水泳(競泳)の個人メドレー・メドレーリレーの順番、ルールを分かりやすく解説

水泳(競泳)の個人メドレー・メドレーリレーの順番、ルールを分かりやすく解説

  • 2023/03/23 (木)
  • 2023/12/14 (木)

水泳(競泳)の個人メドレーやメドレーリレーは、国際試合でも盛り上がる種目の一つです。泳ぐ順番や基本的なルールを覚えておくと、より一層楽しめるようになるでしょう。

この記事では、個人メドレー・メドレーリレーの泳ぐ順番、基本ルールを分かりやすく解説します。

水泳(競泳)の個人メドレーとは

水泳(競泳)の個人メドレーとは

水泳(競泳)の個人メドレーとは、定められた距離の4分の1ずつを「バタフライ」「背泳ぎ」「平泳ぎ」「自由形」という4つの泳法で泳ぐ種目です。

スピードを競い、ゴール時のタイムにより勝敗が決定します。

国際試合などでは、200m個人メドレーと400m個人メドレーの2種目が行われるのが一般的で、それぞれ男女別に泳ぎます。

個人メドレーの順番

水泳の個人メドレーでは、泳ぐ順番がルールとして定められています。
公式の競技大会で決められている泳ぐ順番は、以下の通りです。

  1. バタフライ
  2. 背泳ぎ
  3. 平泳ぎ
  4. 自由形

水泳(競泳)のメドレーリレーとは

水泳(競泳)のメドレーリレーとは

水泳(競泳)のメドレーリレーは、4人の選手が同じ距離ずつ、異なる泳法を用いてリレー形式で泳ぐ種目です。

国際試合の種目としては、4人の選手が100mずつ泳ぐ「4×100mメドレーリレー」があり、「背泳ぎ」「平泳ぎ」「バタフライ」「自由形」でリレーしていきます。

メドレーリレーも、ゴール時のタイムで勝敗が決定します。

メドレーリレーの順番

メドレーリレーでも、泳ぐ順番は以下のように定められています。
個人メドレーと泳法の種類は同じですが、順番が異なるため覚えておきましょう。

  1. 背泳ぎ
  2. 平泳ぎ
  3. バタフライ
  4. 自由形

個人メドレーもメドレーリレーも、最後が自由形という点は共通しています。

水泳(競泳)の個人メドレー・メドレーリレーの基本ルール

水泳(競泳)の個人メドレー・メドレーリレーの基本ルール

続いては、水泳(競泳)の個人メドレーとメドレーリレーをより深く楽しむために、覚えておきたい基本ルールを解説します。

競技全般のルール

水泳の場合、すべての個人競技は男女別に行わなければならないという規定があるため、個人メドレーは男女別に行われます。

競泳のなかでは唯一、混合リレー競技のみが男女各2名のチームで行われます。

ほかにも以下のようなルールが存在します。

  • 競技者は定められた全距離を泳ぎきらなければならない
  • 競技中にレーンロープを引っ張ってはならない
  • 競技者はスタートした同じレーンを維持して、ゴールしなければならない
  • ほかの泳者を妨害した場合、失格となる
  • 前の競技者が壁にタッチする前に次の競技者の足がスタート台を離れると、そのチームは失格となる(リレー競技)
  • ルールを遵守しなければ失格となってしまうため、競技をする際には重要なポイントになります。観戦するうえでも覚えておくと役立つでしょう。

