グラファイトデザインが解説「ゴルフクラブシャフト」選びの秘訣!

グラファイトデザインが解説「ゴルフクラブシャフト」選びの秘訣!

  • 2022/03/01 (火)
  • 2023/06/14 (水)

ゴルフのスコアを伸ばすためには技術を向上させることはもちろんのこと、自分に合った道具を選ぶことがとても重要です。

今回は、正しいシャフトの選び方についてゴルフシャフトメーカー・グラファイトデザイン社の本吉興毅氏に話を伺いました。

ゴルフシャフトメーカー・グラファイトデザイン社の本吉興毅氏

3ブランドのシャフトを手掛けるトップメーカー

グラファイトデザイン社のロゴ

グラファイトデザイン社は、1989年に設立をしたゴルフシャフトメーカー。国内では主にOEMをメインで展開。2003年にツアーAD I-65を発表し、現在のUBモデルが20代目となります。

2003~2017年までは国内男子ツアーのドライバーシャフト使用率1位、松山英樹選手など多くのトッププロが愛用中。

また、2017年にはシニア層に向けた「秩父」、2020年には幅広い層に向けた「G」を展開しています。

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ゴルフシャフトのさまざまな疑問を解決!

――シャフトの役割は何ですか?

まず、ゴルフクラブは大きく分けて、グリップ・シャフト・ヘッドの3つのパーツからできています(下図参照)。

そのなかで、シャフトはヘッドの性能を最大限に活かすもので、シャフト1つで、弾道も球筋も変わってしまうぐらい非常に重要な部分になります。

ゴルフクラブのパーツ説明の図

――ドライバーシャフトは主にカーボンを使用していますが、その特徴を教えてください。

カーボンは、シャフトを軽くできるというのが最大の特徴です。加えて、カーボンシャフトには10個ぐらいのパーツを使っています。

1枚のカーボンシートで巻いてから、部分的にまた巻いていくなどして、しなり方を変えることが可能です。設計の自由度がとても高く、さまざまな方に向けた製品を作ることができます。

また、アイアンやパターにはスチール(鉄)が使用されることが多いです。カーボンに比べると重く、しっかりと振れるのが特徴です。

――純正シャフトとカスタムシャフトの違いはどこにありますか?

弊社でもOEM(※相手先のブランド製造)として、クラブメーカーの純正シャフトを出しています。

スペック的には「万人向け」というイメージで、誰が使用しても打ちやすいという仕様になっているので、ゴルフ初心者の方向けだと思っていただければ良いです。

それに対して、カスタムシャフトはシャフト単体で販売しているものです。

弊社でもツアーADのウッド用は15本種類のラインナップがあります。ご自身のスイングに合うものを選択し、パフォーマンスを「最大限に引き出す」ことを目的に制作しています。

シャフトの製造工程

また純正シャフトを使用している方は、ラウンド時にナイスショットを打ったのに周りのプレイヤーよりも飛距離が出ないとか、決まった方向に曲がり始めたときなど、自身の球筋に疑問を感じたときに、カスタムシャフトを検討するのが良いですね。

現在だと、ゴルフショップでもカスタムシャフトを初めから装着しているクラブも販売されているので、試打をして自分に合えば、そこで購入することも可能です。

――シャフトの硬さや長さ、重さについて教えてください。

【フレックス(硬さ)】は、一般的な表記で L(レディース)→A(アベレージ)→R(レギュラー)→SR(スティッフレギュラー)→S(スティッフ)→X(エキストラ)の順で硬くなります。

機械でシャフトの中心部分を押して、どの程度たわむかでフレックスが決まります。ただ、同じ表記でもメーカーにより実際の硬さは変わってくるので、そこは注意してください。

ゴルフシャフトの硬さ、長さ、重さのグラフ

【長さ】ですが、シャフトの長さではなく、クラブヘッドの大きさまで含んだ長さが表記されています。

ドライバーシャフトは45~46インチが一般的で、飛距離を出したいと考える方は長めにして、飛距離を落としても曲げたくないという方は、43~44インチと短めのものを選択すると良いでしょう。

【重さ】については、ドライバーシャフトだと現在30g台~80g台のものがラインナップされています。一般的には、非力な方がヘッドスピード上げるためのサポートとして軽めのシャフトを使うと飛距離を伸ばせます。

