いつの間にか、たるんだ二の腕……。夏が来る前になんとかしたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、健康的で引き締まった二の腕をつくるために、自宅で簡単にできるエクササイズをご紹介。
ピラティスインストラクターとして活動する、モデル兼フィットネストレーナーの岩崎志保さんに教えていただきました。
半袖を着る季節に向け、今から二の腕痩せに効果的なトレーニングを始めてすっきり二の腕を目指しましょう!
モデル兼フィットネストレーナー
岩崎志保さん
ピラティス・ランニング・ヨガ・ファンクショナルトレーニング・コンディショニングなどさまざまな指導経歴を持つフィットネストレーナー。現在は「PILATES STUDIO SECRET」にて、ピラティスインストラクターとしてマシンピラティスパーソナルレッスンを行う。トレーナーとしてイベントやメディアなどに出演するほか、モデルとしても活躍中。「幼少期からバレエや水泳に取り組み、ピラティスに出会い、心も体もニュートラルであることの大切さを知りました。“頑張る”のではなく“楽しく”自分を知るライフスタイルを心掛けています。」
姿勢を改善すると二の腕が痩せる!?
――二の腕が太くなる原因を教えてください。
岩崎:あくまでも個人的な見解ですが、二の腕をコンプレックスに感じている方は、姿勢が悪くなっている場合が多いのではないかと思います。
体を横から見たときに、猫背や内巻き肩だと幅広に見えてしまいます。これが二の腕が太くなった・太く見える原因だと考えられます。
これは背中太りと同じ原因です。猫背や内巻き肩などの影響によって肩関節・肩甲骨などを支える筋バランスが崩れることで、背中が丸みを帯びて太ったと感じる場合があります。
そのため、骨を正しい位置に導き、姿勢を改善することで二の腕痩せ・背中痩せにつながります。
――二の腕痩せに効果的なトレーニングを教えてください。
岩崎:先ほど話したように、姿勢改善により二の腕がきれいに見えるようになります。骨が正しい位置に戻ると筋肉のバランスが良くなるため、本来使うべき筋肉がしっかり働いてくれます。
二の腕がすっきり見えるだけでなく、背中やお腹まわりにも良い影響が出てくるため、体型が変わったという方も多く見てきました。また、姿勢が改善されると呼吸が深くなり、自律神経を整えられるのもメリットです。
そこで今回は、姿勢改善を目的としたエクササイズを紹介します。腕立て伏せのような筋トレではないので、腕が太く筋肉質になることもありません。自宅で手軽にできるので、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてください。
[二の腕痩せエクササイズ①]二の腕を伸ばすストレッチ
- 仰向けになり、右足を股関節90度、膝90度に曲げる。そのまま右足を体の左側に寝かせ、足が浮かないように左手で膝を押さえる。
- 右手を右方向に真っ直ぐ伸ばし、顔も右を向いて体をひねる。
- この状態でゆっくり5呼吸し、元に戻る。反対側も同様に行う。
「これは特に内巻き肩、デスクワークで肩が凝ると感じている方におすすめなストレッチです。デスクワークは手先を酷使し肩が内に巻きがちになります。
手の平を上に向けることでさらに肩が開きやすくなります。日常生活で手の平を上に向ける動作はなかなかないので、内巻き肩を解消するにはストレッチが効果的です。
このストレッチで腕を伸ばすと、それだけで手がビリビリする感覚があると思います。これがしっかり伸びている証拠で、シンプルに心地良いと感じるはずです。
ポイントは曲げている足が浮かないこと。足が浮くと肩関節にアプローチできないので、必ず膝を床につけた状態で行ってください。」(岩崎さん)
「そして伸ばした手の指先をグーッと押し出すイメージで。腕は床につける必要はありません。
さらに手首を曲げると、より高い効果が得られます。最初はビリビリするので無理は禁物ですが、慣れてきたらぜひ挑戦してみてください。」(岩崎さん)
[二の腕痩せエクササイズ②]タオルを使ったバックエクステンション