    スタートのルール

    個人メドレーとメドレーリレーでは、スタートのルールが異なります。

    まず、個人メドレーのスタートは飛び込みです。

    選手は審判の長いホイッスルでスタート台に上がり、出発合図員の号令によってスタートの姿勢をとります。次の合図で一斉に飛び込んでスタートします。

    一方、メドレーリレーは水中からのスタートです。

    選手は審判の長いホイッスルでプールに入り、2回目の長いホイッスルでスタートの位置につきます。出発合図員による号令の後の合図で一斉にスタートします。

    自由形のルール

    自由形とは、どんな泳ぎ方をしても良いという泳法です。ただし、メドレー競技の場合は、バタフライ・平泳ぎ・背泳ぎ以外の泳法でなければいけません。

    基本的には最も速い泳法である「クロール」を選ぶ選手がほとんどのため、事実上「自由形=クロール」となっています。

    また、自由形ではプールの底に立つことは失格とはなりませんが、歩くことは認められていません。

    さらに、スタート後や折り返し後、壁から15m地点までには頭が水面上に出ていなければならないというルールもあります。

    背泳ぎのルール

    「背泳(はいえい)」や「バックストローク」とも呼ばれる背泳ぎは、仰向けの姿勢で泳ぐ泳法のことです。

    仰向けの姿勢とは、頭部を除いて肩の回転角度が水面に対して90度未満である状態を指し、折り返し地点を除いて、競技中は常にこの姿勢で泳がなければなりません。

    スタートする際には、選手はスタート台のほうを向き、両手でスターティンググリップを持ちます。このとき、排水溝やプールの縁に足を掛けてはいけません。

    さらに、自由形と同じく、スタート後や折り返し後から15mの地点までに、頭を水面上に出す必要があります。

    ほかにも、折り返しを行っている間は体の一部が自レーンの壁に触れなければならない、ゴールタッチは仰向けの姿勢で行わなければならないといったルールも定められています。

    平泳ぎのルール

    平泳ぎは、胸の前で両手をかき、同時に両足でも一蹴りするという一連の動作を繰り返す泳法です。「ブレストストローク」や「ブレ」とも呼ばれます。

    平泳ぎの競技者は、スタート後と折り返し後のひとかき目のみ両手を脚のところまでかくことができ、その間は水没状態でも良いとのルールがあります。なお、それ以外は両手をヒップラインより後ろに戻すことはできません。

    また、スタート後と折り返し後の最初の蹴りについては、バタフライキック※が1回のみ許されています。

    ただし平泳ぎの場合、スタート後と折り返し後の最初のひとかきから、体はうつ伏せである必要があります。

    壁に手がついた後、折り返しの動作中はうつ伏せでなくても良いとされていますが、足が壁から離れたときにはうつ伏せでなければなりません。

    競技中の泳ぎのサイクルは、必ず1回の腕のかきと1回の足の蹴りを順番に行います。両腕・両足の動作は左右同時に行う必要があり、交互に動かすことは禁止されています。

    ほかにも、泳ぎのサイクルの間に頭が水面上に出なければならない、肘は折り返し前の最後のひとかき・折り返しの動作中・ゴールの際の最後のひとかきを除き、水中に入っていなければならないなど、細かなルールもあります。

    ※バタフライキック:両足を同時に上下させ、足の甲で水を蹴ること。ドルフィンキックとも呼ばれる。

    バタフライのルール

    バタフライは、両腕を同時に前後に動かし、両足は同時に上下に動かして泳ぐ泳法です。平泳ぎを起源とした比較的新しい泳法で、クロールの次にスピードが出ると言われています。

    バタフライの基本の姿勢も、平泳ぎと同様にうつ伏せです。

    壁に手がついた後、折り返しの動作中はうつ伏せ状態でなくても良いとされていますが、壁から足が離れたときにはうつ伏せでなければなりません。

    両足の上下動作は同時に行わなければならず、両腕・両足を同じ高さにする必要はないものの、交互に動かしてはならないと定められています。

    ほかにも、スタート後や折り返し後は、水面に浮き上がるために水中での数回のキックやひとかきが認められていたり、壁から15mの地点までに頭が水面上に出ていなければならなかったりといったルールがあります。

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    水泳(競泳)の国際試合などでは、個人メドレーやメドレーリレーが開催されます。

    どちらも4つの泳法でタイムを競うのが基本ですが、個人メドレーとメドレーリレーでは、泳ぐ順番やスタートの仕方など、一部ルールが異なります。

    メドレー競技は、4種類の異なる泳法が見られる面白い競技なので、それぞれの泳法の特徴とルールを正しく理解して、楽しみながら観戦してみてはいかがでしょうか。

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