山小屋のない場所でも登山テントがあれば、泊りがけで登山を楽しむことができます。登山テントとは一般的なキャンプ用テントとは異なるもので、登山に適したさまざまな機能が備わっています。
そこで今回は、登山テントの特徴や選び方について紹介します。
登山テントの種類・特徴について
まずは、登山テントの特徴や種類を紹介します。
登山テントの特徴
山で使う登山テントは、キャンプなどで使う一般的なテントと比べて高さが低くなっているのが特徴です。
これは、山の厳しい気象条件下でも強風の影響を受けにくくすることが目的ですが、さらに登山テントはリュックに入れて持ち運ばなければならないため、できるだけコンパクトな形状にすることで、軽量化するという目的もあります。
また、登山テントは雨や雪の浸入を軽減するために防水性やはっ水性の高い素材が使われていており、かつ耐久性に優れたものが多いのも特徴です。
登山テントの種類
登山テントの種類としては、主に、シングルウォールテント・ダブルウォールテント・自立式テントの3つがあります。
シングルウォールテント
シングルウォールテントとは、はっ水性または防水性・透湿性の高い素材が使われ、1枚布で作られたテントのことを言います。
設営がしやすいため、テントの設営が苦手な人におすすめです。よりコンパクトに収納できるのも嬉しいポイントですが、気温や天候によっては結露しやすいので注意しましょう。
ダブルウォールテント
ダブルウォールテントは、テント本体であるインナーと外側のアウターによる2重構造になったテントのことです。
インナーとなるテント本体の防水性はそれほど高くありませんが、外側のフライシートに防水性の高い素材が使われており、インナーとの隙間から蒸気を逃すこともできるので結露しにくいのが特徴です。
また、前室と呼ばれるスペースがあり、そのスペースに脱いだ靴やちょっとした荷物を置いておくこともできます。
自立式テント
自立式テントは、岩場が多くペグが差し込みにくい高山などでの利用に適しています。
一般的なテントはペグを地面に刺して立たせる必要性がありますが、自立式テントはポールを通すだけでテントの形になり、設営がしやすいという特徴もあります。
登山テントの選び方
続いては、登山テントの選び方を紹介します。実際に使用するシーンをイメージしながら、以下のポイントに注目して選びましょう。
収容人数で選ぶ
登山テントは何人で使用するのかによって、適したサイズが異なります。
また、5~6人以上の大人数で登山に行く場合でも、大きい登山テントを1人が持つよりも、2~3人用の登山テントを複数人で持っていくほうが、重い荷物を分けることができて合理的です。
種類で選ぶ
登山テントにはさまざまな種類があるため、まずはシングルウォールとダブルウォール、どちらにするかを考えましょう。
初心者の場合は、設営が簡単な自立式テントのなかから、防水性が高くテント内でも快適に過ごしやすいダブルウォールテントを選ぶのがおすすめです。
季節に合わせて選ぶ
登山テントは、基本的に春夏秋の3シーズン使用できるタイプが多いです。
夏に登山をする人は、メッシュ素材など通気性の高い素材が使われたテントや、防虫ネット付きのテントを選ぶのも良いでしょう。
冬の登山でテント泊をする場合は、「雪山用テント」として販売されているものを選びましょう。
登山でテント泊する際にそろえておきたいウェアや小物は?
登山でテント泊をする場合、テントだけでなく、ウェア選びやアイテム選びも重要です。
ここからは、登山のテント泊でそろえておきたいウェアやアイテムを紹介します。山の天候は変わりやすいため、備えは万全にしておきましょう。
寝袋(シュラフ)
登山のテント泊の必須アイテムと言えるのが寝袋です。
寝袋には化繊素材のものとダウン素材のものがありますが、化繊素材の寝袋には、雨や雪に濡れてもメンテナンスがしやすいという特徴があります。初心者にとって、メンテナンスが簡単なのは大きなメリットになるでしょう。
ただし、大きくて重いというデメリットもあり、荷物がかさばってしまうため、できるだけ荷物を軽くコンパクトにしたい場合は避けたほうが良いです。
ダウン素材の寝袋は、保温性と軽量性が高いという特徴があります。一方で、濡れてしまうと保温力が低下し、また乾かすのが難しいというデメリットもあります。
登山のテント泊では、テント内が結露してしまうと寝袋が濡れてしまうことがあるため、寝袋と合わせてシュラフカバーも用意すると良いでしょう。
テントマット
一晩テントで過ごすなら、できるだけ地面を平らにしておきたいものです。テントマットを敷いておけば、クッションの役割を果たしてくれるため、寝心地が良くなります。
また、地面からの冷えを軽減するというメリットもあります。
ヘッドライト
登山のテント泊では、暗い山の中で夜を過ごすことになるため、ライトの用意が必要です。ヘッドライトがあれば、テント内だけでなく移動中も明るく照らすことができ、かつ両手をふさがないというメリットがあります。
テント内を明るくしたいという人はキャンプ用品として販売されているLEDランタンを用意すると良いですが、かさばって荷物にならないよう、コンパクトなタイプを選びましょう。
レインウェア
登山にレインウェアは必須アイテムです。荷物が多くなりがちなテント泊をする場合は、セパレートタイプのレインウェアを選び、レインウェアの上着をアウターとして着用すると荷物の量を減らすことができます。
登山靴
テント泊をする登山の場合、険しい山道を長時間歩くことになる場合も多いため、足への負担を軽減してくれる登山靴は必須アイテムと言えます。
登山靴は種類によってカットの高さやソールの硬さに違いがありますが、ソールが硬くハードな登山にも適したマウンテニアリングシューズを選ぶのがおすすめです。
登山リュック
テント泊に必要なアイテムを持ち運ぶバッグは、50L以上の容量があるものを選ぶのがおすすめです。軽量性はもちろん、はっ水性の高いバッグを選ぶと急な雨にも対応できるでしょう。
テント泊をするなら登山テントと必要なアイテムをチェックしておこう!
登山テントにはシングルウォールやダブルウォールなどの種類があり、一般的なキャンプ用テントとは異なる特徴があります。
登山は一般的なキャンプよりも足場が悪かったり、天候が変わりやすかったりするため、テントだけでなくウェアや小物についても、登山に適したものをそろえるようにしましょう。