モノづくり

2023/10/17

鹿児島県天城町立岡前小学校にてICTを活用した遠隔授業「新しい体育着を考えよう」を実施

当社は2018年度より、静岡大学及び一般社団法人「プロフェッショナルをすべての学校に」と協力し、
スポーツ人口の拡大と地方・離島の学校における教育格差の解消を目的としてICT(Information
and Communication Technology)を活用した遠隔授業に取り組んでいます。

10月6日(金)、今年度の第2回目として「新しい体育着を考えよう」をテーマに鹿児島県天城町立岡前小学校の6年生27人を対象に授業を行いました。

授業冒頭には、講師を務める当社の商品企画担当が自身の出身地や好きなスポーツを絵に描いて、子どもたちが正解を当てるゲーム形式のアイスブレイクを行いました。

続いて、小学生が事前に考えた体育着のアイデアの発表に対して、様々な角度からアドバイスをしました。

以下、小学生のアイデアと講師のコメント(抜粋)を紹介いたします。
(小学生)「今の体操服は白色のため肌着が透けてしまう。色を深緑と白にすることで透けを防ぎ、いつでも着られるかっこいいデザインにしたい。」
(講師)「白の一本線のデザインがスポーティでかっこいい。透けにくい厚めの生地をポイントに使い、脇など涼しくしたい部分は薄い生地にするなど組み合わせると機能的でさらにかっこよくなると思う。」

(小学生)「今の体操服は汚れやすい。また、着ていて暑いときがあるので、生地を薄くしつつ、黒と水色のデザインで汚れが目立たないようにしたい。また、水色は学校の近くの海をイメージしている。」
(講師)「汚れが落ちやすい素材を使っても100%落ちるようにするのは難しいので、汚れが目立たない色にするのは良い着眼点。海のデザインも学校や町の特徴が伝わって良いと思う。」

(小学生)「冬は半袖だと寒くて過ごしにくさを感じる。袖はファスナーで取り外しができ、冬は長袖として着用できるようにしたい。」
(講師)「袖の取り外しは頭が柔らかい良い発想だと思う。ファスナーを両腕につけると動いたときに擦れやすく、腕が痛くなってしまうこともあるので取り付け方の方法や工夫を考えてみるともっと良いと思う。」

また、その後の質疑応答では、
(小学生)「この仕事をするためにどんな勉強をしましたか?」
(講師)「生地の勉強をたくさんしました。ポリエステルや綿、ナイロンなど糸や生地の種類はたくさんあります。着る人の課題を解決するために一番合っている生地を見つけることが自分の仕事です。一つの課題を解決しても、別のデメリットが生じる場合もあるので、しっかり勉強して生地を選ぶようにしています。」

(小学生)「仕事をしていて一番うれしかったことは何ですか?」
(講師)「自分が企画した商品を実際に街で見かけたときです。一つの商品を作るのにたくさんの時間がかかります。頑張ってみんなで考えたものを、お客さまがお金を払って買って、誰かに会ったりスポーツをするために着てくれている場面を見ると本当にうれしく感じます。」
など仕事をする際の考え方ややりがいについての質問が多く出ました。

授業後には生徒の皆さんから、
「当たり前のようにたくさんの服を着ているけど、そのデザインやらを考えるために、たくさんの時間を使ってくださるデザイナーさんたちに感謝の気持ちがわきました。」
「最初は自分たちで服のデザインを作ると聞いて無理と諦めていたけど、いつの間にか発表が楽しみになってきて、今回の学習をこれからもしたいと思った。」
などの嬉しい感想を頂きました。

今年度は残り3回のICT授業の開催を予定しています。