【ランニングシューズおすすめの選び方!】マラソンや長距離でも疲れにくく長く走れるシューズ選びのポイントは?

【ランニングシューズおすすめの選び方!】マラソンや長距離でも疲れにくく長く走れるシューズ選びのポイントは?

  • 2022/04/28 (木)

ランニングブームのなかで、フルマラソンをはじめ、より長い距離を走りたいというランナーも増えています。

そこで重要になるのが、ランニングシューズの選び方。ずっと走っても疲れにくく、長く快適に走り続けるには、長距離向きのシューズ選びがポイントになります。

そこで話を聞いたのが、シューフィッターである藤原商会の代表・藤原岳久さん。より長い距離を走りたいランナーへ、おすすめのランニングシューズの選び方を聞きました。

また、デサントからも「より長く、より楽しく」をコンセプトにしたランニングシューズ「ENERZITE MAX」が登場。こちらの印象も併せて尋ねていきます。

長距離ランニングシューズおすすめの選び方①「クッション性」

――フルマラソンや長い距離を走りたいランナーにとって、おすすめのランニングシューズの選び方はあるのでしょうか?重視すべきシューズの機能などがあれば教えてください。

長距離ランニングシューズについて話す藤原岳久さんの画像

フルマラソンや長い距離を走るためのシューズ選びでまず大切なのは「クッション性」です。柔らかさと硬さが同居した、バランスの良いクッションを持つシューズが理想ですね。

多くのランナーの方は「クッションは柔らかいほど良い」と考えているかもしれません。しかしそれは誤解があります。

確かにクッションが柔らかいシューズは、走り心地が良いでしょう。しかし、柔らかい分、シューズ自体に安定感がなく、着地で揺れてしまいます。その結果、ランナーが自分で着地の安定感を出さなければなりません。

――それはなぜ問題なのでしょうか?

柔らかいクッションの問題について話す藤原岳久さんの画像

長距離ランで大切なのは、「ランナーの作業をなるべく減らすこと」です。

なぜなら、走っている最中にランナーの作業が増えると、長時間その作業を繰り返すなかで疲労やダメージ、膝や足首といった関節のケガにつながるからです。

ランナーが自分で安定感を出すということは、ランナーのやる作業を増やし、消耗につながります。だからこそ「クッションが柔らかいほど良い」というのは誤解なのです。

――そういった理由から「柔らかさと硬さのバランス」が重要になるということですね。

そうですね。クッションはある程度硬いほうが、シューズ自身が着地の安定感を生みます。ランナーの作業が減るので、長い距離には向くでしょう。

ただし、クッションが硬くなりすぎると、ランナーの走り心地は悪くなってきます。走り心地もランニングのパフォーマンスに大きく影響するもの。

だからこそ、柔らかさと硬さが同居した、バランスの良いクッションが大切と言えます。

長距離ランニングシューズおすすめの選び方②「ソールの形状」

――そのほか、長距離に向いたシューズ選びのポイントはありますか?

ソール(シューズ底面)の形状も大切です。長い距離を快適に走るという観点では、アウトソールが湾曲している、ローリング形状のシューズがおすすめですね。これも「ランナーの作業を減らすこと」に関係しています。

デサントのENERZITE MAXの画像

――なぜでしょうか?

ローリング形状のソールは、ランナーが足を前に出す作業を軽減してくれます。

足を下に落として接地した瞬間、ソールのローリング形状により、自然とそのエネルギーを前方へと方向転換してくれますから。

足が落ちるときに生まれた縦方向のエネルギーを、前方への推進エネルギーに変えてくれるのです。

デサントのENERZITE MAXの画像

ですから、ソールはまるでロッキングチェアのように、ゆらゆらと揺れるような湾曲した形が理想。これがローリング形状のメリットであり、近年のシューズの主流となっています。

ランニングシューズ選びの「よくある誤解」とは

――ちなみに、最初の話のなかで、長距離シューズの選び方における「誤解」に触れていただきました。ほかにも、藤原さんがランナーと話していて感じる、長距離シューズ選びの誤解はありますか?

長距離シューズ選びの誤解について話す藤原岳久さんの画像

一つ思い当たるのは、シューズの「重さ」に関する誤解です。長距離を走るうえでは「軽いシューズのほうが良い」と考えている方が多くいらっしゃいます。しかしこれは誤解でしょう。

先ほど話したように、現代のランニングは、上から下へと足を落とすエネルギーを、シューズの作用によって前方への推進力に変えるのが主流です。

だとすると、ある程度はシューズに重みがあったほうが、足が落ちる際のエネルギーも大きくなります。それがうまく前方への推進力に変われば、当然、メリットは大きくなりますよね。

――シューズの重みでエネルギーを大きくすると。

もちろんそのためには、正しいフォームで走り、うまくシューズのローリング形状を利用することが重要です。

自分で足を前に出すよりも、足を真下へ丁寧に落として、ソールの湾曲によって自然と足が前に出ていく走りができれば、むしろシューズは少し重いほうがメリットになるでしょう。

ランニングは「道具をいかにうまく使うか」のスポーツでもあります。道具とは、もちろんランニングシューズのこと。

これだけシューズが高機能化するなかでは、それをうまく使い、人間の作業を減らすことが長距離ランの鉄則。適切なシューズを選び、使いこなすことが重要なのです。

デサントの長距離ランニングシューズ「ENERZITE MAX」

――デサントからも、より長い距離を走りたいランナーに向けたシューズ「 ENERZITE MAX」が出ています。藤原さんにも履いていただきましたが、今お話しされたポイントに対して、このシューズはどんな印象でしたか?

