デサントと花王が近赤外線カットの効果を共同研究
「汗の量が減少」「心拍数の上昇抑制」といった身体への負担が軽減される結果に

日差し対策として、注目度が高まっている「近赤外線(NIR)」*は、ジリジリした熱さの原因になる光線です。デサントジャパン株式会社は、開発した近赤外線をカットする素材を採用したウェアと、近赤外線をカットする花王株式会社の日焼け止めを併用することで、暑熱環境下において近赤外線のカットによる効果について研究しました。
その結果、「汗の量が減少」「心拍数の上昇抑制」といった身体への負担が軽減される結果が得られました。

https://www.descente.co.jp/technology/feature/sunscreen-nir2025/

*「近赤外線(NIR)」とは炎天下にいると感じる肌のほてりや不快感。あの不快なジリジリした熱さの原因が「近赤外線(NIR)」です。近赤外線は紫外線や可視光より波長が長く、熱をよく伝える性質があり、人の体表温度を上昇させる要因と考えられています。さらに太陽光に含まれる近赤外線の割合は、紫外線の約6倍です。

【実験と検証結果について】
当社のアパレルの研究開発拠点「DISC(DESCENTE INNOVATION STUDIO COMPLEX)OSAKA」の人工気象室にて暑熱環境を再現し、実験を実施しました。近赤外線をカットすることで、発汗量や心拍数の上昇を抑える結果が得られました。※試験結果は所定の試験方法によるものであり、実環境での効果を保証するものではありません。

発汗量の比較
心拍数の上昇率

*1:Tシャツ(近赤外線カット率が低い)・日焼け止め製剤(紫外線カット機能のみ)
*2:Tシャツ(近赤外線カット率が高い)・日焼け止め製剤(近赤外線+紫外線カット機能)



夏は近赤外線カットで、暑さ対策 上手に汗をかき、身体への負担を減らそう!
<体温を上げすぎないことが、パフォーマンス維持には重要>                     
枝 伸彦 先生
獨協医科大学基本医学基盤教育部門(健康スポーツ科学)講師
専門分野は、運動免疫学・運動生理学・運動皮膚科学
早稲田大学で博士(スポーツ科学)を取得後、
同大学にて助手・助教・講師(任期付)に従事したのち
国立スポーツ科学センタースポーツ研究部を経て、2021年4月より現職

「運動パフォーマンスを維持するためには、体温を最適に保つことが重要です。ウォーミングアップなどによる適度な体温上昇は運動能力を高めますが、過度な上昇は運動能力の低下を引き起こすことになり、特に深部体温の過度な上昇は、持久性の運動パフォーマンスの低下に深く関わっていると考えられています。
近赤外線は熱をよく伝える性質があり、肌のほてりやジリジリした熱さの原因と言われています。身体は体温が上昇すると汗をかいて熱を逃がそうとしますが、大量の汗による水分の損失は脱水につながり、熱中症のリスク、そしてパフォーマンスを低下させることになります。もちろん、汗をかくのは重要ですが、過度に汗をかいて脱水状態になると、心拍数もあがり「キツさ」を感じます。この「キツさ」は持久力やパフォーマンスにも影響を与えるのです。
近赤外線をカットすることで、適度に発汗や心拍数の上昇が抑制されたということは、身体への負担が少なからず軽減されていると考えられます。暑い時期のスポーツでは、紫外線のみならず、近赤外線対策を行うことがパフォーマンスの維持につながることが期待できそうです。」


【近赤外線と紫外線をカットする当社独自開発素材「サンスクリーンNIR」について】
「サンスクリーンNIR」は、強い日差しによるジリジリした“熱さ”の原因である近赤外線をカットし、ウェア内の温度上昇を抑えることでクーリング機能を発揮する素材です。

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