株式会社デサント

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社長メッセージ

社長メッセージ社長メッセージ

ご挨拶

2020年より続く新型コロナウイルス(以下、コロナ)のパンデミックは未だ収束せず、多くの皆様が影響を受けています。亡くなられた方々に哀悼の意を表し、現在も苦しんでいらっしゃる方々に心よりお見舞い申し上げます。

新中期経営計画策定

社会は大きく変わり、感染症対策を含めた企業のレジリエンスやサスティナビリティ推進への注目度はますます高まっています。
 当社も2021年3月期は、コロナの感染拡大により、大きく影響を受けました。かしながら、2021年3月期には、欧米子会社の清算も実施し、2023年3月期までの中期経営計画D-Summit 2021(ディーサミット2021)で掲げたアジア(日本・韓国・中国)への集中は完了しました。また、中国における『デサント』ブランド事業を担う合弁会社の再編も行い、同事業は順調に拡大しています。
 D-Summit2021の2年間で、経営環境に劇的な変化があったこと、アジアへの集中の完了、および最も注力すべき日本事業の収益改善に向けた構造改革についての方向性を定めるなど戦略の立案から実行のフェーズに移行しました。そのため、2019年8月に発表した中期経営計画「D-Summit 2021」を1年前倒しで終了し、2022年3月期を初年度とする3ヵ年計画「D-Summit 2023」を新たに発表しました。今後は、日本・韓国・中国でバランスの良い収益体制を実現すべく各地域別に戦略を実行していきます。

就任から2年、これまでの成果

就任1年目は、当社収益の最大の問題点であった「赤字事業」をなくすことに注力しました。当社は欧米にまで事業展開を拡大し、自社のアセットを分散させていた結果、自社体力と事業遂行に必要な力のつり合いが取れず、欧米セグメントは赤字が恒常化していました。欧米事業は黒字化する見込みがない事業と判断し、子会社を通じての事業から卸売事業への転換を図りました。結果としてですが、その後拡大したコロナの影響を回避でき、早い判断が功を奏しました。
 また、同様にアセットを分散させているという問題意識から2年間で、ブランド数を14から9つにまで絞りました。今後も収益性の有無、将来性の有無でやめるものもあれば、当社にとって意味があると思えるブランドは導入するというスタンスで判断していきます。
 2年目は、当時当社の収益の中核であった韓国で起きた予期せぬ日本製品の不買運動のため、売上・利益が激減しました。しかし、このことにより当社が日本・韓国・中国を収益の3本柱といっていたにもかかわらず、実質は韓国頼みであることの問題点が明確にあぶり出されました。その結果日本事業の収益性の低さや、業務運営上の様々な問題点が浮き彫りになったため、日本事業の大きな改革に着手しました。韓国の不買運動と、もう1つの予期せぬ出来事であったコロナのパンデミックへの対応を図りながら、日本事業の様々な問題点に手を打ちました。2020年11月には、日本事業の構造改革について公表し、早期希望退職の募集による人員の削減にも手をつけました。経営状況的に本来であれば過去10年間は人員を減らすべき時期だったのですが、実際は約100名増強をしていたため、この増員分を減らし、本来の適正規模に戻しました。痛みを伴う改革でしたが、会社としてせざるを得ないと判断し断行しました。日本事業の改革にあたっては課題も多く、他にも多くの実行すべき施策があり、3年はかけないと、しっかりとした日本事業の再構築は出来ないと思っています。
 一方、中国での『デサント』ブランドの事業展開は、計画を上回り推移することができています。2020年はコロナの影響があったにもかかわらず、中国の中でも勝ち組として順調に伸長しています。『デサント』ブランドは、スポーツ分野では他にないプレミアム感のあるウエアとして受け入れられ、中国の消費者が求めているものに合致させることができています。当社の商品開発力と、パートナーのANTA社の販売力とが非常に良くマッチングしたのだと思います。日本発のこだわりの商品と、韓国で成功した店舗展開のノウハウを参考にし、非常にスピーディーに中国展開が出来ています。

