【入門・サイクリング#1】自転車を愛する7人に聞いた、始めたきっかけと続ける理由

【入門・サイクリング#1】自転車を愛する7人に聞く、始めたきっかけと続ける理由

  • 2021/08/16 (月)
  • 2023/12/05 (火)

通勤・通学用に毎日乗る。体を動かすために週末だけ乗る。趣味のカメラやサーフィンを、より楽しむために。仕事道具の一つとして…。

自転車に乗る理由や目的は、10人いれば10通り。ニューノーマルな暮らしや電動自転車の活況にも背中を押され、自転車熱もますます高まるばかりです。

そんな今、新しく自転車に乗り始めるなら、どんな自転車に、どう乗れば良いのか?そんな疑問を胸に、サイクルライフをスタートするためのヒントを、さまざまな角度から探っていきたいと思います。

第1回目は、自転車をこよなく愛するサイクリストたち7人に話を聞きます。それぞれの暮らしや趣向に合わせて自分らしく、丁寧に自転車と付き合う、そんな彼らのサイクルライフについて。

※この記事でご紹介するすべての自転車は、前後輪にブレーキを備えています。

人に頼らず、自分の手でカスタムする

俳優・モデルの田中陸さん

田中陸/俳優・モデル
自転車歴:5ヶ月
現在の愛車:FUJI「Feather」

――自転車に乗り始めたのは、割と最近のことなのですね。何がきっかけでしたか?

漫画の『弱虫ペダル』に影響されたのが直接のきっかけです。でも、電車移動になんとなく飽きてきて、運動も兼ねていろいろなところへサッと足を伸ばしたいと思っていた時期でもあって。

東京は雑多できらびやかな場所が多いので、地方出身の僕はときどき疲れてしまう。自転車に乗れば、心が安らぐんじゃないかと思ったんです。

FUJIの「Feather」ハンドル部分の写真

――FUJIの「Feather」を選んだのはどうしてですか?

今の生活スタイルに合わせて、シングルスピード(変速機のない自転車)のモデルにしようとは最初から考えていて。一番ピンときたのがこのモデルだったんです。ほとんど直感ですね。

フレーム以外はのちのちフルカスタムしようと思っていたので、あまり細かいことは気にしませんでした。

――すでにカスタムしている部分はありますか?どんなことを意識して組んでいるのでしょう?

今のところカスタムしてあるのは、サドルとハンドル周り。もともとフレーム以外は黒が基調でしたが、黒はあまり好きじゃないので、最終的には未塗装のシルバーパーツで統一する予定です。

自転車に乗る田中さん

自転車に乗る田中さん

カスタムは、最初は自転車屋に任せようと思っていたのですが、なんとなく「自分の愛車なんだから、人に委ねたくないな」と思って。ネットで調べながら、試行錯誤しつつ自分の手で組み上げました。

――自分で選んだパーツを、自分の手で。自転車好きでも、なかなかそこまでする人はいませんよね。そうして人に頼らずやってみることで気付いたことや、発見はありますか?

やればやるほどいろいろなものが見えてきて、おもしろいですよ。例えば自分が好きだと思っていたものが、意外とそうでもなかったりするんです。

自分でカスタマイズした自転車に乗る様子

そこからひも付いて、服装についても無難すぎるコーディネートを避けるようにしたり、お芝居も、忙しさにかまけてこなしてしまっている部分を見つめ直したり。

クセや当たり前になりかけていることを、省みるきっかけをくれました。

旅にも日常にも。道のりをひらき、楽しむ

編集者の山田さとみさん

山田さとみ/編集者
自転車歴:2年半
現在の愛車:CRUST「Romanceur」

――現在の愛車について、選んだ理由やカスタムのこだわりなどを教えてください。

学生時代にバックパッカーとして世界を回っていました。その頃から、旅は私にとってライフワークのようなもの。そのなかで、自転車で世界を走っている人やカルチャーに出会いました。

山田さんの愛車、CRUST「Romanceur」

アメリカのサイクリストUltra Romanceさんもその一人で、彼の生き方にはものすごく感銘を受けました。CRUSTの「Romanceur」は、そんな彼がプロデュースしたフレームなんです。

私もいつかこれに乗って世界1周できるように、たくさんの荷物を積んで、どんな路面状況でも快適に走れるように組んでいます。

――普段は、自転車に乗ってどんな場所に行きますか?

