ソフトボールと野球の違いとは?ルールや用具、投げ方の違いを解説

ソフトボールと野球の違いとは?ルールや用具、投げ方の違いを解説

  • 2023/03/07 (火)
  • 2023/03/07 (火)

ソフトボールは野球から派生したスポーツですが、ルールや用具、投げ方などに違いがあります。それぞれの違いを知ることで、より一層深く楽しめるようになるでしょう。

この記事では、ソフトボールと野球の違いについて詳しく解説します。

ソフトボールと野球の違い【基本ルール編】

ソフトボールと野球の違い【基本ルール編】

ソフトボールと野球では、試合をするうえでの基本的なルールに違いがあります。
まずは、具体的に異なる点について紹介します。

1チームの人数

ソフトボールの1チーム当たりの人数は、野球と同じ9人です。ただし、指名選手の扱い方が異なります。

野球の場合、指名選手を使用するときはDH制(指名打者制)が採用され、1チームの人数は10人となります。ただし、DH制は「投手に代わって打つ打者」なので、守備につくことはできません。

一方、ソフトボールの指名選手はDP制(指名選手制)です。DPは打撃専門のプレイヤーで、どの守備者につけても問題ないというルールになっています。

つまり、ソフトボールではDPの選手は打者として、投手以外の選手にも代わることができるのです。
DP制度を利用する場合は、ソフトボール1チーム当たりの人数は10人となります。

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1試合のイニング数

ソフトボールの1試合のイニング数は、7回までです。7回終了時点で、得点の多いチームが勝利します。野球のイニング数は9回までなので、ソフトボールのほうが短いということになります。

ただし、野球と同じく延長戦の制度があるため、7回終了時点で同点の場合は、8回以降の延長戦に突入します。

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タイブレーカー

ソフトボールの延長戦のルールでは、タイブレーカー(旧称はタイブレーク)制度が採用されています。

タイブレーカーとは、試合の勝敗を早く決定するために、8回以降はノーアウト二塁からスタートするというものです。二塁のランナーは、前回の最後に打撃を完了した選手が務めるのが基本ですが、代走を送ることも可能です。

野球の場合、プロ野球にはタイブレーカー制度はありませんが、国際試合では採用されているケースもあります。

離塁アウト

ソフトボールで打者や走者がアウトになる場面は、基本的に野球と同じです。ただし、ソフトボール独自のルールとして「離塁アウト」があります。

ソフトボールでは、投手がボールを投げる際に手からボールが離れるまで、走者は塁を離れることができません。

そのため、いわゆる「盗塁のためのリード」がルール上認められていないため、野球のように「投手の投球モーションを盗んで盗塁に成功する」ということはありません。

仮に投手がボールを投げる前に塁を離れてしまうと、アウトになります。

故意四球

ソフトボールでは、打者との勝負を避けるために、敬遠の四球で一塁へ歩かせる場面があります。

このような場合、かつてはわざわざ四球投げる必要がありましたが、2013年のルール改正により「故意四球」が可能となりました。

故意四球とは、守備側の監督・投手・捕手のいずれかが、球審に通告することで、1球も投げることなく一塁へ歩かせることができるというルールです。

故意四球は、2018年にはプロ野球で、2020年には高校野球でも、「申告敬遠」という同一のルールが導入されています。

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ソフトボールと野球の違い【競技場編】

ソフトボールと野球の違い【競技場編】

ソフトボールと野球では、競技場の広さやベースにも違いがあります。
ここでは、それぞれの競技場やベースの違うポイントについて、紹介します。

投手・捕手間の距離

ソフトボールの競技場において投手と捕手間の距離は、男子が14.02m、女子が13.11mです。
野球は18.44mなので、5mほど短くなっています。

各塁間の距離

ソフトボールの場合、競技場に配置される各塁間の距離は、18.29mです。
野球は27.43mなので、ソフトボールのほうが10mほど短くなっています。

外野フェンスまでの距離

ソフトボールの外野フェンスまでの距離は、男子が76.20m以上、女子が67.06m以上です。
野球は76.199m以上なので、女子の場合は10mほど差があります。

ダブルベース

野球では一塁に白色のベースが1つ設置されていますが、ソフトボールでは色が異なる2つのベース(ダブルベース)が設置されています。

ダブルベースは、野球よりも塁間の距離が短いソフトボールにおいて、一塁でのクロスプレー時に接触しやすいことから、打者走者と守備者の衝突を回避するために採用されたものです。

ダブルベースの大きさは38.1×76.2cmで、色は白とオレンジとなっています。

打者走者となる選手は原則オレンジベースを使い、守備者となる選手は白色ベースを使うことで、接触を回避できるという仕組みです。

ソフトボールと野球の違い【用具編】

ソフトボールと野球の違い【用具編】

ここまでは基本ルールや競技場に関する違いをチェックしましたが、試合で使う用具にも違うポイントがあります。

続いては、ソフトボールと野球で使用する用具の違いについて説明します。

ボールのサイズ・色

ソフトボールで使用するボールのサイズは、3号球です。円周30.2~30.8cm、重さ177.5~198.8gとなっています。

一方で、野球に使用される硬式球は、円周22.9〜23.5cm、重さは141.7〜148.8gです。ソフトボールのほうが、サイズ・重さともに上回っています。

また、野球のボールは白ですが、ソフトボールの色は2002年の国際大会から、黄色に赤ステッチが入ったイエローボールが採用されています。

バットの長さ・太さ

ソフトボールのバットの長さは86.4cm以内、重さは1,077g以内という規定があります。そして、バットの太い部分の直径は5.7cm以内で、材質は金属バットが主流です。

野球のバットについては、長さ106.7cm以下、太い部分の直径6.6cm以下が規定となっています。アマチュア野球では金属バット、プロ野球では木製バットが主流です。

グローブ

野球よりも大きなボールを扱うソフトボールのグローブは、ポケットが深く大きくなっているのが特徴です。

野球用グローブが使えないわけではありませんが、捕球したときの安定感に違いがあるため、ソフトボール専用のグローブを使用しましょう。

ソフトボールと野球の違い【投げ方編】

ソフトボールと野球の違い【投げ方編】

ソフトボールと野球では、投げ方にも違いがあります。例えば、ソフトボールでは下手投げに限られていますが、これは野球のアンダースローとは異なるものです。

ソフトボールの投げ方には、腕を大きく1回転させて遠心力によって投げる「ウインドミル」と、時計の振り子のように腕を下から振り上げて前方にボールを投げる「スリングショット」があります。

ウインドミルはスピードが出やすく、スリングショットはコントロールしやすいという違いがあります。

また、速い球を投げるのが禁じられている学校体育ソフトボール(小学校高学年・中学生対象)では、腕を1回転させることが禁止となっています。

そのため、肩を軸にして振り子のように腕を振り、1歩踏み出して投球するスタンダード投法が採用されており、打者が打ちやすい山なりにボールを投げることが特徴です。

ソフトボールと野球の違いが分かるとより一層楽しめる!

ソフトボールと野球の違いが分かるとより一層楽しめる!

ソフトボールは野球とよく似たスポーツで、基本的なルールは野球と変わりませんが、野球にはない独自ルールも存在しています。

また、ソフトボールと野球では試合をする競技場や使用する用具、投球の方法などにも違ったポイントがあるので、そこにも注目してみてください。

ソフトボールと野球の違いをしっかり理解して、試合をより一層楽しみましょう。

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