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私たちはここ数年、大きな経営の転換期にありました。売上規模の拡大ではなく、収益性とブランド価値向上を重視する経営へと舵を切り、事業構造の見直しを進めてきました。その結果、2025年度には経常利益・純利益共に過去最高を更新しました。2022年度から2025年度にかけて経常利益は約2倍に成長し、4期連続で経常利益・純利益共に最高益を達成しています。「モノづくり」にこだわる企業として、売上を追うのではなく、さらなる商品力の強化に注力しています。機能・品質・デザインなど、すべてにおいて差別化を図り、競争力を高めていくことが次なる成長のためには不可欠だと考えています。
当社のモノづくりに「完成形」はありません。どれほど完成度の高い製品であっても、常により良いモノを目指し続ける――これが、私たちのモノづくりの根幹です。そうした想いを象徴する代表的な存在の1つが、『デサント』の「水沢ダウン」です。複雑な仕様に加え工程数も多いため、技術とノウハウをもった水沢工場でしか生産できない高品質なダウンジャケットです。操業開始から50年以上経ち老朽化した工場の建屋を一新し、2025年7月に新しい工場が稼働しました。新工場では導線や従業員の働きやすさにこだわったことで生産効率は上がりましたが、年間生産数は約25,000着とこれまでと変わりません。量を増やすのではなく、さらに難易度の高い仕様やデザインに挑戦し、製品の価値を高めることに充てています。自社の工場で、思いを込めたウェアをつくる、最高のモノづくりを追求し続ける、この姿勢こそがデサントの矜持です。海外生産が主流となるなかでも、国内に水沢・吉野・西都の3つの自社工場を維持しているのは、ここでしか実現できない技術と品質があるからです。水沢工場では高度な技術を要する「水沢ダウン」のリペア対応まで担っており、吉野工場では熟練の職人が縫い上げる『マンシングウェア』の「10年ポロシャツ」を、接着縫製を得意とする西都工場では『アリーナ』のトップモデルの競泳水着を生産しています。つくり手の思いや開発の背景といったストーリーを商品にのせてお客様にお届けできるのも当社の強みだと思っています。
こうしたモノづくりの考え方は、生産現場や研究開発部門にとどまらず、社員一人ひとりに共有されている価値観です。
私たちの原点は「スポーツが好き」という純粋な情熱です。その思いを製品の価値へと昇華させ、お客様や社会に届けていく。そして何より、私たちが思いを込めてつくった商品をお客様が手にしたときに、「このウェアを着ると気持ちが高まる」「快適だ」と感動していただきたい。それが私たちの何よりの願いです。
2026年7月
代表取締役社長 小関 秀一