ウォーキングやランニングなどの有酸素運動は、脂肪燃焼に効果が期待できると言われています。
ダイエットや健康維持のために有酸素運動を取り入れている人も、メカニズムを知ることでより効率的に行えるようになるでしょう。
この記事では、有酸素運動で脂肪が燃焼する仕組みや、効率良く行うコツについて分かりやすく解説します。
有酸素運動で脂肪燃焼する仕組み・メカニズム
まずは、なぜ有酸素運動で脂肪が燃焼するのか、その仕組みについて理解を深めていきましょう。
有酸素運動では、以下のステップで脂肪燃焼が行われます。
①まずは糖質がエネルギー源となる
有酸素運動をすると、最初に体内の糖質がエネルギー源として消費されます。
糖質は、人間の体を動かすエネルギーとなる大事な栄養素の一つですが、活動によって消費しきれなかった分は体内に残り、中性脂肪となって蓄積されてしまいます。
そのため、糖質はエネルギーとしてしっかりと使い切ることがポイントです。
②エネルギーが不足すると脂肪が分解される
有酸素運動のエネルギー源として消費される順番は、「糖質→脂質→タンパク質」と言われています。
よって、体内の糖質を使い切ってさらにエネルギーが不足すると、次は脂肪が分解されることになります。
③血中に放出された脂肪を燃焼してエネルギー源とする
分解された脂肪は、血中に放出されてエネルギー源となります。これを有酸素運動で消費することで、脂肪燃焼が行われるのです。
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有酸素運動で脂肪燃焼が起こる時間は何分後?
これまで、有酸素運動で脂肪燃焼が起こる時間は「運動を始めてから20分後」だと言われてきました。これは、体内の糖質をエネルギー源として消費しきるまでにかかる時間です。
有酸素運動を始めてから20分間は体内の糖質がエネルギー源となり、その次に脂肪の分解が始まるという脂肪燃焼のメカニズムによって、ダイエットには1回30分以上の有酸素運動を行うことが効果的とされていたのです。
しかし近年では、1回30分の運動を行うのと、1回10分の運動を1日に3回行うのとでは、同程度の脂肪燃焼効果が得られることが分かっています。
「30分運動し続けるのはきつい」「まとまった時間が取れない」という場合は、1回10分程度の運動を複数回行うことを心掛けてみてはいかがでしょうか。
(出典:内臓脂肪減少のための運動,厚生労働省e-ヘルスネット)
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有酸素運動で効率良く脂肪燃焼するコツ
脂肪燃焼のメカニズムや必要な時間について理解したところで、実際にどのようにすると効率アップできるのかも気になるポイントです。
有酸素運動で効率良く脂肪燃焼するには、以下のコツを押さえておきましょう。
心拍数を意識する
有酸素運動は、中程度の運動強度で行うのが効果的とされており、運動強度は心拍数から推測することが可能です。なお、有酸素運動による脂肪燃焼に適した心拍数は、最大心拍数の65%程度と言われています。
最大心拍数が算出できる計算式は、以下の通りです。
例えば、30歳の場合は「(220-30)×0.65=123.5」なので、脂肪燃焼に適した心拍数の目安は123~124回/分ということになります。
有酸素運動中の心拍数がこれよりも早い場合は強度を下げ、遅い場合は強度を上げるなどの調節を行いましょう。
有酸素運動中の心拍数は、心拍計やスマートウォッチを使って測るのがおすすめです。
毎日30分続ける
有酸素運動による脂肪燃焼効果を実感するためには、毎日30分程度の運動を続けることをおすすめします。10分程度の運動を3回行うようにしても問題ありません。
前述の通り、有酸素運動のエネルギー源となる順番は、「糖質→脂質→タンパク質」と言われています。
体内に糖質が残った状態だとなかなか脂肪燃焼が始まらないため、ダイエット目的で有酸素運動を始めるなら、1日30分程度の時間は必要だと考えておきましょう。
長時間やりすぎない
「長時間運動をすれば、脂肪をたくさん燃焼できるのでは?」と思っている人もいるかもしれませんが、体にとってはやりすぎも良くありません。
あまりにも運動し続けると体内の糖質はもちろん、蓄積された脂肪を分解してもエネルギーが足りなくなることもあります。
そうなった場合、人間の体は筋肉に蓄積されたタンパク質をエネルギー源にしようと働くため、せっかく鍛えた筋肉量が減ってしまいます。
筋肉量が減ると基礎代謝も下がるため、太りやすい体になってしまうのです。
「早く痩せたい」と焦る気持ちも分かりますが、有酸素運動をする時間は1時間程度までにとどめておきましょう。
無酸素運動と組み合わせる
ダイエット効果を早く実感したいという人は、有酸素運動と無酸素運動を組み合わせて行うのがおすすめです。
無酸素運動とは、短い時間で強い負荷をかけて行う運動のことで、筋トレや短距離走などが該当します。
無酸素運動をすると、脂肪を分解する作用がある成長ホルモンが分泌されると言われているため、有酸素運動の前に取り入れることで効率の良い脂肪燃焼が期待できるでしょう。
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毎日30分の有酸素運動で効率良く脂肪燃焼しよう
体内に蓄積された脂肪を燃焼し、エネルギーとして消費する有酸素運動は、ダイエットや生活習慣病対策に効果が期待されています。
しかし、あまりにもやりすぎると筋肉まで分解してしまうことがあるため、1日30分~1時間程度を目安として、無理なく取り入れるのがおすすめです。
有酸素運動の脂肪燃焼メカニズムも理解して、効率良く理想の体型を目指してみましょう。