- うつ伏せになり、足を閉じて左右のかかとをつける。タオルを後ろ手に持ち、おでこと胸を床につけて、腕が体と平行になるように後ろに真っ直ぐ伸ばす。
- 肘が曲がらないように気を付けながら、胸から上をつむじから順番に起こす。
- 体を起こした状態でひと呼吸し、元に戻る。これを10回繰り返す。
「これはバックエクステンションという、胸を広げてくれる肩甲骨まわりの筋肉(脊柱起立筋)などを活性化させるピラティスのマットワークを、タオルを使って行うエクササイズです。タオルを使うことで鎖骨が横に長く伸び、二の腕にも効果的です。
体は高く上げる必要はなく、みぞおちより上の背骨を起こすイメージで行います。目線から徐々に上げていき、胸を開くように肩先を広げます。タオルを外側に引っ張りながら、腕を後ろに向かって伸ばすとより効果的です。
腰を反らせたり首を上げすぎたりしないように、腹圧が入っていることが大切です。鼻から息を吸いながら体を起こし、そこでひと呼吸。そして口から息を吐きながら戻ってみましょう。」(岩崎さん)
後ろ手にタオルを持って腕を上下するだけでもOK
腰痛持ちや体を起こすのが苦手な人、もっと手軽に二の腕や肩甲骨にアプローチしたいという人は、後ろ手にタオルを持って腕を上下するだけでも構いません。
先ほどの①の状態で、腕をゆっくり上げ下げするだけでも効果的。タオルを外側に少し引っ張りながら、肘が曲がらないように気を付けて行います。
「バックエクステンションは少し難易度が高いエクササイズなので、腕を後ろ手で上下するだけでもOKです。肩先がしっかり床と並行になっていて、二の腕に効いている感覚が分かると思います。」(岩崎さん)
[二の腕痩せエクササイズ③]二の腕を意識したプッシュアップ
- 四つん這いになり、手を体の少し前につく。重心を前方にかけ、足先を寝かせる。
- お腹を薄く上に引き上げ、股関節を真っ直ぐに。つむじから膝までを一直線にした状態で肘を曲げる。
- 元に戻る。これを6回繰り返す。
「プッシュアップ、いわゆる腕立て伏せの動きを行うエクササイズです。四つん這いになって重心を前方にかけると、この体勢になります。そしてお腹を引き上げて股関節の前部分を伸ばし、膝同士をギュッと閉じて内転筋(太ももの内側の筋肉)にもスイッチを入れるとなお良いです。
ポイントはつむじから膝までを一直線にすること。足先も真っ直ぐにピーンと伸ばしてください。お腹の力が緩むと一直線に保てないので、腹圧を抜かないように気を付けて、内ももを締めておくことも大事です。
ここから脇を締めて、肘を曲げる・伸ばすを繰り返します。肘は深く曲げる必要はなく、少し動かす程度に曲げるだけで十分です。肘の力を少し抜き、前腕で支えるのではなく、肩の下や二の腕で支えるイメージで行います。」(岩崎さん)
慣れるまではもう少し膝を立てた状態でもOK
このプッシュアップは体勢をキープするだけでも大変です。肘の曲げ伸ばしが難しい人は、膝をもう少し立てた状態で行っても構いません。手順や姿勢、エクササイズのコツなどは先述したものと同じです。
「先ほどのプッシュアップも同様なのですが、肘を曲げて真下に沈むのではなく、頭を斜め上に移動させるイメージで行うと良いでしょう。胸が手を超えて前に乗り出す感覚で行うため、体重移動が結構難しいかもしれません。
まずは膝を少し立てた状態で行い、動きを理解したうえで膝を伸ばして挑戦してみてください。肘の曲げ伸ばしは浅くても構わないので、二の腕と肩甲骨を意識してしっかりプッシュすることが大事です。」(岩崎さん)
姿勢を改善して細見えする二の腕を目指そう
今回はフィットネストレーナーの岩崎志保さんに、二の腕痩せに効果的なエクササイズを教えていただきました。いわゆる筋トレとは異なり、姿勢改善にアプローチする動きが特徴です。
姿勢を改善すると二の腕だけでなく、背中もすっきりときれいに見える効果があります。自宅で手軽にできるエクササイズなので、ぜひ日常に取り入れて二の腕痩せを目指しましょう!
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