株式会社デサント

SHOP

MENU

CLOSE

株主の皆様へ:IR情報 社長メッセージ

社長メッセージ社長メッセージ

ご挨拶

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)へのワクチン接種が進み、我々の主要事業エリアである日本・韓国・中国でも経済活動が再度活発になってきています。2022年3月期上半期には、『デサント』ブランドでサポートしているプロ野球大谷翔平選手が大変な活躍をされ、私自身も多くの感動や楽しみを得ました。スポーツ大会の開催も復活し、大谷選手を含む多くのアスリートが、スポーツが持つポジティブな力を発揮された半年だったと感じています。

現中期経営計画「D-Summit 2023」1年目、ここまでの手ごたえ

我々の半年間の業績もスポーツへの追い風を受け、順調に推移しています。「D-Summit 2023」で最も注力しているのは日本事業の改革であり、成し遂げようとしていることは、売上は追わずに、収益を上げることです。過去の売上拡大策での一番の反省は、機会損失を避けるために売れる以上にものをつくり、値引き・返品での販売ロスを生み、結果的に在庫を抱えるという悪循環をつくったことです。それを根本から見直し、売れるものをつくり、丁寧に売る。その結果として、返品が減り、値引きも減る。最終的には在庫が大きく減る、という好循環に変えることに挑戦しています。高い頂(Summit)を目指し、まだまだやることはたくさんありますが、2022年3月期の第1四半期には13年ぶりに日本セグメントの営業利益を黒字化することができ、現状推進している改革により収益を上げる体質に近づいてきたことを実感しています。

 具体的に推し進めているのは、売上の8割を占める卸売事業をDTC(Direct to Consumer)事業に転換する大改革ですが、DTC事業で実際に収益を上げられるようになるには、3年はかかると見ています。「デサント」ブランドの新たなイメージでの直営店出店を初めてまだ半年ほどなので、トライ&エラーを繰り返し、成功事例を作っていきます。

 日本以外に目を向けると、韓国においては、不買運動とコロナの影響で以前に比べると大きく売上は落ちています。しかし、2021年度からは、一時ほどの収益貢献は見込めないものの、少しずつ回復基調にあります。また、売上利益の拡大が見込まれる中国市場では、中核ブランドである「デサント」の事業を担う合弁会社の資本再編を果たしたことで、これまで以上に力強く事業展開を推進出来ているという手ごたえを感じています。

「D-Summit 2023」で掲げたマテリアリティ(重要課題)解決に繋がるモノづくりの進捗

当社は創業時からモノづくりに定評があり、長く着ていただける商品を作っています。昨今は世界的に見てもファストファッション、短期間で消費する風潮がありますが、当社の商品はそれとは一線を画しています。「デサント」ブランドの「水沢ダウン」に代表されるような商品は、10年以上着用していただける品質ですし、修理に出して愛着を持って着ていただいている方も多くいます。消費者の方が長く大事に着てくださっているということが一番のサステナビリティだと思います。華々しいものではありませんが、この点を一番大事にし、そういったモノづくりを今後も変わることなく続けていくつもりです。

 一方、企業として商品の仕入を抑え売上を伸ばさないというのは、疑問を持たれる方も多いと思います。しかし、今の人口・消費が減少している日本のようなマーケットで売上を伸ばす戦略を取るべきではありません。他社よりも高額であってもこだわりのあるモノづくりという点に価値を見出していただき、長く着ていただく。お客様に求められる分だけを作る、というのが当社が目指すサステナビリティだと考えています。そのためにもDTC事業を拡大しお客様と直接接点を持ち、そのニーズをしっかりと取り込んだモノづくりをし、売り切る、という覚悟が必要です。

 お客様のニーズを形にしていく段階では、ブランドや商品ごとの仕入先の選定やコストを徹底的に見直し、どこから何を仕入れているのか、そのコストは本当に正しいのか、この仕入先が本当にマッチしているのか、当社の商品を作る技術力が担保されている工場なのかなど細かい点まで追求し、一緒にモノづくりをするパートナーを本気で選定していきます。

