ協会「ゴルフ規則のオフィシャルガイド」,2019)
レッドペナルティエリアの場合は、上記の処置に加えて、ボールが池を横切った地点を基点に、2クラブレングス以内でピンに近づかない位置にドロップし、同じく1罰打を加算してプレーを続行することができます。
(出典:(公財)日本ゴルフ協会「ゴルフ規則のオフィシャルガイド」,2019)
ロストボールの場合
ゴルフでよくあるのが、ボールが草むらや林に入ってしまい、あるはずのボールが見つからないという場合です。これを、ロストボール(紛失球)と呼びます。
再スタートする地点は、直前にボールを打った場所から打ち直しをするか(1罰打)、2019年のルール改正により、ボールがなくなったと思われる場所から2打を加算してプレーを再開するローカルルールが認められました。
(出典:(公財)日本ゴルフ協会「ゴルフ規則のオフィシャルガイド」,2019)
つまり、ティーショットがロストボールになった場合、OBと同様にティーグラウンドから3打目を打つか、ボールがなくなったと思われる場所から4打目を打つか、好きなほうを選べます。
ゴルフのルール違反「ペナルティ」について
ゴルフにおけるペナルティには、前述のOBやペナルティエリアのような「プレー続行が不可能になった場合の救済措置」としてのペナルティのほかに、やってはいけないことに対するペナルティもあります。
主なものとしては、誤所(違う場所)からのプレーや、バンカーの砂に打つ前に触れてしまうこと、グリーン上でマークをせずにボールを拾い上げてしまうこと、誤球(自分のものではない球を打ってしまうこと)などです。
実際にプレーしながら、少しずつ覚えていきましょう。
さまざまなローカルルールについて
ローカルルールとは、正式な競技のルールとは別に、特定の試合やコース内でのみ採用されるルールのことです。会社のコンペなどで多く採用されています。
前述したロストボール時の対応のほか、主に以下のようなものがあります。
前進4打
OBを打った場合、前方に設置された特設ティーからプレーを再開すること。その際、ティーショットをOBにした場合は、4打目からプレーを再開する。
6インチプレース
ボールのある場所から、ホールに近づかない6インチ(約15cm)以内の好きな場所にボールを動かしても良いというルールのこと。
1グリップOK
最後のパットがカップインしなかったとき、カップから1グリップ(約30cm)以内にボールが止まっていた場合は、次のパットが入ったものとしてスコアを付けること。
ギブアップ
ホールアウトまでに打数がかさんでしまった場合、パーの一定倍の数字をスコアとして記録すること。多くの場合トリプルパー(パーの3倍)が採用されることが多く、例えば、パー4のホールで11打でカップインしなかった場合は、ギブアップとし、スコア「12」となる。