日本事業の構造改革 - 3年後には直営店とECで売上構成比50%へ

日本事業においては、卸売を主体とする現状の当社の事業モデルで、収益を上げることは難しいと考えています。売上の80%が卸売であるということが、アパレル業界において既に時代遅れであり、当社は日本でECを含めた小売りでの売上構成比が非常に小さいために、消費者と直接的なコミュニケーションが取れておらず、このスタイルのままこの業界で生き残ることは難しく、これを打破する必要があります。当社はトップアスリートへの商品提供を通じ、スポーツの分野ではしっかりとした開発製品があるにもかかわらず、それを横断的に消費者に見ていただく売場がまだありません。当社の主な売場は、スポーツ専門店・百貨店などであり、商品カテゴリー別に売られてしまうことも多く、またブランドでコーナー展開が出来ていてもスペースに限りがあるため、ブランドの世界観を消費者に伝えられていません。消費者はいろいろなブランドを一斉に取り扱う売場でしかデサント商品を購入していないため、デサントは多数あるブランドの中の一部としてでしか認識されていない状況です。この問題はとても根深く、消費者と繋がるための行動を起こしたくても起こす場所がないというのが現状です。今の当社の売上流通構成比を逆転させ、80%が直営、20%が卸売となれば優良企業といえるのではないでしょうか。10年前から当社の日本事業の状況は変わっていません。韓国での成功に酔いしれて、日本の改革が遅れてしまったことが大きな反省です。
 日本において、直営店展開を拡大していくにはまだ時間が必要ですが、E C 事業との両輪で展開していき、3 年後にはDTC(Direct to Consumer)事業である直営店舗売上とEC売上で売上構成比50%を目指します。

新中期経営計画「D-Summit 2023」を発表

冒頭でも述べましたが、韓国での不買運動、世界的なコロナの感染拡大等で市場環境が激変し、また2019年8月に公表した中期経営計画「D-Summit2021」で掲げた日本・韓国・中国への集中は完了しましたので、この機会に3ヵ年計画を2年で終えて、2022年3月期を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画「D-Summit 2023」を発表しました。
 「D-Summit 2023」で最も注力するのは日本事業の改革です。日本事業は過去から続く問題を処理し、収益性を測る経営指標も決定したため、2022年3月期はその経営指標に基づき、毎月細かく事業の進捗状況をレビューし正しい経営に戻していきます。また、日本での卸売事業を行っていた連結子会社は事業譲渡し、DTC比率を上げていくことに全力を傾けます。
 韓国は、少しずつ事業環境が回復してきていますので、安定成長を目指します。中国も予想以上に順調ですので、今後は日韓中の3本柱の収益がバランス良く整って行くと考えています。

モノづくりの強化、「カラダ動く。ココロ動く。MoveWear」の開発

当社の競争力の源泉であるモノづくりの強化にも注力していきます。韓国・中国でも当社が事業を拡大出来ている根底には、やはり商品の良さがあります。当社はこだわりのあるプレミアムな商品をつくっています。欧米の競合大手と比較しても、商品の品位・品質では勝っていると自負しており、このモノづくりを継続していくことが重要だと考えています。どんな市場においても、年間を通して常に新しいもの、こだわりのあるものを消費者は求めており、その求められる期待に応えるべく使命を全うします。特に中国での『デサント』ブランドの事業において、現状の勢いを維持するには、新鮮なものを次から次へと投入していく必要がありますが、幸いなことに当社には2つの研究開発拠点「DISC」と5つの自社工場がありますので、それらを活用し、斬新な新商品を開発し続けていきます。
 また、スポーツウエアの開発で培った技術を活用し、より多くの消費者に手に取っていただけるよう、着用シーンをスポーツに限定しないウエアを開発していきます。社内での公募により同ウエアを“MoveWear”と名付けました。“動くためのウエア”、「カラダ動く。ココロ動く。MoveWear」と定義し、動くときに着ていて心地良い、着ていることで心がワクワクするようなウエアをつくり、日韓中の市場に出していこうと思っています。

ステークホルダーの皆様へのメッセージ

韓国の不買運動、コロナなど大変な状況下で、様々な構造改革を行ったということが理由ではありますが、2年間無配当であるということにつき、株主の皆さまに対しては誠に申し訳なく思っております。体制を整え、新中期経営計画で3つのマーケットの方向性を明確に定めました。今期以降は改革の成果を皆さまへお見せすべく、2022年3月期は当期純利益30億円を計画し、従来の配当性向30%の指針に基づき復配を予定しております。是非、今後のデサントに期待をしてください。

2021年6月
代表取締役社長 小関 秀一