資生堂ランニングクラブの選手に聞く。初心者ランナー必見のランニングノウハウとは?美ジョガーの心得も直撃!

資生堂ランニングクラブの選手に聞く。初心者ランナー必見のランニングノウハウとは?美ジョガーの心得も直撃!

  • 2021/11/25 (木)
  • 2022/03/11 (金)

2021年10月に開催された「全日本実業団対抗女子駅伝競走大会予選会(プリンセス駅伝)」において、大会新記録で初優勝を遂げるなど、飛躍が著しい資生堂ランニングクラブ。

選手たちは実業団チームの一員として競技に励み、「強く、速く、美しく。」を合言葉に、世界での活躍を目指して走り続けています。

今シーズンからは、デサントがサプライヤーとなり、資生堂ランニングクラブをバックアップ。ランナーとして、働く女性として、輝きを放つ選手たちの素顔と、資生堂ランニングクラブの魅力に迫ります。

また、一流アスリートが普段取り組むトレーニングや愛用しているウェア、グッズなどのこだわりポイントもインタビュー。

一般ランナーが再現可能なランニング(長距離、持久走)のノウハウと合わせて、美ジョガーになるためのヒントも満載です。

 

<プロフィール>

木村友香選手

木村友香選手

静岡県出身。福岡県の筑紫女学園高等学校在学中から天才ランナーとして脚光を浴び、国内外の主要な大会で輝かしい成績を残す。2019年4月入社。好きな食べ物は、アボカドトースト。

佐藤成葉選手

佐藤成葉選手

神奈川県出身。立命館大学時代には、陸上競技部の駅伝メンバーの一員としてチームに貢献。卒業後、2020年4月に入社。現在はBAUMのマーケティングを担当するなど、業務面でも活躍が期待されている。

樺沢和佳奈選手

樺沢和佳奈選手

群馬県出身。高校時代には、日本代表として4回の世界大会を経験するなど将来を期待される。慶應義塾大学へ進学後はケガと闘いながら陸上競技に没頭。趣味は写経。

若いチームの自信につながるような、収穫のあるレース。駅伝での活躍を誓う、資生堂ランニングクラブ

資生堂ランニングクラブのメンバーがインタビューに答える様子

――まずはみなさんが資生堂ランニングクラブに入ったきっかけを教えてください。

木村:以前所属していたチームで、思うような結果が出せない状況が続き、移籍を視野に新たな所属先を模索していました。もちろん自分自身にも原因があることは認識していましたが、環境を変えることも1つの選択肢かなと。

思い悩んでいたときに、縁があって資生堂ランニングクラブの環境について知る機会がありました。このチームなら、自分が思い描いた練習環境で陸上に打ち込めると感じ、移籍を決意。入部の意思を伝えさせていただきました。

大きな決断でしたが、2019年4月に移籍後は、早い段階で結果もついてきましたし、練習環境がマッチしているという実感があります。

佐藤:駅伝で優勝したいという思いが強く、その夢を叶えるための環境が、資生堂ランニングクラブなら整っているという点に惹かれました。そして何より、世界を目指せるチームであると感じられたことが、決定打になりました。

また、仕事と両立できるという環境も魅力の1つでしたね。もともと化粧品業界に興味があったので、陸上と並行して好きな分野の仕事に従事し、社会人として経験を積めることがモチベーションにつながっています。

現在も、BAUMのプロモーションに携わらせていただき、とてもやりがいを感じています。

樺沢:私も、駅伝で勝ちたいという思いが一番の動機です。

高校までは駅伝を中心に競技に取り組んでいたのですが、大学に入ってからは1,500mや3,000mなど、個人競技に絞って4年間競技を続けていました。

しかし、個人種目で戦うなかで、もう一度駅伝に打ち込んでみたいという思いが次第に高まっていたのも事実です。

そんなとき、資生堂ランニングクラブの指導者の方と話をさせていただき、駅伝に対する思い入れ、駅伝を通して目指すところに強く共感。

加えて、私自身の競技者としての今後のプランなどにも思いを寄せてくださったことが、最終的な決め手になりました。

資生堂ランニングクラブのメンバーがインタビューに答える様子

――資生堂ランニングクラブのチームの雰囲気について、感じることをお聞かせください。

木村:化粧品に興味を持って入社した社員が多いこともあり、個性豊かですね。性格的な明るさだけではなく、女性としての花を持っている。華やかさのあるチームだと感じます。

