プロゴルファーが伝授!鈴木 愛プロが教えるバンカー&アプローチの攻略法!

プロゴルファーが伝授!鈴木愛プロが教えるバンカー&アプローチの攻略法!

  • 2023/02/16 (木)
  • 2023/05/22 (月)

2017年、2019年と2度の賞金女王に輝いた鈴木愛プロ。昨シーズンも「大王製紙エリエールレディスオープン」で2位に入るなど、素晴らしい成績で女子プロゴルフ界をけん引しています。

今回は、アマチュアゴルファーが苦手とするグリーンに近いバンカーや、アゴの高いバンカーの脱出方法、加えて地面が固い冬芝のアプローチ&真っ直ぐにアプローチを打つ方法を教えてもらいました。

また実践編として、実際にコースに出たときに気を付けたほうが良いワンポイントアドバイス(バンカー&アプローチ編)を、「リゾートトラストレディス」「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」で優勝し、メルセデスランキング7位に入った小祝さくらプロに教えてもらいました。

トッププロのレッスンを参考にして、悩みを解決しましょう。

※2022年12月20日に開催されたデサントゴルフフェスタ2022(太平洋クラブ・成田コース)にて撮影を行いました。

バンカーはスタンスと左に振り抜く意識!冬芝からのアプローチは素振りでの確認が大切

ビギナーゴルファーには、バンカーが苦手という人が多くいます。

特に、アゴの高いバンカーを1打で脱出できなかったり、距離の短いバンカーでダフったり、トップしてグリーンオーバーしてしまったりなどのミスが多いのではないでしょうか。

それを解消するためのポイントを解説していきます。加えて、寒い時期に地面が固くなってミスが多くなる冬芝のアプローチ方法を、鈴木愛プロに教えてもらいました。

グリーンに近いバンカーは、スタンスを八の字にする

スタンスの取り方を教えている画像

バンカーの基本は、ボールの手前を叩くようなイメージでスイングすることを心掛けることが大切です。

そしてクラブは、必ずサンドウェッジを使用してください。まずグリーンに近いバンカーのときは、飛ばしたくないので、最初にスタンスを広めに取ります。そしてスタンスはスクエアではなく、つま先を「八の字」にします。

ボールの位置は、通常の位置よりボール1つ分、左に置きます。そして、より飛ばしたくなければさらに左側にボールを置きましょう。

「スタンス広め+八の字」「ボール左側に置く」ことを意識して、いつものように打ちます。スタンスを広くすることで下半身が安定しますし、ボールを左に置くということはヘッドの最下点より少し先にあるので、勝手にダフってくれます。

こうすることでクリーンにクラブがボールにヒットすることを防げるので、ボールが飛ばず、短い距離のバンカーも攻略しやすくなります。

また、「ショートをしてバンカーから出なかったらどうしよう」と考えてしまうと、インパクトで強めにガツンとボールに当たったしまいミスにつながってしまいます。

インパクトで終わりではなく、しっかりとフォロースルーを取ることが大切です。

アゴの高いバンカー脱出方法は、左に振り抜くことを意識する

バンカーに線を書いている画像

最初に気を付けてほしいことは、グリップを通常より短く持つということです。短くグリップを持つことで、クラブを振る自由度が増し、コントロールショットが打ちやすくなります。

その次に大切なことは、「左に振り抜くことを意識する」です。ゴルフ練習場にバンカーがあれば、打つ方向を砂に書いてしまうのが有効です(実際のラウンドではペナルティ)。

まずバンカーは、ボールよりも少しだけ手前からフェースを入れるので、ボールよりも少し手前に線を書きます。加えてフォロースルーでは、左にクラブを振り抜くように線を書いて打ってみてください。

そうすることで、左に振り抜くことをイメージしてスイングができるはずです。

フェースの調整の仕方を教えている画像

最後に、アゴの高いバンカーではボールを高く上げないといけないので、フェースを開いてください。ただ、開きすぎるとシャンクが出る可能性があるため、微妙に開く程度で大丈夫です。