逆に、曲がりが気になるという方は重めのシャフトを選ぶとクラブが安定するので、ボールがブレないと覚えておくと分かりやすいですね。

また、ご自身に合ったシャフトの重さを選ぶ方法として、30g・40g・50gと軽いものから順に打っていき、これ以上しんどくて振れないなと思う限界点を探ると良いです。

ラウンドをするときには、最低でもドライバーを14回打つので、そのときに体がへばらず最後までしっかりと打てるグラム数のシャフトを選びましょう。

練習場であれば、無理なく20~30球打てるかどうかが判断基準になると思います。

――キックポイント(調子)について教えてください。

キックポイントというのは、シャフトのしなる部分がどこにあるかを表しているものです。

先調子であればヘッド側が「しなり」、元調子であれば手元側が「しなる」という解釈です。先調子の特徴としては、ボールが上がる。そして元調子は、ボールが上がらないというのが特徴です。

また中調子というものもあり、キックポイントがシャフトのちょうど中央付近に設定されていて、癖のないシャフトと言われています。全体がきれいにしなってくれるので、ヘッドの特徴通りの球筋が出てくれます。

キックポイントの説明をする本吉興毅氏

私は「振り心地=キックポイント」につながると思っています。そこがとても重要で、トッププロの方にも先調子・中調子・元調子どれが振り心地が良いのかを聞いて判断をしています。

また先調子が易しくて、元調子が難しいと言われているのですが、そういったことはまったくありません。

シャフトのしなる部分とトップからインパクトにかけてクラブを振り下ろすタイミングが合い、「気持ち良く振れる」と感じられればOKです。

――トルクの役割は、どのようなものでしょうか?

トルクは、シャフトを一定の力でねじった際に、どのくらいねじれるかを角度で表したものです。単位で言うと2.5度や3.0度などと表記され、多いもので7〜8度があり、飛びに重要なものになります。

力がない方、自分で強く振れないという方は、トルクが多めのほうが楽に飛ばすことができます。

もし力がある人が、トルクの多めのクラブを使用した場合は、ヘッドスピードが速いうえに、多くねじれてしまうことで方向性が非常に悪くなるので、トルクが少なめのものを選んだほうが良いです。

一般のゴルファーであれば、3~4度のもので大丈夫です。

――シャフトの管理で注意する点はありますか?

カーボンシャフトは、机の角などとがったところに当たると、簡単に折れてしまう可能性が高いです。

あとは、トランクに置きっぱなしにすると熱で接着部分などが剥がれてきてしまう可能性があるので、自宅で保管しましょう。

ただ劣化することはないので、折れない限り一生使うことができます。またスチールシャフトは、外はきれいでも鉄なので中がさびてしまうことがあるので、注意してください。

診断ツールで自身に合ったシャフト選び

シャフト・ファインダーのロゴ

グラファイトデザイン社のHPには「シャフト・ファインダー」という診断ツールを用意しています。

そちらでヘッドスピード・球筋・シャフトで改善したい悩みなどを選択するとおおよそこのタイプのシャフトが合うというものが出てくるので、参考にしていただければと思っています。

「シャフト・ファインダー」はこちらから▷ https://tourad.gd-inc.co.jp/shaftfinder/

現在は、ゴルフショップや練習場でも試打をできる機会が増えているので、診断ツールを利用して、おすすめのシャフトをぜひ使ってみてください。

そして、そのときに重要なのが1球目のフィーリングです。何球も打つと体がアジャストしてしまうので、シャフト選びで何球も打つことはあまり意味がありません。

ファーストインプレッションの「振り心地」と「弾道」でシャフトを選択しましょう。

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ルコックスポルティフ ゴルフと「TOUR AD」とのコラボレーションが実現。グラファイトデザインがスポーツアパレルブランドとコラボレーションをするのは今回が初!

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【グラファイトデザインTOUR ADコラボ】
左上より
キャップ
胸ライン半袖シャツ
地柄ジャカード半袖シャツ
ボーダー半袖シャツ
サンバイザー

<プロフィール>

本吉興毅氏プロフィール

本吉興毅氏

1990年本間ゴルフ入社、契約プロのクラブ担当となる。その後、1998年ブリヂストンスポーツに移り、同じく契約プロのクラブ担当と、新製品の開発にも従事。当時USPGAツアーで活躍した伊沢利光プロ、丸山茂樹プロも支える。その後、2011年に現グラファイトデザインに入社し、30年以上トッププロのギアを支え続ける業界でもトップを走るゴルフクラブのプロフェッショナル。その経験を活かし現在では、プロゴルファーのギア以外もさまざまな企画に携わる。

 

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