「RIJOUME」のMDとデザイナーが提案する、大人のためのゴルフウェアとは

  • 2020/09/02 (水)
  • 2023/06/15 (木)

2020年春夏よりスタートしたルコックスポルティフ ゴルフ(以下ルコックゴルフ)の新ライン「RIJOUME(リジューム)」。

秋冬シーズンの展開を前に対談したのは、同ラインのMD(マーチャンダイザー)加藤源太郎(かとうげんたろう)氏(写真右)と、デザイナー西澤政奎(にしざわまさき)氏(写真左)。

「RIJOUME」立ち上げの経緯やコンセプト、新作アイテムの特徴や今後の展望などを、それぞれの立場から語っていただきました。

本物志向の大人への新たな提案。遊び心を取り入れた、スタイリッシュなアスリートスタイル

――「RIJOUME」を発足したきっかけをお聞かせいただけますか?

加藤:ルコックゴルフのブランドがすでに成立しているなかで、デザインや素材、機能性へのこだわりを強くした本物志向のラインを作りたいという思いがありました。対象となる年齢層も商品の価格帯も、これまでより広げていきたいと考えました。

コンセプトは“NEO ATHLETE”

――“NEO ATHLETE”というコンセプトは、どのようにして決められたのでしょうか?

西澤:ファッションのトレンドをゴルファー目線に落とし込むという発想から生まれました。素材はもちろん、スイングしやすいパターンや、立ち姿がきれいに見えるシルエットなど、ゴルファーを意識してデザインしています。

加藤:もともと私たちが持ち合わせている知識に、ゴルファーの方からいただいた意見も反映させて、コンセプトに沿ったアイテムの製作を進めています。

豊かな人生を送る大人に向けて

――「RIJOUME」というネーミングにはどんな意味が込められていますか?

「RIJOUME」というネーミングについて答えるMDの加藤源太郎氏

加藤: 「RIJOUME」は、“豊かな”“喜び”“魅力的”といった意味のフランス語を選んで組み合わせた造語です。近年では一つひとつの商品を大切にこだわって選ぶ方が増えている傾向があるので、RIJOUMEではその流れを尊重したいと考えました。仕事もゴルフも生活もより豊かにする、というイメージですね。

――ターゲット層として「豊かな人生を送る大人」とありますが、具体的にどんな方をイメージしているのでしょうか?

加藤:本物志向で仕事もバリバリこなしている男性。30代前半から40歳ぐらいの都会的な方のイメージです。

――上質なものの良さに気付き始めた年代ということでしょうか?

加藤:そうですね。時計や車など自分に合ったものをよく見極めて選んでいて、ゴルフのアイテムも「やっぱりこれじゃないとダメだな…」とこだわりを持っている方に購入していただきたいという思いがあります。

――ルコックゴルフのメインのラインよりもスタイリッシュな印象ですが、どんなことを意識されていますか?

加藤:デザイン自体はスタイリッシュかつシンプルにしながらも、ルコックゴルフの強みであるデザイン性をポイント使いすることで、らしさを出すように意識しています。

基本的には、モノトーンのなかでもワンポイントのカラーを差し色として使うなど、ディテールにこだわりを加えて欲しいと、西澤にお願いをしています。シンプルだけど、おしゃれでかっこよく、と。

西澤:当社のほかのゴルフブランド※と差別化しつつ、ルコックゴルフの良さを出さないといけない。このブランドの良さって何だろう?とすごく考えました。

※ルコックスポルティフはデサントで展開するゴルフブランドの一つ。デサントでは、2020年8月現在6つのゴルフブランドを展開している。

やっぱり、柄使いやマーキング、遊び心が大切だと思い、色を差すポイントなどで違いを表現しています。

素材やデザインで従来のイメージを変えていく秋冬の新作ウェア

セーターやワンピースなどの秋冬の新作ウェア

――秋冬シーズンのテーマは「City Exploring」だそうですね。

秋冬シーズンのテーマの「City Exploring」について答えるデザイナー西澤政奎氏

西澤:「City Exploring」は「町を探索する」という意味です。1枚の光跡写真から、光がバーッと流れている様子を柄やマーキングで表現しています。シーズンごとにテーマを決めてデザインに落とし込むのも、ルコックゴルフの面白さですね。

――シーズンごとにテーマカラーも設定されていますか?

西澤:そうですね。秋は、チャコールグレー、オレンジ。冬は、アイスブルー、ライムがシーズンカラーです。モノトーンをベースにしながら、シーズンカラーを加えるという形ですね。

既存のスタイルにとらわれない新しい魅力

レディースのスウェット

――秋冬のアイテムにおいて、改めてデザインのポイントを聞かせてください。

加藤:レディースのスウェットでは、これまでのゴルフウェアでは見られない、カジュアルウェアのようなフードが付いています。

――普段でも着られるようなかわいらしい印象ですね。

西澤:そうなんです。RIJOUMEではシルエットにもこだわっていて、最近アパレルトレンドでも多い、少し肩を落としたようなシルエットを参考にデザインしています。プレーに支障が出ないよう注意してシルエットを出しました。

