バレーボールの国内リーグ「2021-22 V.LEAGUE DIVISON1 MEN」(以下Vリーグ)が、10月15日に開幕します。
昨季3位からのリベンジを目指すのはウルフドッグス名古屋。新監督のクリストファー・ジョン・マクガウン氏を迎え、頂点を狙います。
そこで今回、ウルフドッグス名古屋の山田脩造選手・椿山竜介選手・永露元稀選手にインタビュー。シーズンを目前に控えた心境や、Vリーグの見どころを聞いていきます。
また、2019年からデサント提供のユニフォームを着用しており、今季はデザインをリニューアル。細かな構造のこだわりも詰まっており、その印象を3選手に尋ねてみました。
※本記事のインタビューはオンラインビデオ通話で実施いたしました。
ホップ・ステップ・ジャンプで、今年こそ優勝を
――いよいよVリーグが開幕します。昨季のウルフドッグスは、レギュラーラウンドで3位に入りファイナルステージに進出。パナソニックパンサーズ(シーズン2位)との戦いに惜しくも敗れたものの、最後の1セットで勝負を決する「ゴールデンセット」にもつれこむ大熱戦でしたよね。その悔しさを経て、今季の戦いに挑むことになります。どんな心境でしょうか?
山田脩造選手。
山田:昨季は3位という結果になりましたが、もっと上の順位を取れたと思っています。手応えと悔しさを感じたシーズンでしたし、今年はもちろん優勝を狙いたいですね。
永露元稀選手。
永露:僕も3位という結果には満足していません。今季はさらに上の順位を目指したいという気持ちです。チーム全体がこの夏の間にレベルアップできた実感もあるので、その成果を見せられたら良いですね。
椿山竜介選手。
椿山:同じく昨季の結果には悔しい気持ちを抱いていますが、とはいえ、2季前は7位、昨季は3位と、ホップ・ステップで来られていると思います。この勢いのまま今季しっかりとジャンプして、ホップ・ステップ・ジャンプで優勝したいですね。
山田:僕個人の目標としては、昨季は出場機会が増えたシーズンだったので、今季もより多くの試合に出られるように、1回1回のチャンスで結果を出していきたいですね。試合以外の面でもチームを盛り上げて、全員が一丸となって頑張っていきたいです。
新監督を迎え、トスの配分や高さ、タイミングも変化させる可能性
――今季は新監督を迎えることになりますが、チームの方針や戦略も変わるのでしょうか?
永露:そうですね。攻め方のバリエーションや戦術にも変化が出てくると思います。特に僕はセッターで、椿山選手や山田選手などにもトスを上げる立場ですが、誰にトスを上げるかという配分やトスのタイミング、高さなど、さまざまな面で昨季とは違ってくるのではないかと思います。
山田:シーズン前なので言えないこともたくさんあるのですが、トスやアタックの質など、監督の求めるものも変わってきそうです。今はその調整をしている最中ですね。監督やセッターとコミュニケーションを取りつつ、求めている形に近付けていければと思っています。
――コート以外の活動でも椿山選手はチームの公式YouTubeで活躍しています。その司会進行ぶりもファンからは注目されていますが、YouTubeでの目標などはありますか?
椿山:ありがとうございます。とても褒められるようなものではないんですけどね(笑)。目標は、7月にチャンネル登録者数が5,000人を超えたので、次は1万人を目指したいなと。こちらもチームみんなで頑張っていきます!
選手から1位の支持を集めたウルフドッグス名古屋新ユニフォームのデザイン
――今季からユニフォームも新たになりました。2季前からデサントのユニフォームを着用していますが、新ユニフォームに袖を通してみて、どんな印象ですか?