樺沢:「強く、速く、美しく。」のスローガン通りですね。みんなが毎日、この言葉を口にするわけではないですが、常に頭の片隅にある。“こうありたい”というポリシーとして、共通の核になっているなと感じます。

資生堂ランニングクラブのメンバーがインタビューに答える様子

佐藤:確かに個性豊かですね。個人的には、“美”に関する話で盛り上がれることが、すごく嬉しいです。

陸上競技って、高校時代までは女性らしさやおしゃれとは縁遠いチームや選手がほとんど。でも私自身は、競技者であると同時に女性として美しくあるということは、すごく大事なことだと思っています。

“美”に対して関心を持ち続けることは、競技に取り組むうえでもモチベーションを上げる1つになると思うんです。

だから「新作、試した?」「あの新製品のリップ、良いよね!」みたいな会話を、選手間で日常的にできるのは資生堂ならではですし、楽しみながら競技に打ち込める条件になっています。

――今後の大会への意気込みや目標を教えてください。

木村:一番の目標は、11月末に行われる「全日本実業団対抗女子駅伝競走大会(クイーンズ駅伝)」で優勝することです。

ただ、優勝だけにとらわれすぎることなく、上位争いをするなかで、レース展開を含めて収穫のあるレースにしたい。若いチームでもあるので、今後の自信につなげられるような結果を残したいですね。

樺沢:私も目標は同じです。資生堂ランニングクラブに入ったきっかけの1つが、駅伝優勝に向かって、チーム全員が1つになり、同じ方向を向いているという思いを強く感じたことなので、優勝してその目標を叶えたいです。

信頼のおける指導者や仲間と心を1つに。資生堂ランニングクラブでの陸上、駅伝を通じて希望をもたらす

2021年のプリンセス駅伝の様子

――デサントのブランドコンセプトは「Design that moves ―あなたを動かすすべてになる―」です。これまでの競技人生のなかで、ターニングポイントとなったできごと、考え方が変わったエピソードなど、みなさんの“心が動いた瞬間”についてお聞かせください。

資生堂ランニングクラブのメンバーがインタビューに答える様子

木村:2020年の「プリンセス駅伝」ですね。この大会で私は足の痛みにより失速し、チームに迷惑をかけてしまいました。

これまでの競技人生を通して、周りに頼らず、すべて自己責任という思いで陸上と向き合ってきました。

孤独に戦うという道を選び、自分を追い込んでいたんです。今思い返すと、いろいろ1人で背負い込んで、常に切羽詰まった状態だったと思います。

でも昨年の失敗を機に、周りに頼ることの大切さ、自分自身の状況や抱えている悩みを伝えることの重要性を痛感したんです。

信頼できる指導者をとことん頼り、一緒に背負ってもらおうと考え方を転換したことで、すごく気持ちが軽くなりましたし、結果にも変化が生まれています。

佐藤:つい最近のことですが、祖父が亡くなったことです。陸上競技に打ち込む私をずっと応援してくれていた、大切なサポーターでした。

今年の「プリンセス駅伝」もすごく楽しみにしてくれていたのですが、結局観てもらうことができず、祖父の思いを胸に走ることとなりました。

でも、親戚や祖父と親しかった方が、祖父の死に対して気落ちしていたときに、私が走っている姿をテレビで目にしたんだよと喜んでくれて。「すごく元気をもらった」「涙が出た」って声をかけてくれました。

競技をしていると辛いことやきついことが多くて、苦しいという感情に埋もれてしまうことが多々あります。そんななか、人の生きる希望になり得る、駅伝という競技の魅力を改めて感じることができた。

“陸上をやっていて良かった”と、心から思えた瞬間でした。

――樺沢さんはいかがですか?

