髪の毛も日焼けする!?夏の紫外線対策は肌だけじゃなく髪も大事!

髪の毛も日焼けする!?夏の紫外線対策は肌だけじゃなく髪も大事!

  • 2023/05/31 (水)

夏の強い日差しを浴びると、肌と同様に髪の毛も日焼けしてしまいます。パサパサ髪や色抜けも紫外線ダメージが原因。

そんな紫外線による髪・頭皮への影響から、おすすめの紫外線対策まで、ヘアメイクアーティストの小楠知恵さんに教えていただきました。

本格的な夏が来る前から、ぜひ髪の毛のUVケアを始めましょう!

 

<プロフィール>

小楠知恵氏のプロフィール画像

ヘアメイクアーティスト
小楠知恵さん

ヘアサロンでの勤務を経てフリーランスに転向。英ロンドンにてSANRIZZ EDUCATION、米ニューヨークにてSylvia PichlerのもとHigh Fashion Trendsに参加。現在、広告やカタログなど数多くの撮影でヘアメイクを担当。また、東京・恵比寿のシェアサロンにて美容師として従事するなど、その活動は多岐にわたる。

https://chieogusu.com/

紫外線による髪への影響とは?

キューティクルが整ったきれいな髪の女性

――まず髪の毛の紫外線ダメージについて、どのような影響があるのか教えてください。

小楠:髪の毛は紫外線を浴びると、髪表面のキューティクルが剥がれていくので、そこから栄養や水分が出ていってしまいます。その結果、髪の毛が傷み、ヘアカラーの退色やパーマのダウンにつながります。

また、頭皮に関しては顔と同じでシワやシミ、たるみの原因に。頭皮がたるむと顔もたるんでしまうので、頭皮の紫外線ダメージには注意が必要です。

――紫外線は薄毛の原因とも言われますが、それは頭皮が乾燥するからでしょうか?

小楠:紫外線によるダメージは薄毛の原因になりますが、それは乾燥が理由ではありません。先ほど話したように、頭皮のシミ・シワ・たるみ=エイジングによって引き起こされます。

エイジングが進んだ頭皮からは良質な毛髪が生えてきません。髪の毛が細くなりボリュームダウンしてしまい、また抜けやすくもなるため薄毛につながります。

――髪の毛が傷むだけでなく、ボリュームダウンも……。やっぱり紫外線対策はしたほうが良いのですね。

髪の毛が傷むメカニズムについて解説する小楠氏

小楠:多くの日本人の髪の毛は、もともと黒いですよね。これはメラニン色素が黒色だから黒く生えてくるんです。このメラニン色素が紫外線を浴びて壊れるのを防ぐことが大事です。

髪の毛1本1本の中にケラチンなどの栄養分が入っていて、そのまわりを繊維状の栄養分CMC※、さらにその周囲にうろこ状のキューティクルがあります。

この髪の毛の構造はよく海苔巻きで例えられるのですが、海苔巻きの具がケラチンなどの芯の栄養分で、ごはんがそれらを守る栄養分、そして海苔がキューティクルです。

※CMCとは髪を構成する成分の一つで、主に脂質とたんぱく質でできている。

キューティクルの表面には18-メチルエイコサン酸という脂質成分があり、この成分が頭皮から出た皮脂を毛先まで運んでくれています。キューティクルが紫外線ダメージによって剥がれ落ちると、この働きが機能せず、髪の毛がパサパサになってしまうので紫外線対策は必須です。

髪の毛を紫外線から守る方法とは?

日差しが強い空の画像

――では、髪の毛の紫外線ダメージを軽減するためには、どのようなことをすれば良いのでしょうか?

小楠:キューティクルは一度剥がれてしまうと、次の毛が生えてくるまで永遠に復活しません。このキューティクルの代わりとなるのがヘアオイルです。

そのため、まずはヘアオイルをつけることが一番大事かなと思います。

――ヘアオイルは髪の毛がパサパサになった後ではなく、紫外線対策としてもつけたほうが良いのでしょうか?

小楠:それはもちろん、つけたほうが良いですね。ヘアオイルをつけることで髪の表面に膜ができます。髪の毛がコーティングされるのでガードが強化され、摩擦などのダメージからも守ってくれる効果があるので、つけて損はありません。

ヘアオイルにも若干のUVカット効果はありますが、気になる人はUVカット成分が入ったヘアオイルを使うのも良いと思います。

また、クセ毛の人は水分を吸うとクセが出やすいので、そういった意味でもヘアオイルはおすすめ。ヘアオイルをつけてから髪を乾かすと、空気中の水分を吸いにくくなり、クセが出にくくなるんです。

つけたままでも構いませんが、ドライヤーで熱を当てるとより髪になじみます。

ヘアオイルの重要性について話す小楠氏

小楠:ヘアオイルのほか、1日中ずっと外にいる場合は、UVカット専用のヘアクリームがおすすめです。ウォータープルーフタイプもあるので、海に行くときはそちらを使うと良いでしょう。

