お腹いっぱい食べながらもダイエット効果が期待できる方法の一つに、脂肪燃焼スープを食べる「スープダイエット」があります。
基本的には米・おかず・野菜・汁物といった定食型の献立で、ある程度の期間を設けて減量していくのが理想です。脂肪燃焼スープダイエットは、1週間の期間限定であることに注意してください。
この記事では、管理栄養士監修のもと、脂肪燃焼スープに期待できるダイエット効果や基本的なやり方、レシピと注意点について解説します。
ダイエットに効果的な脂肪燃焼スープとは?
「脂肪燃焼スープ」とは野菜がたっぷり入ったスープのことで、一般的にトマトベースのものを指します。
トマトベースの野菜スープが脂肪燃焼スープと呼ばれているのは、トマトに含まれる不飽和脂肪酸「13-oxo-ODA(13オキソオーディーエー)」に脂肪燃焼作用があるからです。
また、トマト以外の野菜もたっぷり入れることで、血糖値の上昇を抑える食物繊維や、糖質や脂質、タンパク質の代謝を助けてくれるビタミンB群など、ダイエットに良いとされる栄養素をしっかりと摂ることができます。
脂肪燃焼スープは、スーパーなどで手に入る食材を使って自宅で簡単に作ることができ、冷蔵庫で保存できるので作り置きも可能なメニューです。
脂肪燃焼スープで痩せる?4つのダイエット効果
ここでは、脂肪燃焼スープに期待できる4つのダイエット効果について解説します。
体が温まる
温かい脂肪燃焼スープを飲むと胃腸が温まり、体温を上げることができます。
体が温まること自体がダイエットに効果的であるほか、血行や消化も促進され、酸素や栄養素、水分などが全身に効率良く行き渡りやすくなります。
代謝アップ
ダイエットには、何もしなくても自然と消費されるエネルギーである「基礎代謝量」を高めることが重要です。
基礎代謝量が高まれば、普段と同じ運動をしていても効率良くカロリーを消費できるようになり、痩せやすい体をつくることができます。
体を温めながら水分もたっぷり摂れる脂肪燃焼スープは代謝アップにぴったりなので、ダイエットの強い味方になってくれるでしょう。
老廃物を排出
体温が上がり、血行が促進されて代謝が良くなると、体内の老廃物を排出するデトックス効果も高まります。
デトックス効果が高まると、腸内環境が整って便秘が解消されたり、むくみの改善につながったりといった効果が見込めます。
食べすぎ防止
野菜がたくさん入った脂肪燃焼スープは食べ応えがあります。また、野菜に含まれる食物繊維が摂れるため、スープでありながらも思った以上に腹持ちが良いです。
食物繊維は体内で水分を吸収して膨らみ、満腹中枢を刺激して食欲を抑制してくれます。満足感が高いので、食べすぎの予防にもなるでしょう。
脂肪燃焼スープダイエットの基本的なやり方
脂肪燃焼スープに期待できる効果が分かったところで、続いてはスープダイエットを行う際の守るべきルールや正しいやり方について解説します。
守るべきルール
脂肪燃焼スープダイエットで守るべきルールは、以下の通りです。
脂肪燃焼スープには野菜の栄養素がたっぷり含まれていますが、毎日同じものを食べていると栄養が偏ってしまいます。
そのため、脂肪燃焼スープダイエットは1週間の期間限定で行うのがルールです。
また、せっかく脂肪燃焼スープを食べても、高カロリーなジュースやアルコール、おやつなどの間食で摂取カロリーが増えてしまうと、ダイエットは成功しにくくなります。
スープをたっぷり食べる代わりに余分なカロリー摂取はできるだけ控え、血糖値の上昇を緩やかにするためにも食事の最初にスープを食べるようにしましょう。
また、飲み物を水かお茶にする、アルコールを控える、食事の最初にスープを食べるといったことは、普段の食習慣においても大切なことです。ぜひ習慣づけるようにしてみてください。
1週間のスケジュール
前述の通り、脂肪燃焼スープダイエットは1週間というスケジュールで行う期間限定のダイエット方法です。
以下の表では、1週間の食事メニューの例をまとめています。
日数 | メニュー | そのほかに食べて良いもの |
---|---|---|
1日目 | 1日3食スープ | バナナ以外の果物 |
