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準備運動と防寒着が必須! 冬の運動で気をつけるべき3つのポイント

健康のために適度な運動を続けたいところですが、冬は寒さから外出が減り運動不足になることも。また、冬場は運動でケガをしやすい季節とも言われています。冬の運動ではどのようなことに気をつければいいのか、スポーツ医学と糖尿病の運動療法を専門としている佐藤祐造教授に聞きました。

血液循環が滞ると心筋梗塞の可能性も!?

―――冬場に運動すべき理由は具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

「冬は忘年会や新年会などで、食事の摂取カロリーが高まるうえに、寒さのため運動を控えて家のなかにこもりがちになります。しかし、最近の研究では、安静時間が長いと心筋梗塞を引き起こしたり、糖尿病の悪化につながったり、高齢の方は認知症などにかかる可能性が高くなることがわかってきました。冬場でも、ある程度の運動をすることで、こうした生活習慣病になりにくい体作りができるのです」

つい怠けてしまいがちな冬場こそ、運動をした方がよいのですね。

冬場の突然の運動は大ケガのもと!

―――寒い環境下での運動の際、注意すべき点はなんでしょうか?

「寒い日の屋外で急に運動をすると、室内との急激な温度差によって血管が収縮し、交感神経も緊張・収縮してきます。すると血圧も上昇し、心筋梗塞や脳卒中、ごく稀ですが動脈瘤の破裂などを招く可能性があります。

また、寒いと筋肉も硬くなり、粘性(伸縮する性質)が低くなります。筋肉が硬いままの状態で重いバーベルを持ち上げたり急に走ったりすると、筋が断熱し肉離れなどを起こす可能性があります。ほかにも、関節可動域が減少し、骨と骨の間にある関節液が体が冷えることで少なくなり、脱臼することがあります」

冬場のケガや心筋梗塞が多いのは、筋肉や血管の収縮に原因があったからなんですね。

「ケガ」・「生活習慣病」対策のポイント

―――ケガや生活習慣病を予防するにはどのような対策をとればよいのでしょうか?

「次の3つの対策が有効的です」

極端な温度差をなくすこと

「屋内と外気の温度差が激しいと、先ほど述べたようなケガや生活習慣病を引き起こす可能性が高まります。まずは部屋のエアコンを切って寒さに慣れてから外に出るのがよいでしょう」

ウォーミングアップをすること

「冬場の運動では準備運動がとても大切です。基本的に5~10分程度が望ましいとされており、心拍数が毎分120(高齢者だと100)程度になるようなウォーミングアップを目指してください。部屋と外との寒暖差がはげしい日は、室内で準備運動をしてから外に出るのも良いでしょう」

手順としては、まず、手足をほぐすなど、軽い全身運動を行い、次に、反動をつけない『静的ストレッチ』を、呼吸を止めず無理に筋肉を伸ばそうとせずに、ゆっくりとした動作で行ってください。それに慣れてきたら、もう少し負荷が高く動きのなかで柔軟性を発揮させる『動的ストレッチ』を加えて、徐々に体に負荷をかければと思います。ラジオ体操も、「2番」は関節を広く動かすなど、激しい動きが多くなっています。あれも『動的ストレッチ』が多く組み込まれているからなのです」

防寒グッズで体を冷やさないこと

「運動する際の格好にも注意が必要です。理想的なのは、厚着一枚を羽織るのではなく、生地が薄いものを何枚か重ね着すること。運動量にあわせて徐々に脱いでいくことで温度調節がしやすくなるため、余分に汗をかいたりせず、筋肉の硬化も抑えることができます。手袋、ネックウォーマー、マフラーなどいろいろな防寒グッズで、できるだけ体全体を温めるようにしてください。スポーツウエアにも防寒性、通気性に優れたものがあります」

冬場の運動の際にケガや生活習慣病から身を守るには、寒さに体を慣れさせると同時に、筋肉を徐々に柔らかくしていくことが大切。準備運動と防寒グッズで、健康的な冬を過ごしてみてはいかがでしょうか。

識者紹介/佐藤祐造(さとう・ゆうぞう)先生

2004年~名古屋大学名誉教授・愛知学院大学心身科学部健康科学科教授(その間07年〜11年、同学部長)。現在、愛知みずほ大学大学院特任教授・研究科長を務める。おもな著書に「内科学第10版」(分担)(朝倉書店)、「糖尿病運動療法指導マニュアル」(編著)(南江堂)など。専門は内科・糖尿病学(ことに運動療法)、スポーツ医学、東洋医学、学校保健。公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団常務理事。

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