近年、リモートワークの広がりもあって趣味や通勤でスポーツタイプの自転車に乗る人が急速に増えています。
ただ、クロスバイクやロードバイクに乗り始めると気になるのがお尻の痛み。サドルが硬いので、特にビギナーの場合短時間でもお尻が痛くなってきます。
お尻にパッドが入ったサイクリングウェアもありますが、体にピタッとフィットするデザインだったりして、街乗りで着るには少し抵抗があったりするもの。
そんな人におすすめしたいのが、ルコックスポルティフのGlambikeシリーズのパンツです。
今回は、GetNavi webで乗り物系記事を多く執筆するライターの増谷茂樹氏が「グランバイク フィッタブル3/4パンツ」を実際にはき、街中を走り回ってみたレポートをお届けします。
クルマ、バイク、自転車などタイヤの付いている乗り物が好きなライター。アウトドアやスポーツなど体を動かす系のネタも得意。エコ系メディア、デジタル系モノ情報誌、Webニュースで原稿を執筆しながら現在に至る。GetNavi webでは、キャンピングカーや電動アシスト自転車の記事が人気。
ルコックスポルティフのGlambikeシリーズとは?
本気でロードバイクに取り組むガチな人たちは身体にフィットして動きやすく、風の抵抗が少ないサイクリングジャージをまといますが、そこまで本気でスピードを出すわけでもないし…、というユーザー向けに開発。
長距離を走っても負担を感じさせない機能性を有しながら、休憩の際には気軽にカフェに寄れたり、旅先でアウトドアアクティビティも楽しめたりするようなデザインに仕上げられているのが特徴です。
アウトドアウェアのようなデザインなので、街中でも抵抗なく着ることができそう。パンツ以外にもジャージやTシャツなどがそろっています。
ハンモック構造がすごい!
このパンツ最大の特徴は、サドルに当たる部分にパッドを内蔵していること。
クッション性が高いので長時間またがっていてもお尻が痛くならないのはもちろんですが、ハンモック構造という独自の機構を応用した作りでパッドを取り外すこともできます。
自転車でキャンプなどに出かけても、現地ではパッドを取り外して快適に過ごせるように考案された構造ですが、これが街乗りユーザーにも効果てきめん。
パッドを生地から浮かせた構造を採用。パッド自体は、ファスナーとスナップボタンで取り外しが可能となっています。
生地にパッドが縫い付けられていないので、パンツをはいた状態で後ろから見てもパッドがモコモコしていません。
裾の部分はベルクロで絞ることができます。再帰反射のリフレクターも付いているので夜道のライディングも安心。
素材は綿97% ・ポリウレタン3%で伸縮性が高く、膝の屈曲に合わせたパターン設計なので、ペダリングもしやすい仕上がりです。ボトムには「自由に楽しみながら自然を楽しんで」というメッセージ。
趣味でも仕事でも自転車に乗るライターによるレビュー
趣味でも仕事でも自転車に乗りますが、本気でスピードを追い求めているわけではないので、サイクリングパンツ選びは悩みのタネです。
ピタッとしたレース用のものも持っていますが、そういうデザインだとライド中にコンビニに寄るのもちょっと躊躇してしまったり…。自転車で“走る”ことだけでなく、途中でお店に寄ったりもっと自由に自転車を楽しみたいんですよね。
街乗りでも違和感のないデザインで、伸縮性や通気性を両立したものを探して、これまで10本以上のサイクリングパンツを試してきました。
パッドをどうするかも悩みどころで、これまでは伸縮性のあるパンツの下に自転車用のパッド入り下着をはくなど。
でも、2枚重ねていると、お互いがズレてしまってあまり具合が良くない。特に立ちこぎからサドルに座り直したりしたときに、シワが寄ってしまいパッドとパンツがズレてしまうのが気になっていました。
グランバイク フィッタブル3/4パンツを実際にはいて、一番感心したのはパッドがズレたりしないこと。登り坂で立ちこぎしたり、座ったりを繰り返してみましたが、いつもパッドが良い位置に収まってくれました。
パッドが縫い付けられているタイプのパンツだと、パッドの位置がサドルの中央からズレてしまったり、太ももの根本あたりにシワが寄ってしまい、こぎながら直さなければいけない場面があったりしますが、このパンツではそれがありません。
競技用のサイクルジャージから始まったハンモック構造を採用しているとのことですが、こういう街乗り用のパンツとの相性のほうが良いのでは、と感じる完成度でした。
一方、グランバイク フィッタブル3/4パンツはパッドを内蔵しながらも、シルエットもきれいです。
生地の肌触りが良く、ストレッチ性も高いのでとても快適。サイクルパンツは化学繊維のものが多いですが、綿97%なのでサラッとした着心地です。
サイクリングパンツでそのほかに気になるのは膝まわりの動きやすさですが、このパンツはまったくストレスを感じません。
かなり速いケイデンス(ペダルの回転数)でも回してみましたが、引っ掛かりや窮屈さを感じることがないので、ハイスピードの巡航もサイクルジャージと変わらないくらい快適にこなせます。
幅広い自転車の楽しみ方をサポートしてくれるパンツだった!
予想以上に快適だったため、ついつい汗ばむくらい走り回ってしまいましたが、そんな場面でもサラッとした着心地はそのまま。汗で皮膚に張り付く感じのあるパンツもありますが、これなら夏場も快適にサイクリングが楽しめそうです。
何よりデザインがサイクルパンツっぽくないので、走っている途中にカフェに入ったりするのにも抵抗がありません。本気でスピードを出して走りたいというシーンから、買い物などを楽しみながら街中を走るポタリングまで、幅広い自転車の楽しみ方をサポートしてくれるパンツだと感じました。
ちなみに、パッドを外して自転車に乗らないシーンでもはいてみましたが、はき心地が良く動きやすいのでとても快適。自転車に乗るときだけでなく、ちょっとアクティブに過ごしたい休日や、キャンプなどのアウトドアシーンでもはきたくなる完成度でした。
こういうパンツを1本持っていると、活躍してくれるシーンは予想以上に多そうです。
撮影/大田浩樹
スタイリング/宮崎 司
文/増谷茂樹
通勤・通学用に毎日乗る。体を動かすために週末だけ乗る。趣味のカメラやサーフィンを、より楽しむために。仕事道具の1つとして…。自転車に乗る理由や目的は、10人いれば10通り。ニューノーマルな暮らしや電動自転車の活況にも背中を押され、自転車熱[…]