登山は自然の中で行うアクティビティのため、動きやすく、かつ暑さ・寒さ対策ができるようなウェアを用意したけれど、帽子は持って行ったほうが良いのか悩む人もいるのではないでしょうか。
この記事では、登山用の帽子をかぶる必要性や種類、押さえておきたい機能性について紹介します。
登山用の帽子をかぶる必要性は?
登山用のウェアや用品を取り扱うショップには、さまざまな登山用の帽子が販売されています。
しかし、なぜ登山で帽子をかぶらなければならないのか、その必要性をあまり感じていないという人もいるかもしれません。
まずは、登山用の帽子をかぶるメリットや目的を紹介します。
紫外線対策になる
木々の多い山を登る場合は木陰の道を歩くことが多いため、体感ではあまり分からないかもしれませんが、紫外線は標高が1,000m上がるごとに10%ほど増えると言われています。
そのため、紫外線対策として帽子をかぶることが推奨されています。
暑さ・寒さ対策になる
登山用の帽子は、暑さ対策や寒さ対策など温度調整にも役立ちます。
暑い夏の登山では、たとえ涼しい木陰の道を歩いているとしても、知らず知らずのうちに頭部に熱がこもってしまうことがあります。
暑さによる体調不良のリスクを軽減するためにも、登山用の帽子を着用するようにしましょう。
また、冬の山では保温性の高い登山用の帽子を着用し、寒さ対策をしましょう。夏に使う登山用の帽子でも構いませんが、冬はニットタイプの帽子を選ぶ人が多いようです。
登山用のニット帽は保温性に加えて、吸汗速乾性が高いものや汗をかいても帽子の中が蒸れにくいものもあるため快適に登山ができるでしょう。
頭をカバーできる
登山中には、予期せぬ場所に伸びていた木の枝が当たったり、落石があったり、足場が悪く転倒したりすることがあります。
そのようなアクシデントから頭をカバーするために帽子をかぶるようにしましょう。
登山用の帽子の種類
登山用の帽子には大きく分けて3つの種類があります。ここからは、それぞれの特徴について紹介します。
キャップ型
前方にツバがある登山用のキャップは、視界を遮る範囲が少なく、首が動かしやすいという特徴があります。
耳や首の後ろ部分にはツバが付いていませんが、レインウェアやフード付きのアウターを着たときに帽子の上からフードをかぶることができるため、帽子で前方からの紫外線を遮り、側面や背面はフードで対策することが可能です。
また、帽子の上からフードをかぶれるという点では、雨が降ってきた際にも便利だと言えます。
登山用キャップはアジャスター付きでサイズ調整できるものも多く、頭にしっかりとフィットさせることもできます。デザイン性が高くおしゃれなアイテムが多いため、普段使いとしても活用しやすいでしょう。
ハット型
360度ぐるりとツバがある登山用のハットは、顔だけでなく耳や首の後ろまで覆えるため、よりしっかりと紫外線対策ができます。
しかし、全体にツバがあることによって風の影響は受けやすいので、飛ばされないようにあごひもが付いたものを選びましょう。
また、帽子全体が柔らかい素材で作られたものが多く、コンパクトに畳んで持ち運べるため、外しても荷物になりにくいのも魅力と言えます。
裏起毛になっているものなら、寒い山での防寒対策にもおすすめです。
ニット帽
登山用のニット帽は、フリース素材やウール素材など保温性に優れたものが多く、上からフードもかぶりやすいため、冬の防寒対策に適しています。
また、キャップやハットよりも厚みがあるので、ほかの帽子と比べてより頭をカバーしてくれるでしょう。
ただし、ニット帽にはツバがないタイプが多いため、日焼け止めなどでしっかりと紫外線対策をすることが大切です。
ニット帽タイプは登山に限らず、ほかのアウトドアやレジャー、タウンユースなど幅広いシーンで活躍します。
ファッションアイテムとしてのニット帽は、見た目を重視して浅くかぶることが多いかもしれませんが、登山の場合は耳まで覆って深くかぶるようにしましょう。
登山用の帽子に必要な機能性とは