フェースが開いて入るので、弾道も高くなりますし、左に振り抜いてもフェースが目標方向を向いているので、ボールが左に飛ぶことはありません。

上記のことをきちんと守れば、1打でアゴの高いバンカーを攻略できる可能性が高くなります。

地面が硬い冬芝は、上から打ちに行くイメージを持つ

地面が硬い冬芝での打ち方を教えている画像

地面が硬い冬の時期のアプローチは、インパクト時にクラブが跳ねやすくトップになることが多いので、まず近くで素振りをすることが大切です。

そのときに、地面が硬いかどうかが分かるので、クラブのはじかれ具合を体感しましょう。

そして地面が硬い場合は、若干上から打ち込んでください。加えてインパクト時には、ボールのギリギリ手前を打つというイメージを持ちましょう。

もし、そのときに手前から入りすぎてダフッたり、地面にはじかれてトップしてしまったりする人は、ボールの右上を叩くイメージを持つとミス防止につながります。

アプローチの方向が定まらない場合は、アドレスと右腰に気を付ける

アプローチの方向調整を教えている画像

近くのアプローチからでもボールが左右に転がっていってしまう人は、2つのポイントに注意しましょう。

1つはアドレスです。アドレスのときに右手をクローズ気味に持ってしまっている人は、下からクラブを握るようにしましょう。

右手を上から持ってしまうとフェースがかぶりやすくなり、左方向にボールが出やすくなります。下から持つようにするとフェースもスクエアになり、狙った方向にボールが行くようになります。

また、ボールが右に行ってしまう人は、クラブを上げていくときに右の腰が動いている可能性があります。

腰が動いてしまうと振り遅れてしまいボールが右に行ってしまうので、クラブを上げるときに、右の腰が右側に動かないように意識しましょう。

練習場などでは、後ろから誰かに右腰を押さえてもらいながらアプローチを練習することをおすすめします。

2つのことに加えて、スイングリズムにも気を付けてください。スイングが早くなってしまうとミスが出やすくなり、距離感も合わなくなります。ゆっくりスイングをすることを心掛けましょう。

小祝さくらプロのワンポイントアドバイス(バンカー編)

グリーンから30ヤード。距離のあるバンカーはライが立っているクラブを使用

距離のあるバンカーでの打ち方を教えている画像

グリーンから30ヤードと距離のあるバンカーで大切なことは、ライ角※が立っているピッチングウェッジなどのクラブを使用し、サンドウェッジと同じように打つことです。

バンカーから出すだけならサンドウェッジで良いのですが、飛距離を出さないといけないのでピッチングウェッジや9番アイアンなどで打つことが重要です。

また、距離を出したいときに注意したいのが、振り幅や砂を取る量です。砂の量を多く取ってしまうと飛ばないですし、振り幅が小さければその分飛ばなくなるので、それをうまく調節することが大切になります。

※ライ角:クラブのソール(底の部分)を地面と平行に置いたときに、シャフトと地面の間にできる角度。

小祝さくらプロのワンポイントアドバイス(アプローチ編)

グリーンエッジからのパター使用は、おすすめしない

グリーンエッジでの打ち方を教えている画像

グリーンエッジからだと大きなミスを避けようと考えてしまい、パターで転がすことを選択してしまっていないでしょうか。

パターを使用することで、ラフにボールの勢いが吸収されてしまい、逆に大きくショートしてしまう可能性があります。

また、芝に負けないように普段よりも強く打とうとすると左に押し出したり、オーバーしすぎてしまったりなど、意外と大きなミスにつながります。

転がしたほうがしっかりと距離も計算できるので、怖がらずにピッチングウェッジなどのクラブで打つ習慣を付けていきましょう。

最初はミスをするかもしれませんが、徐々に慣れていけば必ずコースで強い武器になります。

 

鈴木愛さんのプロフィール画像

鈴木愛(すずき あい)

1994年5月9日生まれ、徳島県出身。11歳から競技を始め、2013年のプロテストに合格。翌2014年は国内メジャー「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」でツアー初優勝。2017年に2勝を挙げて初の賞金女王。2019年は「樋口久子三菱電機レディスゴルフトーナメント」「TOTOジャパンクラシック」「伊藤園レディスゴルフトーナメント」と史上2人目のツアー3連勝を達成するなど、7勝をマークし2度目の賞金女王に輝きました。

 

小祝さくらさんのプロフィール画像

小祝さくら(こいわい さくら)

1998年4月15日生まれ、北海道出身。8歳でゴルフを始め、2017年プロテストに合格。2018年には13試合でトップ10入りして初シードを獲得。2019年の「サマンサタバサガールズコレクション・レディーストーナメント」で初優勝。2020〜21年シーズンは「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」と「CATレディースゴルフトーナメント」で2週連続Vを飾るなど5勝。2022年は「リゾートトラストレディス」「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」で優勝し、メルセデスランキング7位となりました。

 

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