素材も、表は綿で裏はポリエステル鹿の子になっているオリジナルのスウェット素材。肌触りと着心地の良さが特徴です。

RIJOUMEのレディースのスウェットの裏地

加藤:これまでのウェアは前身をこだわっている商品が多かったので、当初から「どの方向から見てもこだわりを感じられるデザインにしてほしい」と伝えてきました。

西澤:そうですね。それはすごく言われました(笑)。

RIJOUMEのスカート

加藤:スカートの丈でもこれまでの概念にとらわれないハイウエストを採用しています。脚長効果があってスタイリッシュに見えると春夏のアイテムが好評だったので、新たなチャレンジが評価されたと実感しているところです。

上質を求める時代に応える高級素材

RIJOUMEの半袖と長袖シャツ

――シルエットの美しさや着心地の良さを実現するために、素材も重視しているそうですね。

西澤:そうですね。例えば、この「マナードウール」という素材。ウールとポリエステルを混合させた複合紡績糸で、ウールの上質な風合いを残しながら、ポリエステルの機能も備えた素材です。

これまではあまり使ったことがなく、純粋なポリエステルを使うことが多かったですね。

加藤:販売価格に合わせた素材設定が必要です。RIJOUMEでは「妥協をせずに素材選びをしてほしい」、この考えを西澤とも共有して、カシミアやマナードウールのような高級素材を採用しています。

また、お客様が商品を選ぶ目もどんどん厳しくなっていると感じているので、私たちもずっと同じ価格帯で同じものを作るのではなく、次のステップとして新しいものを作っていきたいという気持ちですね。

西澤デザイナーおすすめのハイスペックなアウター

西澤デザイナーおすすめのRIJOUMEのハイスペックなアウター

――西澤さんおすすめのアイテムはどれでしょうか?

西澤:私のおすすめはこのアウターです。これまではウィンド系のブルゾンが多かったんですが、これは新しくてかっこいいアウター。RIJOUMEの目玉として推していきたいです。

――どんな特徴があるのでしょうか?

西澤:縦横伸びる4WAYストレッチ素材を使っていて、伸縮性にも優れています。シャカシャカと音がしにくく、とっても軽いんです。前身頃と袖には、軽くて保温性の高い、ダイレクトアルファという裏地を使っています。

パターンはサイクリングのウェアからヒントを得ていて、袖を立体構造にしています。袖を前振りにしているので、スイング時の構えなどでストレスを軽減するデザインです。

スタイル良く見えるシルエットを意識しながら作りました。

――ほかのスポーツウェアにヒントを得ることもあるのですね。

RIJOUMEのパンツなどの商品

西澤:デザインするうえで、意識することは多いです。

今回は、デニムパンツのパターンも参考にしました。デニムパンツはもともと労働者のウェアですから、脚が開いて動きやすいようになっています。そのあたりを参考にして、アドレスを取ったときにストレスのかからないようなシルエットも意識しましたね。

新たな試みへの反響に手応えを感じ、さらなる広がりに期待

RIJOUME春夏シーズンのリリース後の反響について話す西澤氏と加藤氏

――春夏シーズンのリリース後の反響はいかがでしたか?

西澤:インスタグラマーの方がすごくアップしてくれていて、それをチェックしました。

加藤:若い方のゴルフコーデに多く取り入れられていたことや、プロゴルファーの方にも着ていただいていることに、手応えを感じました。

レディースは大胆なストライプ柄やハイウエストのスカートなどを、スタイリッシュでかわいく見えると評価していただいたので、良かったと思っています。

メンズでは、これまで若い方には少ない印象だったハーフジップが結構選ばれていました。襟の高さや、どの角度から見てもかっこよくなるよう追求したアイテムだったので、それに魅力を感じてもらえたと思うと、非常にうれしいですね。

――RIJOUMEの今後の展開はどのように考えていますか?

RIJOUMEのワンピース

加藤:今後の課題としては、もっと多くの男性に着ていただきたいですね。男性はなかなか新しいものへ手を出す方が少ないので、ぜひチャレンジしてほしいです。

一方で、女性は新しいものやスタイルを早く取り入れておしゃれに着こなす傾向があると思います。

スタイリッシュな方がコーディネートしているRIJOUMEを見て、「あ、かわいいな。かっこいいな。」と憧れて、さらに多くの方に選んでいただけるようなラインに育てていけたらと思っています。

RIJOUMEの西澤氏と加藤氏

<プロフィール>

ルコックスポルティフ デザイナー
西澤 政奎(にしざわまさき)(写真左)

入社後、レディースウェアからメンズウェア、靴下、ベルト、帽子、アクセサリーとすべてのアイテムのデザインを経験する。ルコックゴルフの別ラインを経て、RIJOUMEのデザイン担当に。レディースウェアのデザインを得意とし、お客様に驚きや喜びを与えるデザインを心掛けている。

 

ルコックゴルフ MD(マーチャンダイザー)
加藤 源太郎(かとうげんたろう)(写真右)

入社後8年間は営業を担当。実際に店頭に立ちお客様と接することや、多くの得意先を担当した経験が、デサントの強みや各流通でのニーズを理解することにつながっている。2019年からルコックゴルフのMDとなり、自身の経験を踏まえて、ニーズに応えながら新しい提案を行う。ルコックゴルフがゴルフファッション業界のなかでリーディングブランドとなること、1人でも多くの人がゴルフに興味を持ってくれることを目指して取り組んでいる。

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