デサントのENERZITE MAXの画像

とても良い感触でしたね。まずクッションについては、良いバランスだと感じました。柔らかさを感じつつ、がっしりした安定感もあります。

このシューズは、中足部の外側にプレート(TPUプレート)が入っていますよね。最初はこれがどんな影響を与えるか未知数でしたが、走ってみると、足の着地を整えてくれると感じましたね。

ランナーの着地にはクセがあり、かかとが大きく内側に倒れ込んだり、逆に外側にねじれたりするケースがあります。このプレートが外側にあることで、私の場合は、外側へのねじれを防止する役割にもなりました。

――ソールについても、先ほど話していたローリング形状になっています。こちらはどう感じましたか?

ENERZITE MAXのソールについて話す藤原岳久さんの画像

これも良いと思います。走ってみると、私は足を下に落とすだけで、シューズがその足を前に出す“ガイド”になってくれます。湾曲もしっかり付いていて、着地した後、足が自然と前に傾斜する感覚がありますね。

それだけエネルギーを前方に方向転換するので、走る距離を伸ばすには有効ではないでしょうか。

――「ENERZITE MAX」の特徴として、アッパー(前足の甲側)は、縫い目のない1枚のエンジニアードメッシュ素材を採用しています。ぜひこちらについても藤原さんの印象を伺えれば。

デサントのENERZITE MAXの画像

まず、何よりデザインとしてかっこいいと思います。機能性がありながらそれがデザインにも落ちているので、やはりデザインは機能美に尽きるなと思います。

走った印象では、前足部の不快感はなかったですね。

シューズ選びにおいて、前足部の構造は大切な部分です。なぜなら、前足部は着地のときに足幅が広がり、その後、足が宙に浮くと足幅が小さくなります。つまり、ラン中に繰り返しサイズが変化する部位なのです。

ですから、前足部を覆う素材はなるべく柔らかく、裸足に近い感覚が理想。ここに違和感があると、長い距離を走るほどその違和感は大きくなります。

ですから、前足部に気を遣った今回のシューズは良いと思います。

全ランナーに当てはまる、長距離シューズ「もうひとつの使い方」とは?

――藤原さんから見て、このシューズはどんなランナーにおすすめできますか?

ENERZITE MAXはどんなランナーにおすすめかを話す藤原岳久さんの画像

やはり長い距離を走りたいランナー、ロンガー志向のランナーにおすすめだと思いますよ。「ランナーの作業をなるべく減らす」という部分がしっかり担保されているので。

ただ、こういったシューズを履くシーンは、長い距離を走るときだけとは限りません。むしろ、すべてのランナーに履くシーンがあると言えます。

――それはどういった意味でしょうか?

ランナーの作業をなるべく減らすシューズは、言い方を変えれば、それだけ身体の負荷を抑えて走れるシューズです。

ですから、例えば疲労回復したいけど、身体は動かしておきたいときなどに、こういった長距離シューズは有効なのです。

その意味で、負荷を減らしておきたい場面でこのシューズを使うのも良いのではないでしょうか。

<プロフィール>

藤原岳久
シューズフィッティングアドバイザー

藤原商会 代表。ナイキ、アシックス、ニューバランスなどで累計20年以上の販売経歴を持つ。その後、独立し現職。日本フットウェア技術協会理事、JAFTスポーツシューフィッターBasic/Adovance/Master講座講師も務める。

関連記事
春夏におすすめの“進化形”ランニングウェア?特殊なデザインでウェア内を換気し、ランナーの涼しさを生む

突然ですが、夏場に暑さを感じたとき、Tシャツの生地をつまんでパタパタとあおぐと涼しさを感じるはず。きっと、誰もがやったことのある行為ではないでしょうか。これは、Tシャツの中にたまった暑い空気を換気することで涼しさを感じていると言えます。[…]

春夏におすすめの“進化形”ランニングウェア?特殊なデザインでウェア内を換気し、ランナーの涼しさを生む

関連記事
長距離やマラソンを疲れにくく効率的に走る「ランニングエコノミー」とは?押さえるべきコツや走り方を紹介

フルマラソンなどの長い距離を走るためには、身体に負担が少なく、長距離に適した効率の良い走り方、方法を意識する必要があります。フルマラソン完走にチャレンジしたい方やタイムを縮めたい方、長い距離を走りたい方が念頭に置いておくべきことやコツを、[…]

長距離やマラソンを疲れにくく効率的に走る「ランニングエコノミー」とは?押さえるべきコツや走り方を紹介

関連記事
ランニングにケガはつきもの?足の裏・かかと・膝の痛みやシンスプリントの原因と予防法

「最近、なんだか足が痛い」。ランニングが楽しくなってきた頃、そんな痛みにドキッとする方は多いかもしれません。ランニングは着地と蹴り出しを何万回も繰り返す特殊なスポーツ。そのため、ケガや痛みの原因のほとんどが「使いすぎ症候群」です。オーバー[…]

ランニングにケガはつきもの?足の裏・かかと・膝の痛みやシンスプリントの原因と予防法
WRITER
この記事を書いた人
ABOUT ULLR MAG.
ULLR MAG.とは?

ULLR MAG.は、「カラダから心をデザインする、ライフスタイルマガジン」です。
身体を動かすと気分が良い、夢中になれる趣味やスポーツがある、おしゃれをすると心が弾む。
暮らしの中で大切にしたい瞬間は誰にでもあります。

私たちはそんな日々のちょっとした喜びを、
一人でも多くの人へ届けたいと考えています。