ファッションではなく頭をカバーするためにかぶる登山用の帽子は、快適に登山をするための機能性が備わっているかが重要なポイントとなります。
ここからは、登山用の帽子を選ぶときに注目すべき機能性について紹介します。
吸汗速乾性
帽子をかぶって直接頭に日差しが当たらないようにしていても、夏の暑い時期の登山では、やはり帽子の中にも汗をかきます。
汗で不快に感じたり、帽子自体が汗で重くなったりしてしまっては、登山に集中しにくくなりパフォーマンスも落ちてしまいます。
そのため、汗をかいても乾かしてくれる吸汗速乾性は重要な機能性です。
また、吸汗速乾性が高いものであれば、急な雨に降られて帽子が濡れてしまっても乾きやすいため、体が冷えてしまうのも軽減できます。
保温性
冬の寒い時期の登山でかぶる帽子には保温性が必須です。熱を逃がさず頭をカバーしてくれるよう、フリース素材や起毛素材を選ぶと良いでしょう。
また、保温性が高い帽子はずっとかぶっていると蒸れてしまう可能性があるため、通気性や蒸気が水滴になる前に水分を外に逃がす透湿性も注目したいポイントです。
はっ水性
山の天気は変わりやすく、急に雨に降られることもあります。少しの雨なら帽子だけで対応できるよう、はっ水性が備わっているかどうかもチェックしておきましょう。
ナイロン素材やポリエステル素材の帽子には、はっ水性が備わっているものが多いほか、防水性の高い帽子を選びたい場合は、ゴアテックス素材もおすすめです。
ゴアテックスは防風性も高く、さらに軽量な素材であるため、普段帽子をかぶらない人でも不快に感じにくいでしょう。
UVカット機能
先ほども紹介したように、山は標高が1,000m高くなると10%ほど紫外線量が増えると言われているため、UVカット機能付きの帽子をかぶってしっかりと対策を行いましょう。
ツバが大きいハットタイプや、後頭部にサンシェード(日除け布)が付いたタイプなら、頭や顔だけではなく、首までしっかりとカバーしてくれます。
サンシェードを取り外せるタイプや内側に収納できるタイプもあるので、紫外線量に応じて使い分けるのもおすすめです。
収納性
登山中のみ帽子をかぶり、行き帰りはリュックにしまっておきたいという人もいるでしょう。そのような人は、持ち運びしやすいようコンパクトに作られている帽子がおすすめです。
なかには、ポケットに入れて持ち運べるほどコンパクトになり、さらに型崩れしない作りになっているものもあります。
あごひも
標高の高い山では強い風が吹きやすいため、登山用の帽子はあごひもが付いたものだと便利です。
ひもの長さ調節ができるアジャスターコード付きのタイプや、万が一のときに首が絞まらないようセーフティーロックシステムが採用されたタイプなど、機能性もチェックしながら選びましょう。
登山用の帽子選びには人気ブランドをチェック
登山用の帽子は数え切れないほどのラインナップがあるため、機能性を見るだけでは決められないという人もいるかもしれません。
そんなときには、人気ブランドの帽子をチェックするのもおすすめです。ここからは、登山用の帽子選びにおすすめのブランドを紹介します。
DESCENTE(デサント)

デサントは日本生まれのスポーツブランドで、機能性の高さからスポーツ初心者からプロのアスリートまで幅広い人から愛されています。
そんなデサントはスポーツ用の帽子だけでなく、はっ水性や抗菌防臭機能、ストレッチ性などの機能性が備わったカジュアルな帽子も展開しているので、アウトドアにも取り入れやすいでしょう。
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登山用の帽子は機能性の高いものを用意しておこう!
登山用の帽子には、紫外線対策や暑さ・寒さ対策、落石などから頭をカバーするといった役割を持っています。
吸汗速乾性やはっ水性、保温性、透湿性、通気性など快適に過ごせる機能性に注目しながら選ぶようにしましょう。
また、デザイン性にもこだわって選びたいという人は、登山にも使える帽子を展開する人気ブランドもぜひチェックしてみてください。