好きな道は、神宮外苑や国立競技場、皇居を抜ける代官通り、内堀通りなど。緑のある場所が好きなので、日比谷公園、駒沢公園、青山霊園なんかもよく走りますよ。

地方旅行をするときにも自転車を持っていきます。東京駅まで自転車で行って、一度解体して電車に乗って、現地でまた乗る。どこに行くにも自転車と一緒です!

ナルゲンのボトルホルダー

サングラスと骨伝導のイヤホンをしている山田さん

――今日も、テントや寝袋など、普段旅に行くときのセットを載せてきてもらいました。ほかに自転車に乗るときの必携品はありますか?

耳の穴を塞がない、骨伝導のイヤホンです。今まで電車で移動していた時間が自転車移動に代わったので、ラジオでニュースを聞きながら情報収集しています。

ボトルホルダーは、1つはナルゲンというブランド専用のもの。もう1つは、サイズアジャスター付きのタイプ。私はお酒が飲めませんが、ここにワインボトルを入れてキャンプに行くサイクリストも多いんですよ!

スマホや鍵などの小物をパッと入れておけるステムバッグも、かなり便利です。

自転車に乗る山田さん

――2年半という短い期間でどっぷり自転車にハマって、暮らしはどのように変化しましたか?

電車での移動が主だったときは、出発地と目的地が点と点でしかありませんでした。でも、自転車に乗り始めてからはその行程を楽しめるようになりました。

行き方は1つじゃないし、少し遠回りしたからこそ見える景色もあります。移動しながらエクササイズも情報収集もできるので効率的ですし、暮らしがうんと豊かになった気がします。

カスタム次第で、ライフスタイルに寄り添う

美容師の高山紗季さん

高山紗季/美容師
自転車歴:3年
現在の愛車:SURLY「CROSS CHECK」

――自転車に乗り始めたきっかけについて教えてください。

以前までは、通勤用にママチャリを使っていて、それに不満は感じていませんでした。でも、自転車屋で働く友人に「自転車替えたら、人生変わるよ!」と言われて、その言葉に押されるままに今の愛車を購入。

そこからどっぷりハマってしまって、通勤にもプライベートにも、今では欠かせない存在になりました。

踏切にて電車の通過を待つ高山さん

――自転車に乗り始めたことで、暮らしに変化を感じていますか?

仕事に向かう朝は、やる気がみなぎります!少し早起きしてお気に入りのパン屋やコーヒーショップに寄ってから出勤することも。

帰り道は、最短距離じゃない平坦な道を選んで、日によって経路を変えて走ってみたり。通勤が苦じゃなくなりました。

高山さんの愛車のSURLY「CROSS CHECK」

休日は、お気に入りの店をひと通り回って、夕飯の買い出しをして戻ってくるのがルーティンに。行動範囲も広がりました。

空を飛ぶ飛行機の写真

――実際に、人生が少しずつ変わってきているわけですね。カスタムのポイントはありますか?

少し前までは、もう少しかわいらしい感じにしていました。でも、ちょっとメンズライクにしたくて、ついこの間もタイヤとカゴを替えたばかり。ゴツゴツしたオフロードも走ってみたくて、タイヤは太めを選んでいます。

カスタムしたカゴ

カスタムしたタイヤ

洋服を着替えるみたいな感覚でカスタムしていますが、最近は、より実用性を重視するようになりました。

――毎日乗り続けるための秘訣はありますか?

自転車に合わせて無理したり、我慢したりしないこと。例えば、私は洋服も好きなので、自分の服装に合うようにパーツの色を決めたりしています。

スカートやワンピースも着たいから、裾を巻き込まないようにチェーンカバーを付けています。そうやってちょっとした工夫をするだけで、きっと毎日付き合える相棒になるはずです!

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