今後の見通し

世界中がコロナの影響を大きく受けている状況は変わりませんが、今年に入り、国ごとに感染拡大状況に時差が出始めています。日本は9月以降落ち着いてきましたが、製造の拠点となるベトナムでは8月以降深刻な影響を受けており、生産が停滞しています(9月現在)。アパレル業界はこのような停滞が起きると、市場ニーズ変化のサイクルの速さや収益性の問題から他の業種と比べても影響が大きく、また長期化する傾向にあります。コロナに関して市場や生産体制が影響を受ける状況はもうしばらく続くと覚悟しています。

 一方で、コロナの影響が緩和されてきた地域では、今年からスポーツの大きな大会が再び開催されるようになっています。消費の動向としては、中国市場でのウィンタースポーツ、特にスキーの流行が予想されています。スキーウエアに代表される重衣料は当社の得意領域ですので、ウィンタースポーツが盛り上がることで当社の商品の良さが再確認される契機になると思います。

 苦戦が強いられているアパレル業界の中でも、当社は“スポーツ”という強みを持っており。まだまだ伸びしろがあると思っています。「カラダ動く。ココロ動く。MoveWear」というコンセプトで、当社が培ってきたスポーツウエアの技術を活用し、着ているだけでワクワクするような、着用シーンを限定しない商品の開発を強化しています。コロナをきっかけに新しい生活様式が定着しつつありますが、この状況と「MoveWear」の親和性は高いと感じています。動きやすいが清潔感があり、きちっとして見えるスポーツウエアをビジネスシーンや日常生活に取り込むお客様が増えてきています。この契機を逃さないようにするためには、やはりお客様との接点を増やすDTC事業の拡大が必要不可欠です。スポーツ用品売場での販売だけでは、自ら当社商品の着用シーンをスポーツシーンに限ってしまいかねません。しかし、直営店スタイルの売場であれば、もっと幅広く当社の商品を見ていただき、着用シーンの提案の幅を広げられます。それを実現するのは「MoveWear」だと思っています。

今後の投資について

「D-Summit 2023」で計画している2021年から2023年の間で収益をあげられる体制を作りあげるつもりです。この3年間で日本・韓国・中国でのバランスの良い収益貢献による経営の安定化を実現し、同時にその次の10年のデサントをどうすべきか様々な角度から検討していく予定です。継続的な成長を目指す経営視点で見れば、いつまでも日本・韓国・中国の3本柱ではなく、時期尚早と判断し縮小した欧米や、日韓中以外のアジアへの再進出も考えられます。

 また、一定の収益が出て安定してきたら、新しいことに挑戦する投資が必要だと思います。投資先としてはスポーツに軸足を置きつつ、その関連分野も視野に入れています。私は経営者ですので投資した以上は、その経営をしっかりと管理監督をするつもりです。投資して経営し、収益を上げ当社の力にする。そのためには投資先の検討と並行して、その経営を任せられる人材を育成していくことが非常に重要です。ビジネス環境も大きく変化しているため、従来型のことをしていてはダメだということを意識して取り組んでいかねばなりません。投資にしても経営にしても、これからは世界基準で考えていく必要があります。日本は地理的な条件からしても他の国と比べて特殊で、日本固有のビジネス流儀がありましたが、それも通用しなくなるでしょう。広い視野を持った次世代の育成にも注力していきます。

ステークホルダーの皆様へのメッセージ

2年間無配当ということで本当にご心配、ご迷惑をおかけしましたが、今年から新中期経営計画をスタートさせ、この上半期は順調に推移することができましたので、今期より復配いたします。更なる収益の拡大に向かっており、社員ともども従来以上にメリハリをつけて仕事に取り組んでおりますので、今後とも何卒ご支援賜りたくお願い申し上げます。

2021年11月
代表取締役社長 小関 秀一