資生堂ランニングクラブのメンバーがインタビューに答える様子

樺沢:私の場合は、中学に入るとき、高校に進学するとき、大学の入学時など、節目節目で陸上を続けるかどうかを常に悩み、考えてきました。だから、その都度がターニングポイントで、今の陸上人生につながっているのだと感じます。

なかでも大学に入学するときはいろいろと思案し、競技を続けるのは卒業までだろうという思いが強くありました。だから大学2、3年の頃は周囲の学生同様、就職活動も始めていたんです。

でも、いざ社会人になるということが現実味を帯びてきたとき、これから先の人生と向き合い、今しかできないことって何だろうと考えたら、許される限り陸上競技を続けたいという思いが次第に大きくなっていきました。

競技選手として世界を目指すことができる期間は限られている。ならば、今できることを精一杯頑張って、自分の可能性にチャレンジしたいと思い、社会人になってからも陸上を続ける決意をしました。

その瞬間、決断をしたからには、練習も生活も、しっかりと責任と自覚を持って向き合わなければいけないと、競技選手としての思いを新たにしました。

ランニング前には足首や股関節の入念な準備運動で痛みを回避。持久走のウェアは速乾性が重要

練習風景

――ここ数年で新しく注力してきたトレーニングはありますか?また、結果的にどのような変化がありましたか?

木村:近年は、特にフィジカルトレーニングを徹底的に行っています。

もちろん筋力に負荷をかけるような、いわゆる一般的な筋トレもやるのですが、私の場合は器具をあまり使わず、ピラティスやヨガに似た要素を取り入れているのが特徴ですね。

呼吸法とかインナーマッスルにつながるのですが、今のフィジカルトレーニングをベースにするようになってからは、自然に省エネの動きで走れるようになったと実感しています。

佐藤:入社した当時から、五味コーチがトレーニングを担当してくださっているのですが、そのトレーニング法を信じて実践していくうちに、自然と走りが変わってきました。

腕の振り方や引く動作、脚力を上げるためのジャンプ系のトレーニングなど、改善すべき部分に合わせたトレーニングを提案してくださるので、腕の振り幅が自然になってきました。

腕の振り幅が広がることで自然に歩幅が広がり、前に進みやすくなる。1歩が大きくなる感覚に、とても手応えを感じています。

樺沢:徐々に距離を延ばしていくことでしょうか。大学時代までは1,500mなど、短めの距離を中心に取り組んでいたのですが、実業団に入って距離の長い種目をメイン種目として挑戦したいと思ったんです。

そのために、ジョギングの本数やポイント練習の距離を徐々に増やしていきました。

――一気に距離を長くするのではなく、徐々に延ばすほうが効果的なのですか?

樺沢:いきなり負荷を増やしてしまうと、ケガにつながるリスクが高まります。例えば40分、50分、60分と少しずつ増やしていくほうが、抵抗なく距離を延ばせるのです。

――定期的にランニングをしている初級、中級の女性ランナーも活かせるような、ランニング時のチェックポイント、練習法などはありますか?

資生堂ランニングクラブのメンバーがインタビューに答える様子

木村:足の接地については、意識しすぎるとケガのリスクが高まってしまいがち。一般ランナーの方は上半身の動き、腕振りを特に留意したほうが良いのではないでしょうか。

足の接地に気を取られすぎると、リズムが崩れたり、翌日に筋肉痛が出てしまったりという影響が考えられます。足の置き場を気にせず、自然な動きで走ることを心掛けてください。

――長く走るための呼吸法に関するアドバイスはありますか?

