股関節には、私たちの体重を支え、立つ・座る・歩くといった足の動きを可能にする大事な役割があります。しかし、意識的に動かさないと硬くなりやすい部位になるため、ストレッチで柔らかくほぐすことが大切です。
この記事では、股関節をほぐす効果やメリット、簡単にできるおすすめのストレッチを紹介します。
股関節をほぐすとどんな効果・メリットがある?
ストレッチは、深い呼吸をしながらゆっくりと関節や筋肉を伸ばす運動です。関節や筋肉が伸びることで可動域が広がり、体を動かしやすくなります。
また、筋肉のこわばりをほぐして柔らかくなると血流が促進されるため、体温上昇や代謝アップなど、さまざまな効果も期待できるでしょう。
まずは、ストレッチで股関節をほぐすことによる主な効果やメリットを紹介します。
冷えやむくみの緩和
冷えやむくみの原因はいくつかありますが、その一つに血行不良があります。
股関節をほぐして柔らかくすると、血流が良くなって足全体が温まり、老廃物の排出がスムーズに行えるようになるため、冷えやむくみの改善につながります。
骨盤の歪みが整う
股関節のストレッチには、骨盤の歪みを矯正する効果もあります。
歪んだ骨盤を正しい位置に戻すことで、猫背やO脚の改善につながるほか、姿勢改善も期待できます。
疲労がたまりにくくなる
股関節をストレッチでほぐすと、疲労がたまりにくくなるというメリットもあります。
スポーツなどの激しい運動を行うと、筋肉を動かすエネルギーを作るために糖質が分解されると同時に、疲労物質である乳酸が生成されます。
乳酸がうまく排出されずにいると筋肉が収縮して血行が悪くなり、疲れやすくなるのです。
股関節は、体の老廃物を外に排出する働きを持つリンパがあるため、ウォーミングアップ時やクールダウン時にほぐすことで体の負担を軽減してくれます。
股関節をほぐす簡単なストレッチ6選
股関節のストレッチは、特別な道具や場所は必要なく自宅で気軽にできるため、普段運動をしていない人でも気軽に始めやすいのが魅力です。
運動初心者の人でも簡単にできる股関節ストレッチのやり方を紹介するので、ぜひ取り入れてみてください。
寝ながらできる股関節ストレッチ①
まずは、寝ながらできる股関節の可動域を広げるストレッチのやり方を紹介します。
ストレッチの手順は、以下の通りです。
- 仰向けに寝転がる
- 両手で左膝を持ち、胸のほうに引き寄せていく
- 膝を曲げたまま、お尻から太ももの外側が伸びるのを意識しながら足を内側に倒す
- 膝を曲げたまま、太ももの内側が伸びるのを意識しながら足を外側に倒す
- 足を左右入れ替えて、①から繰り返す
このストレッチでは、内側に倒すことでお尻や外もも、外側に倒すことで内ももを伸ばすことができるため、どの部分の筋肉が伸びているかを意識して行いましょう。
寝ながらできる股関節ストレッチ②
続いては、寝ながらできる股関節ストレッチのなかでも、特に前ももに効果的な種類を紹介します。
ストレッチの手順は、以下の通りです。
- 仰向けに寝転がる
- 両膝を立てて、右膝に左足のかかとを引っ掛ける
- 顔を左に向けながら、右膝を内側に倒していく
- ゆっくりと元の姿勢に戻す
- 左膝を右足のかかとに引っ掛ける
- 顔を右に向けながら、左膝を内側に倒していく
呼吸を意識しながら、左右交互にゆっくりと繰り返しましょう。
骨盤が歪んでいる人やよくヒールを履く女性は前ももが張りやすいため、寝る前のリラックスタイムに取り入れてみてください。
座ってできる股関節ストレッチ①
座ったままできる股関節ストレッチを紹介します。ストレッチの手順は、以下通りです。
- 床に座り、あぐらのような姿勢で両足の裏を合わせる
- 両手は足の上に置き、かかとはできるだけ体へ引き寄せる
- 骨盤を立てるイメージで姿勢を正し、そのままゆっくりと呼吸する
- 両腕を伸ばして、前方の床に手のひらをつける
- 体を丸めないように気を付けながら、上体をゆっくり前に倒す
- 上体を倒したまま、ゆっくりと呼吸する
ストレッチ中は、息を止めないように深く呼吸をすることを意識しましょう。上体を倒すときにつらいと感じる場合は、無理をせずできる範囲で行ってください。
座ってできる股関節ストレッチ②
座ったままできる股関節ストレッチの2つ目は、中級者向けの少し難しいメニューなので、ストレッチに慣れてきたら挑戦してみてください。
- 床に座る
- 両膝を軽く曲げながら背筋を伸ばし、かかととお尻で体を支えることを意識しながら、足を左右に大きく開いていく
- 膝とつま先は天井に向けまま、姿勢をキープしつつ、肘から先を床につけながら上体を前に倒す
- 背筋を伸ばし、ゆっくりと呼吸しながら前屈の姿勢をキープする
- ゆっくりと元の姿勢に戻る
前屈の姿勢をキープするのはきついと感じるかもしれませんが、無理をせずゆっくりと呼吸しながらまずは1回につき5セットを行ってみましょう。
立ったままできる股関節ストレッチ①
ここからは、立ったままできる股関節ストレッチを紹介します。ストレッチの手順は、以下通りです。
- 足を肩幅に開いて立つ
- おへその下を意識しながらお腹を伸ばすように、体をゆっくり後ろに反らす
- 10秒ほどかけてゆっくり反らしたら、元の姿勢に戻る
ちょっとした空き時間を使ってできる簡単なストレッチなので、日常生活や仕事中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
立ったままできる股関節ストレッチ②
立ったままできるストレッチの2つ目は以下の手順で行います。
- 足を肩幅に開いて立つ
- 股を広げ、腰をゆっくりと落としていく
- 腰を落とした状態で10秒キープ
- ゆっくりと①の姿勢に戻り、2~3回繰り返す
腰を落とすときは、太ももの内側が伸びていることを意識しましょう。痛気持ち良いと感じる程度まで伸ばすのがポイントです。
トレーニングを行う前や行った後は、ストレッチをしてあげることでパフォーマンスの向上が期待できたり、体への負担を軽減したりすることにもつながります。また、ストレッチには種類があり、それぞれ動きの特徴や効果が異なるため、目的に合ったものを取り[…]

股関節をほぐすストレッチの注意点
股関節をほぐすストレッチは、無理をせずに行うことが大切です。普段と違う違和感があるときは、一旦休憩をして様子を見ることをおすすめします。
特に以下のような症状がある場合は、医師に相談することも検討しましょう。
股関節が痛くなった場合
股関節ストレッチには、柔軟性の向上や血行促進などの効果がある一方で、間違ったやり方で行うと痛みが出る場合があります。
股関節ストレッチで痛みが起こるのは、引っ張りすぎることが主な原因です。
ストレッチをするときは、反動をつけたり、力を入れて引っ張ったりするのではなく、気持ち良いと感じる程度までゆっくりと伸ばすのがポイントです。
間違ったやり方で痛みが出てしまった場合も、痛みを放置せず医師に相談しましょう。
股関節ストレッチは簡単で始めやすい!
股関節ストレッチは、冷えやむくみの緩和、骨盤の歪みの改善など、さまざまな効果が期待できます。
股関節をほぐすストレッチは簡単にできるものが多く、寝ながらできるものや座ったまま、立ったままできるものなどバリエーションも豊富です。
日常生活に股関節ストレッチを取り入れて、1日10分程度の短い時間からでも、習慣化してみてはいかがでしょうか。