水がダイエットに良いって本当?効果的なやり方、注意点を解説【医師監修】

水がダイエットに良いって本当?効果的なやり方、注意点を解説【医師監修】

  • 2023/08/09 (水)

ダイエットにはさまざまな方法があるなかで「水をたくさん飲むと良い」と言われることが多いですが、実際本当に効果的なのか気になるものです。

そこでこの記事では、医師監修のもと、水ダイエットの効果的なやり方や注意点、効果が出るまでの期間を解説します。

水にダイエット効果はある?

水にダイエット効果はある?

一般的に、水を飲むことはダイエットに効果的だと言われています。

しかし、水そのものに「飲むだけで痩せる」「体重が減る」「脂肪が燃焼される」などのダイエット効果があるわけではありません。

人間の体の約60%は水でできています。体内の水は、栄養や酸素を血液中に溶かして全身に運び、老廃物や不要な物質を汗や尿として体外に排出する役割を担っています。

この水分循環がスムーズになると新陳代謝が活発になり、以下のようなダイエットに良い効果が期待できるのです。

血流が良くなる

体内の水分が不足すると血液中の水分も不足します。血液の約80%は水分なので、水分が不足すると血流が滞り、いわゆるドロドロ血液になってしまうのです。

水を飲んで血液の水分不足が解消されると血流も良くなります。栄養や酸素をスムーズに運べるようになり、老廃物もしっかりと排出できるようになれば代謝がアップします。

代謝がアップすると同じ運動量でも効率良く脂肪燃焼やカロリー消費ができるようになるため、ダイエットに効果的なのです。

ほかにも、むくみが取れて見た目がすっきりしたり、肌の新陳代謝であるターンオーバーが正常に整ったりなど、美容面でも良い効果が期待できるでしょう。

排便がスムーズになる

水分が足りないと便は硬く、便秘になってしまいます。水をしっかりとることで便が柔らかくなるため、排便がスムーズになり、腸内環境が整います。

腸内環境が整うと、必要な栄養素だけを効率良く吸収できるようになり、いつまでも腸内に食べ物がたまっているということがなくなるため、痩せやすい体につながるのです。

食べすぎ防止

食事の前や空腹時に水を飲むと胃が膨れるため、満腹感が得られやすくなります。

その後の食事では自然と食べる量が減るので、ダイエットの大敵である食べすぎを防げるのもメリットの一つです。

水にはカロリーがないので、食事の前に飲んでも太る心配はありません。よりしっかりと満腹感を得たい場合は、炭酸水を飲むのも良いでしょう。

適切な水のとり方

適切な水のとり方

水を飲むのは大切と耳にすることもあるかもしれませんが、まずは適切な水のとり方について把握しておきましょう。

1日に飲む水の量

厚生労働省の「健康のため水を飲もう」推進運動としては、1日1.2Lの水を飲むことを推奨しています。

なぜ1.2Lなのかというと、成人の1日の水分排出量は尿や便で1.6L、呼吸や汗で0.9L、合計2.5Lとされており、食事から摂取できる水分量は1日1.0L、体内でつくられる水の量は0.3Lなので、失った2.5Lの水分を補うのに必要な量が1.2Lだからです。

1.2Lの水を飲むと考えると大変そうにも思えますが、コップ1杯を約200mlとすると、1日6杯の水を飲めば良いことになるのでそれほど難しい量ではないでしょう。

また、水は飲めば飲むほど良いというわけではありません。水の飲みすぎによる代表的な弊害が「水中毒」です。

水中毒は、1日に10Lを超える水を飲むなど、水分を大量に摂取することで起こり得る中毒症状で、体内の血液が希釈されてナトリウム濃度が低くなり、頭痛や嘔吐、けいれんなどの症状を引き起こすことがあります。

よって、日頃飲む水の量は、1日1.2〜2.0L程度を目安にすると良いでしょう。

水の飲み方

水を飲むときには、飲むタイミングや一度に飲む量なども大切です。以下のポイントを押さえておきましょう。

こまめにゆっくり飲む

大量の水を一気に飲むと体に負担がかかります。コップ1杯の水を1日6回以上、こまめにゆっくり飲むことを意識しましょう。

飲むタイミングを決めて習慣化する

水を飲むタイミングをあらかじめ決めておくと、飲み忘れを防ぐことができます。

水を飲むおすすめのタイミングは、以下の通りです。

  • 起床時
  • 各食事の30分前
  • 入浴前
  • 入浴後
  • 就寝前 など
  • ほかにも、水分が不足しやすいスポーツの前後や休憩時、飲酒中、飲酒後などは、意識的に水を飲むようにしましょう。

