HEAT NAVI ヒートナビ 光を、熱に。

太陽光のほぼ全ての波長領域を吸収して熱に変換するヒートナビ®は、プラス5℃*という高い保温効果を実現している。なぜ太陽光に着目したのか、どのようにしてプラス5℃を実現したのか。デサントと帝人フロンティアとの共同開発で作られたヒートナビ®の起源、その進化の過程を探っていく。

*当社従来ポリエステル素材とヒートナビ®素材の下記条件下での温度差であり、着用状態を表すものではありません。一定条件下での10 分後の上昇温度差[試験条件・環境:20℃、湿度65%RH。レフランプ下端より試料まで30cm、写真用レフランプ500W]

光の全波長を
利用するために。

 発電などに使われているように太陽光は大きなエネルギーです。夏はもちろん、冬でもエネルギーが大きなことに変わりはありませんので、それを活用したいと考えていました。ヒートナビ®が開発される以前は、赤外線しか反応しない素材が多かったのですが、特殊な蓄熱材を開発したことで、ヒートナビ®の最大の特徴であるほぼ全ての波長領域を熱に変えることを実現しました。

 ヒートナビ®にはほぼ全ての波長領域を熱に変える特殊な糸を使用しています。通常の糸の断面は丸いのですが、特殊扁平断面にすることで、光が当たる表面積を多くし、蓄熱性を大きくすることができたんです。微粒子を高濃度で練り込むと糸は切れやすくなります。この開発で難しかったのは、糸の強度を保ちながらパフォーマンスをどれだけ高められるかでした。

 さらに、糸を扁平にすることでメリットは多かったです。たとえば、吸汗性。扁平断面には溝があるので、水が拡散しやすくなりました。また、丸断面より曲がりやすいので、風合いも柔らかくなりました。大量に汗をかき、しなやかな風合いが必要なスポーツに最適な素材と言えます。

株式会社デサント ロジスティクス統括部 開発部 基礎開発課 土居純也氏

プラス5℃への挑戦。

 ヒートナビ®を開発する中で実際の製品にした場合に、そのあたたかさを体感できるというのが、一番重要でした。
 3℃差があればあたたかさを体感できると一般的には言われているんですが、さらに上を目指し、誰が着ても体感できることを目標にしました。しかも、プラス3℃では、何人かに着用してもらったのですが、あたたかさを感じにくいという意見がありました。プラス5℃ならあたたかさが体感できるという意見が多かったのです。このような開発には、フィールドテストをしないと絶対にダメです。数値はもちろんですが、それ以上に人間の感覚が重要なんです。

帝人フロンティア株式会社 技術開発部 機能テキスタイル開発課 原毛孝徳氏

 しかし、たった2℃の差とはいえ、されど2℃でした。細かいことをいえば、製品をつくる際に使われる他の糸によっても結果が異なってきます。光をよく反射する糸が使われていると、ヒートナビ®を裏地に使った場合、なかなか光が到達しないということもありました。なんとかクリアしたいと考え抜いた答えが、先ほどお伝えした特殊扁平断面にすることだったんです。

 ヒートナビ®の用途として、最初に想定していたのは、ウォーミングアップや運動後に身体を冷やさないことを想定していました。たとえ曇っていても赤外線は地上に届くため、ヒートナビ®は温かく、運動をしていないスポーツ観戦時にも適しています。私たちはスポーツに関わる人をより快適にしたいと思っています。

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