2日目 | 1日3食スープ | じゃがいも・さつまいも(夕食のみ) |
3日目 | 1日3食スープ | バナナ以外の果物・ゆで野菜(ブロッコリー・ほうれん草 など) |
4日目 | 1日3食スープ+バナナ(1本/食) | ―― |
5日目 | 1日3食スープ+肉+トマト | ―― |
6日目 | 1日3食スープ+肉+ゆで野菜(ブロッコリー・ほうれん草 など) | ―― |
7日目 | 1日3食スープ+玄米ご飯 | ―― |
最初の3日間は基本的に1日3食スープのみを食べますが、ルールに従っていればプラスでほかの食べ物を食べても良いとされています。
ただし、じゃがいもやさつまいもの味付けにマヨネーズやバターなどの高カロリーな調味料は使用せず、ゆでる・蒸すなどしてそのまま食べるようにしてください。
また、5日目と6日目にプラスして食べる肉については、鶏肉・豚肉・牛肉のどれでもOKです。
玄米ご飯は食物繊維やビタミン・ミネラルが白米に比べて多く含まれているものの、皮が硬く消化に負担がかかるという面もあります。
胚芽米や雑穀米も食物繊維やビタミン・ミネラルが多く含まれているので、好みに合わせて選択してみてください。
脂肪燃焼スープダイエットのレシピ
ここからは、脂肪燃焼スープの基本レシピを紹介します。
【材料】
【作り方】
- 野菜は食べやすい大きさ(1cm角ほど)に切る
- 鍋に水と①を入れ、火にかける
- 生姜は千切り、にんにくはみじん切りにして②に入れる
- 10~20分ほど煮て野菜が柔らかくなったら、コンソメを入れる
- よくかき混ぜて完成
トマトはホール缶、生姜とにんにくはチューブタイプでもOKです。味が薄い場合は塩を加えて調えましょう。
また、脂肪燃焼スープは簡単に作れておいしく食べられるのが魅力ですが、毎日食べ続ければつらくなってくることもあります。
その場合は5日目以降に、しょうゆやみそ、カレー粉などで味を変えてあげると続けやすくなるでしょう。
脂肪燃焼スープダイエットの注意点
スープだけを数日間飲み続けるというダイエット方法は、1日の総摂取カロリー量を減らすことができるため、1週間程度でも体重の減少や見た目の変化が現れやすいと言われています。
しかし、糖質やタンパク質など、野菜だけでは摂取できない栄養素が不足してしまうため、長期間続けるのはNGです。
1週間というルールを必ず守り、女性の場合は生理前などの体調に不安があるときは行わないようにしてください。
また、脂肪燃焼スープダイエットに限らず、短期間で集中的に行うダイエット方法はリバウンドしやすいという点にも注意が必要です。
1週間我慢した反動で食べすぎたり、アルコールを飲みすぎたりすると、せっかく減った体重も数日で元に戻ってしまうでしょう。
どうしても短期間で痩せたい場合を除いて、1日1食だけを脂肪燃焼スープに置き換えたり、スープと一緒に米やパンなどの糖質、豆腐や鶏肉などのタンパク質を摂ったりなど、無理をせずに緩く続けてみるのも一つの方法です。
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ダイエットには脂肪燃焼スープを食事に取り入れよう
脂肪燃焼スープダイエットは、1週間という短期間で行う人気のダイエット方法です。血行促進や代謝アップなど、ダイエットに良い効果が期待できます。
しかし、脂肪燃焼スープダイエットは、スープを食べるだけで痩せる、食べれば食べるほど痩せるというものではありません。
スープダイエットの基本的なやり方やルールを理解したうえで、自分に合った無理のない方法で毎日の献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。
管理栄養士
荒井名南
管理栄養士のほか、フードスペシャリスト、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザーの資格を保有。保育園での給食運営や食育指導を経て、「親子のしあわせごはん」をテーマに食育やアレルギー食に関する執筆・監修、レシピ開発などを行っている。