テニスには、1対1で行うシングルスと、2対2で行うダブルスがあります。ダブルスにはシングルスとは違った難しさがあり、ルールも異なります。
この記事では、テニスのダブルス初心者に向けて、シングルスとの基本的な違いや覚えておきたいルールについて解説します。
テニスのダブルス・シングルスの基本的な違い
ダブルスとは、2人1組になり、2対2のチーム対抗戦で行われるゲームのことです。テニスだけではなく、卓球やバドミントンなどでも同様にシングルスとダブルスの形式があります。
同性でペアを組むのが通常のダブルスで、男女ペアの場合は「ミックスダブルス」や「混合ダブルス」と呼ばれます。
まずは、ダブルスとシングルスの基本的な違いを覚えておきましょう。
コートの広さ・ライン
ダブルスとシングルスでは、コートの広さが異なります。シングルスではコート内側のサイドラインが使用され、ダブルスの場合はコート外側のサイドラインが使用されます。
ただし、サーブが有効となるサービスコートの広さはシングルスと同じです。
フォーメーション
ダブルスでは、2人の選手が前衛と後衛に分かれてプレーします。ネット前でプレーする選手が前衛、サービスラインより後ろでプレーする選手が後衛です。
前衛の選手にはポイントを決める役割があり、後衛の選手はサーブを打ち、前衛の選手が取れなかったボールを取るという役割があります。
シングルスにはない協力プレーを楽しめるのは、ダブルスの醍醐味です。
テニスのダブルスで覚えておきたいルール
続いては、テニスのダブルスを始めるにあたって、知っておきたいルールを解説します。シングルスに慣れてきて、ダブルスに挑戦したいと考えている人は、ぜひ覚えておきましょう。
サーブは4人が交互に打つ
ダブルスの試合は2対2の合計4人で行われ、4人が交互にサーブを打つのがルールです。
例えば、A・BペアとC・Dペアの試合でAが最初にサーブを打つことになった場合、サーブの順番はA→C→B→DまたはA→D→B→Cとなります。
プレーするサイドは固定
ダブルスでは、2人の選手が左右それぞれのサイドに分かれてプレーすることになります。
右側をデュースサイド、左側をアドバンテージサイドと呼び、基本的には固定です。
セットが終わればサイドの変更は認められていますが、変えないケースも多いです。
サーブのときは左右に移動
ダブルスのサーブは、ポイントが決まるたびに左右を移動します。
右側のデュースサイドからサーブをしてポイントが決まったら、次は左側のアドバンテージサイドからサーブをするのがルールです。
ここまではシングルスと同じですが、ダブルスの場合は、サーブする選手だけではなく、ペアの選手も左右の移動が必要です。
例えば、1人の選手がデュースサイドからサーブをする場合、もう1人はアドバンテージサイドに移動してスタンバイします。
レシーブのときは前後に移動
ダブルスでは、レシーブする側の選手もポイントが決まるごとに移動します。
セットが終わるまでサイドは固定なので、前後移動のみとなります。
パートナーにボールを当てるとフォルト
ダブルスでサーブをするとき、ペアの選手にボールを当てるとフォルト※になります。体はもちろん、ラケットやウェアなどにボールが当たった場合も同様です。
なお、サーブではなくラリー中にペアの選手にボールが当たった場合、失点となります。
シングルスにはないダブルス独自のルールなので、しっかりと覚えておきましょう。
※フォルト:サーブが有効と認められなかった場合にコールされる。1打目のサーブがフォルトになった場合、もう一度打つことができるが、2打目もフォルトになってしまうと「ダブルフォルト」となり、レシーバー側にポイントが与えられる。
テニスのダブルスの基本的なフォーメーション
ここからは、テニスのダブルスの基本的なフォーメーションについて解説します。
雁行陣(がんこうじん)
「雁行陣」とは、ペアの1人が前、1人が後ろにいる基本のフォーメーションです。攻守のバランスが良く、安定したプレーができるのが特徴です。
後衛の選手がストローク※1でラリーをし、前衛の選手がボレー※2で得点を決めるという攻撃パターンが一般的です。
※1 ストローク:自分側のコートでワンバウンドしたボールを打つこと。
※2 ボレー:相手の打ったボールをノーバウンドで打ち返すこと。
並行陣(へいこうじん)
「並行陣」とは、2人の選手がほぼ並行に位置するフォーメーションです。一般的には、2人の選手がサービスラインまで攻め上がっている状態を指します。
並行陣は、相手チームにプレッシャーを与えることができ、ミスや甘いボールを誘いやすいというメリットがあります。
ただし、攻撃的なフォーメーションだからこそ、素早い反応や正確なプレーが求められます。
ツーバック
「ツーバック」とは、2人の選手がどちらもサービスラインより後ろにポジショニングするフォーメーションです。
基本的には、レシーブのときに用いるフォーメーションで、リターンがしやすくなり、スマッシュやボレーで攻められても気持ちに余裕ができるのがメリットです。
ただし、ネット際のボールに反応しにくいというデメリットもあります。
アイフォーメーション
「アイフォーメーション」は、サーブを打つ選手とペアの選手、相手選手のうちの1人が一直線上に並んでいる状態を指し、プロの試合でよく見られるフォーメーションです。
ペアの選手はサーブを打つタイミングでセンターにしゃがむため、相手選手にとっては、サーブ後のフォーメーションが見えなくなります。
サーブがネットを越えた瞬間に立ち上がって左右どちらかに移動し、動いたほうにリターンがくれば、素早くボレーを決めるチャンスです。
オーストラリアンフォーメーション
「オーストラリアンフォーメーション」とは、2人の選手が同じサイドに立ち、コートの半面を空けてプレーする特殊な陣形です。オーストラリアの選手が始めたことから、このように呼ばれています。
センター寄りにポジショニングして、サーブを打った選手はすぐに逆サイドに移動するのがポイントです。
レシーブがクロスに返ってくればボレーができて有利ですが、それ以外のコースにはうまく対応できないため、最近ではほとんど用いられていません。
テニスのダブルスには特有のルールがある!フォーメーションも覚えておこう
2人1組で行うダブルスには、シングルスとは異なる面白さがあります。ダブルスに挑戦するなら、特有のルールやフォーメーションを覚えておくと役立つでしょう。
テニスのダブルスにはさまざまなフォーメーションがあり、ペアの選手と話し合いながら戦術を考えるのも醍醐味の一つです。
また、ダブルスの試合では、ペアで同系色のウェアを着用するという服装規定が定められている場合もあります。
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