体幹とは、一般的に腕と脚、首から上を除いた胴体部分を指します。近年、体幹トレーニングに取り組むアスリートが増えたこともあり、注目されるようになりました。
もちろん体幹トレーニングはスポーツのパフォーマンスアップにつながるものですが、アスリートだけに必要なものというわけではありません。“安定した体幹”は健康的に日常生活を送るうえでも大切なものです。
アリーナアンバサダーでトレーナーの中村藍さんも「体幹は体の土台のようなもの。生涯にわたって体を動かし続けられるようにするためにも、体幹の強さは重要です」と言います。
体幹を鍛えれば、それに伴い姿勢が良くなります。姿勢が整えば、人に与える印象が健康的なものになりますし、肩こりや腰痛を予防することもできます。姿勢が整えば呼吸がしやすくなり、自律神経の働きが良くなるといった効果も期待できます。
特に、テレワークが中心になって座る時間とパソコン作業が長くなっている人は、猫背になってしまいがち。体幹を鍛えて体を整えましょう。
取り組む種目は5つ。どれも道具は使わず、自宅でのテレワークの合間にも手軽に行うことができます。
それほど強度は高くないので、週3回(可能な人は毎日でもOK)のペースで継続し、体幹力をアップしましょう!
あなたの体幹力は十分にある?まずはテストしてみましょう
- 両足を腰幅に開いて立つ。背すじを伸ばし、耳、肩峰(肩関節の上にある出っ張った骨)、大転子(股関節の横側にある出っ張った骨)が一直線になるように。
- 背すじを伸ばしたまま片足を床から離し、太ももが床と平行になるまで脚を上げる。膝は90度程度に曲げる。この姿勢を20秒キープ。反対側も同様に。
左右ともに20秒ずつキープできたでしょうか。途中で足が床についてしまった人、グラグラと体が揺れてしまった人、足が90度まで上がらなかった人は、体幹力が低下している証拠。しっかりと鍛えていきましょう。
体幹トレーニング #01【プランク】
- うつ伏せの姿勢から、両肘を床について体を持ち上げる。肘は肩の真下。
- 首からかかとまでが一直線になるイメージで、30秒姿勢をキープ。腰が落ちたり、腰を上げすぎてしまうと体幹のトレーニングにならないので注意。
体幹トレーニング #02【サイドプランク】
- 床に横向きに寝る。肘を肩の真下について体を起こす。
- 首からへそ、かかとまでが一直線になるイメージで、30秒姿勢をキープ。腰が落ちたり、腰を上げすぎてしまうと体幹のトレーニングにならないので注意。
体幹トレーニング #03【リバースプランク】
- 仰向けの姿勢から、両手両足を床について体を持ち上げる。両手は肩の真下につき、すねは床に対して垂直になるように。
- 体をテーブルにするようなイメージで、肩から膝までを一直線に。腰を落とさずに30秒姿勢をキープ。
体幹トレーニング #04【エレベータープランク】
- 通常のプランクの姿勢をとる。首からかかとまでを一直線に。
- 左腕を伸ばして手を床に。首からかかとまでは一直線をキープ。
- 次に右腕を伸ばして両手を床に。首からかかとまでは一直線をキープ。
- 左腕を曲げて左肘を床に。次に右腕を曲げて右肘を床について元に戻る。ここまでで1回。10回繰り返す。腕を曲げて伸ばす際に体が横に向いたり、腰が落ちないよう注意。
体幹トレーニング #05【フライングドッグ】
- 四つ這いの姿勢に。手は肩の真下につき、太ももは床に対して垂直に。
- 右手と左膝を床から離し、右腕は前方に、左脚は後方に向かって伸ばす。腰が落ちないように注意しながら、指先からつま先まで一直線になるイメージで、30秒キープ。反対側も同様に。
5つのトレーニングは、いずれも体幹部を鍛えるトレーニングですが、重点が置かれる部位や刺激が異なるので、バランス良く取り組みましょう。
また、姿勢をキープしている際に呼吸は止めず、自然な呼吸を繰り返してください。
腕や肩、胸、臀部などの筋力トレーニングと比べると、体幹トレーニングは見た目の変化が少ないので、体が変わったことに気が付きにくいかもしれません。
しかし、継続することでトレーニング時の姿勢のキープがしやすくなったり、日常生活で背すじが伸びた美しい姿勢を維持するのが楽になったりするはずです。
継続していけば体が疲れにくくなったり、腰痛や肩こりに悩まされることが減るということも起こるでしょう。
地味なトレーニングではありますが、継続していけば必ず体のパフォーマンスがアップしますよ!
中村藍
1992年8月3日。東京都出身。3歳から約20年間水泳に励み、日本選手権出場の経験あり。競技引退後に太ったことをきっかけにジムに通い始める。27歳のとき、体調を崩し自分に自信をなくしたことをきっかけに、真剣にボディメイクをスタート。コンテストでは二度の優勝。現在はSIXPAD HOME GYMのインストラクターとしても活動中。
1人でフェンシング・水泳・馬術・レーザーラン(射撃・ランニング)の5種目をこなし、キング・オブ・スポーツと呼ばれる近代五種競技。そんな近代五種競技で国内トップクラスの実績を持ち、モデルとしても活躍するのが、スポーツブランド『デサント』のア[…]