樺沢:吐くことに意識を向けたほうが良いかなと思います。

久しぶりに走るときや長い距離を走るときは特に、吸うことに集中してしまいがちなのですが、そうすると、息を吸って空気を入れることにばかり気を取られて、いっぱいいっぱいになってしまう。

吐くリズムを重視することで、無理なく吸えるようになると思います。

――テンポ良く走るために工夫していることや、おすすめのランニング方法があれば教えてください。

木村:交通量が少ない川沿いなどがおすすめです。周囲の喧騒が気にならない環境で、自分のリズムを保ちやすい音楽を聴きながら走ると良いと思います。

――ダイエット目的の方など、脂肪燃焼をしやすくする体づくりを実現するためには、どのくらいのペースでトレーニングすると良いですか?

樺沢:求めるレベルにもよりますが、初心者であれば1回20分くらいを目安に、週3回くらいのペースで走れば十分ではないでしょうか。最初は距離よりも、時間で区切ったほうが良いと思います。

それから、準備体操はしっかりと!

――準備体操の仕方など、ケガ防止や痛み回避のためのアドバイスはありますか?

木村:一般ランナーの方は、やはり関節周りが硬くなりがちなので、常に関節をほぐすことを心掛けてください。

樺沢:上から首、肩、腰、お尻など。大きい部分を中心に行うと良いですよね。

木村:あとは股関節ですね。開脚など、体育の授業でやったような準備体操が、一番分かりやすくて効果が得やすいと思います。

佐藤:そうですね。基本中の基本ではありますが、足首を回すことも忘れずに。

――ウェアやシューズ選びのこだわり、おすすめの機能などがあれば教えてください。

資生堂ランニングクラブのメンバーがインタビューに答える様子

木村:ウェアは、とにかく速乾性重視。季節を問わず、汗をかいた後に乾きやすい素材のウェアを選ぶことで、体力を奪われにくくなり、長い時間走り続けるときには適しています。

シューズについては、ソールの厚いものを選んでいます。私の場合は、慢性的な足底腱膜炎に悩まされていることもあり、クッション性の良さが鍵ですね。

樺沢:シューズは、重さも重要ですよね。人によって軽い靴が良い方もいるし、多少重みのあるシューズのほうが走りやすいという方もいます。

私は本番のときに軽さを感じられるよう、トレーニングの段階では少し重さのある靴を履くなど、場面によって使い分けています。

軽ければ軽いほど良いというものでもなく、自分に合った軽さのシューズを見つけることがポイントです。

佐藤:私は練習の目的に応じて、シューズを使い分けています。

疲労がたまっているときは衝撃吸収の面で優れたソールの靴にする、テンポ良く走りたいときは反発性の高いシューズを使うなど。ケースバイケースで、何足かを使い分けています。

ウェアについては、断然デザイン重視ですね。機能面では生地の伸縮性、動きやすさに着目して選んでいます。

“美”へのこだわりも、戦い続けるモチベーションに。「クイーンズ駅伝」でさらなる輝きを

資生堂ランニングクラブのメンバー

近年、駅伝の舞台では苦しい戦いを強いられてきた資生堂ランニングクラブ。

名門復活をかけた戦いを続けるなかで、2021年の「プリンセス駅伝」での優勝は、飛躍を目指す選手たちに大きな自信をもたらしました。

アスリートとしてストイックに競技と向き合う、資生堂ランニングクラブの選手たち。凛とした内面の美しさに加え、 “美”に対する意識を高く持つメンバーの笑顔は、きらきらと輝いています。

「強く、速く、美しく。」を実践する選手たちの助言をもとに、関節の準備体操をしっかり行い、吐くことに注力しながら、まずは20分くらいを目安にランニングを始めてみましょう。

走行中は、足の接地よりも、腕の振りをしっかり意識すること。

そして、長続きの秘訣は、ウェアや化粧品など“美”にもこだわること。モチベーションを高く、日々のランニングを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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