    水の温度

    水ダイエットで飲む水の温度は、常温(20〜35℃)程度がおすすめです。また、寝る前に飲む水は、60〜80℃程度に温めておくと体が冷えにくくなります。

    スポーツの後など、熱くなった体を冷やしたい場合を除き、冷たい水をたくさん飲むと胃腸に負担がかかるので注意しましょう。

    飲む水の種類

    水ダイエットで飲む水は、水道水でもミネラルウォーターでもどちらでも構いません。

    ミネラルウォーターには硬水と軟水の種類がありますが、飲みやすいと感じるほうを飲むと良いでしょう。甘味料が含まれていないものであれば炭酸水でもOKです。

    水ダイエットの効果的なやり方と注意点

    水ダイエットの効果的なやり方と注意点

    前述の通り、水を飲むことは体にとって大切なことであり、実際に「水ダイエット」と呼ばれるダイエット法も存在します。

    ただし、水ダイエットはただ闇雲に水を飲めば飲むほど痩せるというダイエット法ではありません。

    ダイエット効果のある水の飲み方

    英国バーミンガム大学の研究者が、医学誌「obesity」のなかで12週間1日1.5Lの水を飲むことで約4kg体重が減ったという報告をしています。

    肥満の成人を対象とした実験で、ダイエット効果があった水の飲み方は1日3回、食事30分前に500mlの水を飲むという方法です。

    食事直前のタイミングに一気に水を飲むと食べ物の吸収を妨げることになってしまうため、食事の30分前というのが大切です。

    運動や食事管理も大事

    先ほども紹介したように、水ダイエットは「水を飲めば痩せる」という魔法のようなダイエット方法ではありません。そのため、運動や食事管理も並行する必要があります。

    水を飲んでダイエットにつながったという報告はもとより、水分をとることは人間にとって大切です。水を飲んで代謝がアップすれば、いつも通りの運動でも効率良く脂肪燃焼できるため、痩せやすい体につながります。

    また、代謝がアップして腸内環境が整うと栄養素の吸収効率が高まるため、栄養バランスの良い食事を取って健康的なダイエットを目指しましょう。

    関連記事
    ダイエットには筋トレと有酸素運動が効果的!プロが監修するおすすめメニュー付き

    ぽっこりお腹や二の腕のたるみ、下半身太りなど、体の悩みは人それぞれですが、ダイエットが長続きしないのは共通の悩み。自重トレーニングメソッド「へやトレ」の生みの親で、およそ16,000人以上の個別指導で結果をもたらしたオンラインフィットネス[…]

    ダイエットには筋トレと有酸素運動が効果的!プロが監修するおすすめメニュー付き

    関連記事
    ダイエットを成功させる食事って?管理栄養士が教えるお手軽低カロリーメニューも紹介!

    もう間もなく夏が始まります。冬と比べて肌の露出が増えるため、身体を引き締めてダイエットに取り組もうと考えている人も多いのでは?今回は、管理栄養士の先生に食事の面からダイエットを成功させるポイントをお伺いしました。佐藤樹[…]

    ダイエットを成功させる食事って?栄養管理士が教えるお手軽低カロリーメニューも紹介!

    水ダイエットは1週間で効果が出る?

    水ダイエットは1週間で効果が出る?

    水をしっかりとることで血流が促進されて代謝を高めたり、食欲を抑えてくれたりなど、ダイエットにも良い効果が期待できることが分かりました。

    しかし、1週間で劇的に体重が減ったり、見た目が変化するということは考えにくいでしょう。

    もちろん、「むくみが気にならなくなった」「食べる量が減った」「便秘が解消された」など、1週間で一定の効果を実感する人もいるかもしれませんが、一般的には1ヶ月以上継続することで効果を実感することができるかもしれません。

    まずは、水を飲む習慣を身に付けて継続することが大切です。

    水ダイエットを習慣化して健康的に痩せよう

    水ダイエットを習慣化して健康的に痩せよう

    体内の約60%を占める水は、健康や生命の維持に欠かせないものです。

    十分な水分量を摂取できれば、体内の血流が良くなったり、老廃物や便の排出がスムーズになったりするため、ダイエットにも良い効果が期待できるでしょう。

    ただし、水自体にダイエット効果があるわけではありません。

    今回紹介した水ダイエットの効果的なやり方や注意点も参考に、1日1.2〜2.0L(約200mlのコップ6〜10杯分)の水を飲む習慣を身に付けて、健康的に痩せることを意識するようにしましょう。

    トレーニングについて詳しくはこちら

    <監修>

    木村眞樹子さんのプロフィール画像

    医師・木村眞樹子

    東京女子医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院循環器内科入局。現在も東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、嘱託産業医として企業の健康経営にも携わっている。

    WRITER
    この記事を書いた人
    ABOUT ULLR MAG.
    ULLR MAG.(ウルマグ)とは?

    ULLR MAG.(ウルマグ)は、「カラダから心をデザインする、ライフスタイルマガジン」です。
    身体を動かすと気分が良い、夢中になれる趣味やスポーツがある、おしゃれをすると心が弾む。
    暮らしの中で大切にしたい瞬間は誰にでもあります。

    私たちはそんな日々のちょっとした喜びを、
    一人でも多くの人へ届けたいと考えています。