また、頭皮も守りたいので、できるだけ帽子をかぶるようにしてください。もし帽子をかぶらない場合は、なるべく髪に分け目をつけないようにします。

この分け目部分が日焼けするので、ノーパート(分け目をつけない)のヘアスタイルにしたり、お団子にして頭皮が見えないようにしたりするのがおすすめです。お団子にすると髪の毛がクルクルと中に入るので、毛先は紫外線を浴びにくくなります。

――髪の毛の根元部分に紫外線が当たらないようにすることが重要なのですね。

小楠:長時間外にいる場合はそうですね。スプレータイプの日焼け止めも良いのですが、地肌につけすぎるのもどうかと思うので、やはり髪や頭皮の紫外線対策としては帽子をかぶるのがおすすめです。

あとは日傘もあると心強いですし、もちろん顔にも日焼け止めクリームを塗ってください。

知っておきたい紫外線対策の注意点

――紫外線対策として一番簡単なケアが帽子をかぶること。そしてヘアオイルをつけて、さらにUVカットのヘアクリームを塗ると良いのでしょうか?

小楠:キャンプやフェスなど1日中ずっと外にいる場合は、それくらいやったほうが良いかもしれません。

UVカットのヘアクリームは、はっきり言って保湿効果が弱いので、紫外線対策も保湿もしたいならヘアオイルとの併用がおすすめです。海に行くときはウォータープルーフのものを選ぶことも大事ですね。

また、UVカットのヘアクリームは、塗り始めてから8時間や10時間までといったUVカット時間があるので注意してください。塗ったら髪を洗うまで効果があるわけではないので、必ず出かける直前につけましょう。

キャンプ場にテントが建っている画像

――帽子を1日中かぶっていると汗で蒸れると思いますが、それは大丈夫でしょうか?

小楠:蒸れたままは良くないので、屋内に入ったらこまめに脱ぐことが大事です。蒸れた洗濯物は細菌が発生して臭いが気になりますが、頭も蒸れると同じことが起こります。

そのため帽子は生地が柔らかいバケットハットなど、小さいバッグにもコンパクトに収納できるものがおすすめです。私はそういった帽子を丸めてバッグに入れて持ち歩いています。

特に帽子に慣れていない人は1日中かぶっていると結構ストレスを感じると思うので、汗で蒸れてきたら一旦脱いで、外に出るときにまたかぶるのが良いのではないでしょうか。

紫外線ダメージを受けた後のケアも大事

――髪の毛の紫外線対策はいつ頃から始めるのが良いのでしょうか?

小楠:日差しが強くなる5月から気を付けたほうが良いですね。できれば11~1月以外はやったほうが良いですし、顔の紫外線対策は1年中が良いって言いますよね。

8月に髪を切りに来られる方はほぼパサパサです。明るいカラーをされていた方はほぼ金髪に。8月はまだレジャーシーズンなので多くの方が9月になってから来店されるのですが、そうなるともう皆さん髪の毛がパサパサです。

――では紫外線ダメージを受けた後は、どういったケアをすれば良いのでしょうか?

小楠:ケア方法としては、ヘアトリートメントで保湿するのが一番ですね。

あと今は、紫外線を浴びてしまった後のダメージを柔らかくするシャンプーもあるので、紫外線を浴びて髪のパサつきを感じた日にはそのようなアイテムを使うのも良いかもしれません。

とはいえ基本的には、紫外線を浴びた日はしっかり髪を洗うことが一番ですね、汗もかいているはずなので。しっかり洗って、汚い油分を落として、その後に育毛剤や顔に使っている化粧水などで、頭皮の保湿をしっかりすることが大事です。

あと夏の終わり頃には、シャンプーで落ちない毛穴に詰まった皮脂などを溶かして浮かせるヘッドスパを、美容室で1回やっておくのもおすすめですね。

髪の毛と頭皮のケアについて解説する小楠氏

――髪がパサパサになったら、やはり保湿が大事なのですね。

小楠:そうですね。でも毛先が傷んでいる場合などは、できれば早めに切ることをおすすめします。

毛先のダメージから、だいたい上8cmくらいまではもうダメージを受けていると言われていて、そのままにしておくともっと上までダメージが広がってしまいます。

――パサパサになった毛先を放っておくと、どんどん上までパサパサになるのですか!?

小楠:そうです、ダメージがどんどん上がってくるんです。

例えば枝毛は、枝毛部分を切っただけではまた数週間後に枝毛ができてしまいます。枝毛の上8cmほどは枝毛予備軍なので、早めに切ったほうが良いですね。

――紫外線対策も大事ですが、その後のケアも重要ですね。

小楠:なので、まずは帽子とヘアオイルでしっかり紫外線対策をして、ダメージを最小限に抑えてください。そして外出後はよく髪を洗って保湿することが重要です。

紫外線対策にはUVカットの帽子がおすすめ

今回はヘアメイクアーティストの小楠知恵さんに、髪の毛の紫外線対策を教えていただきました。まずは帽子をコーディネートに取り入れて紫外線ダメージを防ぎ、夏のお出かけを楽しみたいですね。

ルコックスポルティフでは、UVカット機能を搭載した帽子をラインナップ。人気のバケットハットや使い勝手の良いキャップを展開しているので、ぜひ一度チェックしてみてください。

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