永露:事前に3パターンほどのデザイン案をデサントさんからもらって、どれが良いか選手間で意見を募ったんですよね。そうしたらこのデザイン案を選んだ選手がダントツに多くて。みんな気に入っていました。
山田:純粋にかっこよくなりましたよね。パッと見た感じは昨季と似た雰囲気で、ユニフォームの前面は「狼犬(ウルフドッグ)」の顔、後ろ面はたてがみのイメージになっていますが、以前よりも相手に向かっていくような戦う姿勢が前面に出たデザインになっていると感じます。
椿山:ユニフォームは毎試合着るものですし、モチベーションにも関わるので、選手にとってもデザインは大切です。今季のユニフォームは、チームのモチーフである「狼犬(ウルフドッグ)」のデザインが大きく入って、ウルフドッグスとしてのイメージが強くなったと思いますよ。チーム名とデザインも一致しやすくなったのも良いですね。
縫い目にまでこだわり「肩まわり」の滑らかさを追求
――デザイン以外にも、今回の新ユニフォームを開発するうえでいろいろな工夫を施しました。なかでも肩から袖の構造は、バレーボール選手にとって特に可動が発生する箇所であり、ストレスなく動かすことが大切です。
そこで、例えば袖口は、本来ならウェアの内側にくる縫い目をほとんどなくして、動かす際のストレス軽減を目指しました。この仕様は登録特許を取得しています。ほかにも、従来は肩甲骨部分にあった縫い目をなくして、肩や腕が動きやすい形をとっています。
山田:僕の場合はそこまで腕が太くないので、もともと可動域のストレスはあまり感じていなかったのですが、椿山選手みたいにがっしりしたタイプの選手は特に違いを実感するかもしれないですよね。
椿山:確かにそうですね。以前のユニフォームよりも、腕・肩まわりは動きやすくなった感じがあります。
永露:昔着ていたユニフォームで、そういう部分が気になるときもありました。今回のユニフォームはまだ短時間しか着ていないのですが、今のところ動かしやすさは問題ないですね。
ユニフォームの「ゆとり」と「タイトさ」のバランスは選手にとって重要
――新ユニフォームでは、シャツのシルエットやフィット感もこだわって作りました。バレーボールはジャンプなどの動きが多い競技なので、プレーの中でシャツがバタつかないよう、シルエットは細身にしました。一方で、フィット感がありつつも動きやすさを確保するためにストレッチ性の高い素材を採用しています。
山田:ユニフォームのサイズが大きすぎたり、胴まわりが広すぎたりすると、プレー中にユニフォームが動きすぎて少し気になってしまいます。今回はタイトな印象ですが、ストレッチが効いているので動きにくさやストレスはあまり感じないかなと。
永露:ユニフォームのきつさは結構難しい問題ですよね(笑)。ゆとりがありすぎると、山田さんの言うように、プレー中にバタついて邪魔になるし、きつすぎると動きにくいし。細すぎず太すぎずが良いというか。
椿山:それと僕の場合、あまりタイトなユニフォームだと、体つきがぽっちゃりしていることがバレちゃうのでマズいんですよね(笑)。それは冗談としても、締め付けすぎず、適度にフィットしているのがベストです。今回のユニフォームは着た感じの窮屈さもなく、良い感じじゃないでしょうか。
日本代表の活躍で盛り上がった熱気を、一過性で終わらせないように
――最後に、改めて開幕前の意気込みを伺えればと思います。今夏は日本代表の活躍もあり、新たにVリーグを観に来られる方も増えるのではないでしょうか。ぜひ興味を持っている読者の方へ、みなさんからメッセージをお願いします。
山田:Vリーグでは、代表選手同士の対決を観られますし、代表以外でも魅力的な選手がたくさんいます。ぜひそのプレーを楽しんでください。
永露:日本人選手だけでなく、各チームの外国人選手のなかにも世界的な選手や自国の代表で主力を務める選手もいるので、そのプレーを堪能できるのも魅力の一つです。少しでも見る人が増えればうれしいですね。
椿山:今までも大きな国際大会の後はたくさんのお客様に来ていただいたのですが、時間が経つとその盛り上がりが下火になってしまったのも事実です。今回、日本代表の活躍でまた注目される機会をもらったので、今度はその人気を風化させないように、この波を持続できればと思います!
山田:ウルフドッグスの本拠地・豊田合成記念体育館(エントリオ:愛知県稲沢市)は素晴らしい施設なので、コロナの状況次第ではありますが、少しでも現地で観戦する方が増えればうれしいです。
椿山:そうですね。みなさんに満足してもらえる試合を目指しますので、応援よろしくお願いします!
文/有井太郎
山田脩造
ウルフドッグス名古屋 背番号1 ポジション:アウトサイドヒッター
椿山竜介
ウルフドッグス名古屋 背番号14 ポジション:オポジット
永露元稀
ウルフドッグス名古屋 背番号21 ポジション:セッター
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